私の結婚式に私は行きません。弟を身代わりにします。だって私は幸せになりたいんだもん!!

ゆきりん(安室 雪)

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 酷く懐かしい夢を見た。

 しかし、体が鉛の様に重く、瞼を開けるのさえ億劫だ。

 でも、とてもお腹がすいた。その証拠に、早速お腹が鳴った気がする。

 何とか重い瞼を開けると、そこには少しやつれたライラが本を読んでいるのが見える。

「ラ・・イラ」

 喉がカスカスしていて、声がすんなり出てこない。

 どうしたの、私?

「ナツキ!?目が覚めたのっ!?」

 ライラは読んでいた本を手から落としたが、全くソレを気にせず涙を浮かべ近寄って来る。

「ライラ、とりあえずお腹すいた・・・」

 そう言うと、ライラは泣きながら呆れ顔という変な顔をして走りながら部屋から出て行った。

 そしてすぐにミツキ姉がやって来た。

「ナツキ!!心配したのよ!!あなた5日も目が覚めないからっ!!」

 涙を流しながら先程までライラが座っていた椅子に座り、みんながどれだけ心配したのか話し始めた。それが終わった頃にライラと侍女が部屋に入ってくる。

「とりあえず胃に優しいスープよ」

 ベッドの上でも飲みやすいように、マグカップが渡される。具がすり潰してありポタージュ風だ。

「んっ!おいし~っ!胃に染み渡るわっ!おかわりってあるのかしら?」

 言い終わると2人は目を点にしていた。



 その後、2人から建国際の後の話しを聞いた後、ミツキ姉から

「疲れたでしょうから、少し休みなさい」

 と言われ、横になった途端に睡魔に襲われる。

 

 たっぷり休んだ後、そういえば凄く懐かしい夢を見たのよね。と見た夢を思い出していた。

 あの別荘で出会った男の子、約束破ってごめんねって、もう覚えてないか。確かライって言ったっけ?

 ライ、あの子もとても綺麗なエメラルドのひとみだった。そう、まるでライトみたいな・・・。ふふっ、髪の色が違うもの。

 ライは綺麗な金髪、ライトは銀髪なのにね。

 そんな事を思っていると、部屋の扉をノックする音が聞こえる。

「どうぞ?」

 返事をして誰かな?と扉を見ると、花束が部屋に入ってきた。いや、正しくは大きな花束を抱えた人だ。

 その花束の花は、部屋にたくさんの花瓶に生けられている薔薇と同じ、大きなピンクの薔薇だ。

「やあ、ムーン。違うな、ナツキ。愛してる、結婚してくれるかな?」

 花束を手渡してくれるのは、諦めなければならなかった人、ライトだ。

「ライトっ!!な・なんでっ!?」




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