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通常、王宮でパーティー等があると身分の低い貴族けら会場へ入場になるが、今日は仮面舞踏会の為受付を済ませた者から中に入る様だ。
ナツキ達が中に入ると、既に大勢の貴族達が仮面パーティーを楽しんでいる様だった。
「ハズキはまだ来てないかしら?って、この人混みじゃ見つけられそうにないわ。ミツキ姉、待ち合わせとかしてるの?」
あまりの人の多さに、探し回るのは辞めたい気分になる。
「ええ、もちろんよ。こんな沢山の人達からハズキを探し出すのは困難だもの。そうね、後30分後位に待ち合わせ場所に移動しましょう。それまではパーティーを楽しみなさい、ナツキ。折角の出会いの場よ」
ミツキ姉はそう言ってくれるが、今は新しい出会いがあっても進展はしないだろう。ライトを忘れるにはまだまだ時間がかかりそうだわ。あんなに楽しくて安心できる人にはこの先、もう出会う事も無いわ。
結局、ナツキに新たな出会いは無くミツキ姉に連れられ待ち合わせ場所に向かった。
進むに連れ、人はどんどん少なくなり、とうとうミツキとナツキ以外は誰もいなくなった。
「ねえ、ミツキ姉。大丈夫なの?誰もいなくなってしまったわ。立ち入り禁止区域じゃないの?来る途中に騎士の人が立っていたし」
「あら、大丈夫だから私達は通れたのよ?この先の噴水で待ち合わせよ」
ミツキ姉が指をさした先には、闇の中に明るく照らされたローズガーデン内の噴水が見えた。こんな状況っなければ、あまりの美しさに見惚れていると思う。しかし、今はハズキへの謝罪で頭がいっぱいだ。
噴水へと歩いて行くと、ハズキと過去に2度会った男性がコチラに気づいた様だ。
挨拶もソコソコに、まずはオラハルト伯爵に謝る。
「オラハルト伯爵、式の当日逃げ出しハズキに身代わりをさせてしまい、申し訳ありませんでした」
並以上に深いお辞儀をする。
暫く間があり、低い声がする。
「ある意味、ナツキ嬢には感謝する。ハズキを差し出してくれて、俺は人生の伴侶を得る事が出来た。但し、ナツキ嬢は周りに迷惑もかけた。自分の行動で周りにどんな影響がでるのか、今後の行動には気をつけて貰いたい」
「はい、よく考えて行動する様にします」
もう一度、深いお辞儀をした。
そして、ハズキに向き合う。
「ハズキ、本当にごめんなさいっ!!あなたの人生を変えてしまったわ。今回の事に限らず、いつも迷惑ばかりかけて、ごめんなさいっ!!すぐに許して貰えてるとは思って無いわ。ハズキが許してくれるまで、何度でもーーー」
話している途中で、ハズキに抱きしめられる。
「ばーか。もう、許してるよ。はじめてナツキの心のこもった『ごめんなさい』を聞いたよ。次は無いからなっ!!」
ハズキに頬をつねられる。
「痛いっ、ハズキっ!!痛いからっ!!」
遠慮の無いつねりにいつも通りの反応をしてしまう。
「ハズキッ、今は家じゃ無いんだから、それくらいで許してあげなさい!」
オラハルト伯爵の目もあり、ミツキ姉は止めにかかる。
「あっ、そうだな。この後もあるしなっ。じゃあ、俺達は中に戻るよ。またな、ナツキ、ミツキ姉っ!!」
そう言って、ハズキはオラハルト伯爵と手をつなぎ(しっかりと指を絡め)幸せオーラ全開で歩いて行った。
「ミツキ姉、私、オラハルト伯爵のあんな顔初めて見たわ」
ハズキを見る目が蕩けそうな眼差しなのだった。
ナツキ達が中に入ると、既に大勢の貴族達が仮面パーティーを楽しんでいる様だった。
「ハズキはまだ来てないかしら?って、この人混みじゃ見つけられそうにないわ。ミツキ姉、待ち合わせとかしてるの?」
あまりの人の多さに、探し回るのは辞めたい気分になる。
「ええ、もちろんよ。こんな沢山の人達からハズキを探し出すのは困難だもの。そうね、後30分後位に待ち合わせ場所に移動しましょう。それまではパーティーを楽しみなさい、ナツキ。折角の出会いの場よ」
ミツキ姉はそう言ってくれるが、今は新しい出会いがあっても進展はしないだろう。ライトを忘れるにはまだまだ時間がかかりそうだわ。あんなに楽しくて安心できる人にはこの先、もう出会う事も無いわ。
結局、ナツキに新たな出会いは無くミツキ姉に連れられ待ち合わせ場所に向かった。
進むに連れ、人はどんどん少なくなり、とうとうミツキとナツキ以外は誰もいなくなった。
「ねえ、ミツキ姉。大丈夫なの?誰もいなくなってしまったわ。立ち入り禁止区域じゃないの?来る途中に騎士の人が立っていたし」
「あら、大丈夫だから私達は通れたのよ?この先の噴水で待ち合わせよ」
ミツキ姉が指をさした先には、闇の中に明るく照らされたローズガーデン内の噴水が見えた。こんな状況っなければ、あまりの美しさに見惚れていると思う。しかし、今はハズキへの謝罪で頭がいっぱいだ。
噴水へと歩いて行くと、ハズキと過去に2度会った男性がコチラに気づいた様だ。
挨拶もソコソコに、まずはオラハルト伯爵に謝る。
「オラハルト伯爵、式の当日逃げ出しハズキに身代わりをさせてしまい、申し訳ありませんでした」
並以上に深いお辞儀をする。
暫く間があり、低い声がする。
「ある意味、ナツキ嬢には感謝する。ハズキを差し出してくれて、俺は人生の伴侶を得る事が出来た。但し、ナツキ嬢は周りに迷惑もかけた。自分の行動で周りにどんな影響がでるのか、今後の行動には気をつけて貰いたい」
「はい、よく考えて行動する様にします」
もう一度、深いお辞儀をした。
そして、ハズキに向き合う。
「ハズキ、本当にごめんなさいっ!!あなたの人生を変えてしまったわ。今回の事に限らず、いつも迷惑ばかりかけて、ごめんなさいっ!!すぐに許して貰えてるとは思って無いわ。ハズキが許してくれるまで、何度でもーーー」
話している途中で、ハズキに抱きしめられる。
「ばーか。もう、許してるよ。はじめてナツキの心のこもった『ごめんなさい』を聞いたよ。次は無いからなっ!!」
ハズキに頬をつねられる。
「痛いっ、ハズキっ!!痛いからっ!!」
遠慮の無いつねりにいつも通りの反応をしてしまう。
「ハズキッ、今は家じゃ無いんだから、それくらいで許してあげなさい!」
オラハルト伯爵の目もあり、ミツキ姉は止めにかかる。
「あっ、そうだな。この後もあるしなっ。じゃあ、俺達は中に戻るよ。またな、ナツキ、ミツキ姉っ!!」
そう言って、ハズキはオラハルト伯爵と手をつなぎ(しっかりと指を絡め)幸せオーラ全開で歩いて行った。
「ミツキ姉、私、オラハルト伯爵のあんな顔初めて見たわ」
ハズキを見る目が蕩けそうな眼差しなのだった。
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