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「やあ、ムーン。こないだぶり。また逢えて嬉しいよ」
仮面で顔全体は見えないが、ライトは微笑んでくれた様に見える。
「今晩は、ライト。あっ、こちらはお友達で・・・」
あ、名前言っちゃダメなんだ。どうしよう。
「ああ、妹君。今晩は」
ライトはライラに向かっと会釈した。
「あっ、貴方はっ!ライトーーー」
「ええ、ライトです。こないだぶりですね」
ライラは少し上擦った声を出すが、ライトはライラの声に被せていた。
「は、はい。こないだぶりですね。わ、私、もう少し食べたいお料理があるので取りに行ってきますわっ」
ライラはバタバタと席を立ってしまった。
「変なライラ。ココにもまだお料理あるのに」
ナツキはライラの取り皿に目を向けたが、ライトがクスッと笑う。
「気を使わせてしまったみたいだね。前回、強引に連れて帰ってしまったから」
「あっ。こないだはきちんとお別れ出来なくてごめんなさい。ちょっと色々あったみたいで。普段はとてもマナーもバッチリな子なんだけど」
あの時のライラはかなり怒ってたし。ライトは気を悪くしなかったかな?
「ムーンとあまり話せなくて残念だったけど、気にしてないよ。今日、ムーンに逢うのを楽しみにしてたんだ」
ライトはウェイターから苺入りのシャンパンを2つ受け取り、1つをナツキの前にスッと置いた。
「私が気に入ったの、覚えててくれたのねっ」
「勿論。ただ、ムーンはあまりアルコールには強くないみたいだから、再会の一杯だけね。後はノンアルにしような」
「ば、バレちゃった?」
ナツキは苦笑いしながらライトとグラスを合わせた。
その頃ライラはダンスフロアにてーーー。
「ちょっと、兄様っ!何でこんな所まで来て兄様とダンスしなきゃいけないのよ。子供の頃のダンスレッスンで飽きたわっ」
ライラは折角の仮面舞踏会なのに、兄とダンスをしていたのだ。
「仕方ないだろ?お前また変なヤツに付き纏われてたみたいだからな」
そう、ライラは前回お邪魔虫をしてしまったので、気を使って他の席でケーキを食べていたのだ。すると、何人かの男性に声をかけられたが前回で少し懲りていたので、ダンスを断っていたら踊ってくれるまで側から離れないと言い出した男がいたのだ。
まあ、確かに助かったが。しかし、
『待たせたね、レディ?さあ、俺と踊ろう』
と、実兄に言われた妹は寒イボが全身に出た。
「で、兄様。ナツキに懸想しているのはあの方なんですね」
ライラは溜息を吐きながら兄に確認する。
「ああ。アイツ、半年ほど前に王宮の茶会で見かけたが、令嬢に囲まれてナツキ嬢に話しかけれなかったらしい。で、後日個人的な茶会をセッティングしようとしてたんだが、公務が重なってなかなか予定が立てれず、やっと招待状を出そうとした矢先」
「ナツキが婚約させられた訳ね。チャッチャと行動してたらナツキの未来は変わってたわ」
ライラはイラッとした顔をした。
「だな。だから後悔して今は積極的だろ?」
「今更遅いわよ。ナツキはもう・・・」
ナツキは結婚させられてしまったのだ。本人も恋愛したとしても半年で気持ちにケリをつけると言っていた。辛い別れになりそうだ。
仮面で顔全体は見えないが、ライトは微笑んでくれた様に見える。
「今晩は、ライト。あっ、こちらはお友達で・・・」
あ、名前言っちゃダメなんだ。どうしよう。
「ああ、妹君。今晩は」
ライトはライラに向かっと会釈した。
「あっ、貴方はっ!ライトーーー」
「ええ、ライトです。こないだぶりですね」
ライラは少し上擦った声を出すが、ライトはライラの声に被せていた。
「は、はい。こないだぶりですね。わ、私、もう少し食べたいお料理があるので取りに行ってきますわっ」
ライラはバタバタと席を立ってしまった。
「変なライラ。ココにもまだお料理あるのに」
ナツキはライラの取り皿に目を向けたが、ライトがクスッと笑う。
「気を使わせてしまったみたいだね。前回、強引に連れて帰ってしまったから」
「あっ。こないだはきちんとお別れ出来なくてごめんなさい。ちょっと色々あったみたいで。普段はとてもマナーもバッチリな子なんだけど」
あの時のライラはかなり怒ってたし。ライトは気を悪くしなかったかな?
「ムーンとあまり話せなくて残念だったけど、気にしてないよ。今日、ムーンに逢うのを楽しみにしてたんだ」
ライトはウェイターから苺入りのシャンパンを2つ受け取り、1つをナツキの前にスッと置いた。
「私が気に入ったの、覚えててくれたのねっ」
「勿論。ただ、ムーンはあまりアルコールには強くないみたいだから、再会の一杯だけね。後はノンアルにしような」
「ば、バレちゃった?」
ナツキは苦笑いしながらライトとグラスを合わせた。
その頃ライラはダンスフロアにてーーー。
「ちょっと、兄様っ!何でこんな所まで来て兄様とダンスしなきゃいけないのよ。子供の頃のダンスレッスンで飽きたわっ」
ライラは折角の仮面舞踏会なのに、兄とダンスをしていたのだ。
「仕方ないだろ?お前また変なヤツに付き纏われてたみたいだからな」
そう、ライラは前回お邪魔虫をしてしまったので、気を使って他の席でケーキを食べていたのだ。すると、何人かの男性に声をかけられたが前回で少し懲りていたので、ダンスを断っていたら踊ってくれるまで側から離れないと言い出した男がいたのだ。
まあ、確かに助かったが。しかし、
『待たせたね、レディ?さあ、俺と踊ろう』
と、実兄に言われた妹は寒イボが全身に出た。
「で、兄様。ナツキに懸想しているのはあの方なんですね」
ライラは溜息を吐きながら兄に確認する。
「ああ。アイツ、半年ほど前に王宮の茶会で見かけたが、令嬢に囲まれてナツキ嬢に話しかけれなかったらしい。で、後日個人的な茶会をセッティングしようとしてたんだが、公務が重なってなかなか予定が立てれず、やっと招待状を出そうとした矢先」
「ナツキが婚約させられた訳ね。チャッチャと行動してたらナツキの未来は変わってたわ」
ライラはイラッとした顔をした。
「だな。だから後悔して今は積極的だろ?」
「今更遅いわよ。ナツキはもう・・・」
ナツキは結婚させられてしまったのだ。本人も恋愛したとしても半年で気持ちにケリをつけると言っていた。辛い別れになりそうだ。
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