10 / 29
9
しおりを挟む
「ねえ、ライラ?」
「教えないと言ったら、教えないわ」
朝から既に何度目かのやり取り。
そう、昨日の夜ライラからライトの『想い出の人』に心当たりがあると聞いてから、気になり、何度も聞いているのに・・・。
何故かライラは教えてくれない。
スッキリしないまま、ライラの屋敷から姉の屋敷に戻る事になった。
モヤモヤしたまま、数日が経過した。
「ナツキ、明日また仮面パーティーに行くわよ」
現れたライラは開口一番に言い放つ。
「えっ、明日!?急ね」
「お兄様の情報はいつも急なのよ。こないだのムカつくエロエロ男、どうやらお兄様が手を下したと言うか、足を出したらしいの」
と、ライラは楽しげに男の不幸を笑い、詳細を話した後
「ざまぁよね?」
と、悪どい顔で笑った。
貴方達兄妹は絶対に敵に回さないわ。
翌日、またライラの屋敷に泊まりに行くと姉には手紙を書き、出かけた。前回ライラの屋敷に泊まりに行ってから数日しか経ってないため、止められると思ったからだ。
ライラにドレスを借り、前回と同じように仮面を付け、会場内に入る。
「今日はナツキの邪魔をしないようにするわ。お互いにいい相手に出会えるといいわね。あ、ナツキは前回の何だっけ、ライトだっけ?いるといいわね~」
会場内を歩きながら2人はボソボソと話す。
「今日もいるとは限らないじゃない?でも、もし会えたら是非お話ししたいわ」
ライトは話しやすかっし、気を張らなくともいい思える人だったのだ。ライラは前回何も食べなかったと言っていたので、まずは飲食スペースに向かった。
「あら、ホントに素晴らしい食事だわ」
ライラはいくつもある料理を見て呟く。
「そうよね?私の家が貧乏だからどれも美味しかった訳じゃないわよ?」
「そんなに力説しなくても大丈夫よ。あ、空いてるソファーがあるわ。向こうで食べましょ」
お皿に何品かとり、移動する。
人々の間を優雅に歩いているウェイターから飲み物を貰う。2人ともノンアルコールだ。
2人は乾杯し、グラスに口をつける。
「今晩は。お嬢さん方、楽しんでますか?」
聞き覚えのある声が2人の頭上から降ってきた。
「教えないと言ったら、教えないわ」
朝から既に何度目かのやり取り。
そう、昨日の夜ライラからライトの『想い出の人』に心当たりがあると聞いてから、気になり、何度も聞いているのに・・・。
何故かライラは教えてくれない。
スッキリしないまま、ライラの屋敷から姉の屋敷に戻る事になった。
モヤモヤしたまま、数日が経過した。
「ナツキ、明日また仮面パーティーに行くわよ」
現れたライラは開口一番に言い放つ。
「えっ、明日!?急ね」
「お兄様の情報はいつも急なのよ。こないだのムカつくエロエロ男、どうやらお兄様が手を下したと言うか、足を出したらしいの」
と、ライラは楽しげに男の不幸を笑い、詳細を話した後
「ざまぁよね?」
と、悪どい顔で笑った。
貴方達兄妹は絶対に敵に回さないわ。
翌日、またライラの屋敷に泊まりに行くと姉には手紙を書き、出かけた。前回ライラの屋敷に泊まりに行ってから数日しか経ってないため、止められると思ったからだ。
ライラにドレスを借り、前回と同じように仮面を付け、会場内に入る。
「今日はナツキの邪魔をしないようにするわ。お互いにいい相手に出会えるといいわね。あ、ナツキは前回の何だっけ、ライトだっけ?いるといいわね~」
会場内を歩きながら2人はボソボソと話す。
「今日もいるとは限らないじゃない?でも、もし会えたら是非お話ししたいわ」
ライトは話しやすかっし、気を張らなくともいい思える人だったのだ。ライラは前回何も食べなかったと言っていたので、まずは飲食スペースに向かった。
「あら、ホントに素晴らしい食事だわ」
ライラはいくつもある料理を見て呟く。
「そうよね?私の家が貧乏だからどれも美味しかった訳じゃないわよ?」
「そんなに力説しなくても大丈夫よ。あ、空いてるソファーがあるわ。向こうで食べましょ」
お皿に何品かとり、移動する。
人々の間を優雅に歩いているウェイターから飲み物を貰う。2人ともノンアルコールだ。
2人は乾杯し、グラスに口をつける。
「今晩は。お嬢さん方、楽しんでますか?」
聞き覚えのある声が2人の頭上から降ってきた。
10
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

王族に婚約破棄させたらそりゃそうなるよね? ……って話
ノ木瀬 優
恋愛
ぽっと出のヒロインが王族に婚約破棄させたらこうなるんじゃないかなって話を書いてみました。
完全に勢いで書いた話ですので、お気軽に読んで頂けたらなと思います。

人生の全てを捨てた王太子妃
八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。
傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。
だけど本当は・・・
受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。
※※※幸せな話とは言い難いです※※※
タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。
※本編六話+番外編六話の全十二話。
※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。

邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!

冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる