私の結婚式に私は行きません。弟を身代わりにします。だって私は幸せになりたいんだもん！！

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「ええ、とても美味しいわ。知り合いからここのお料理は美味しいってお薦めされたんだけど。ホントにどれも綺麗で美味しいわ」

 初対面の男性だけど、気にせず感想を言ってしまう。

「と言う事は今日が初参加ですか？」

 男性は優しく話しかけながらナツキの向かいのソファーに座った。ゆったり組んだ脚がとても長い。

「ええ、友達と来たのだけど。なんだか不思議な雰囲気だわ」

「良かったら私とダンスをいかがですか？それともシャンパンでも？」

　男性は優しく問いかけてくれる。ダンスもシャンパンも押し付けがましくなく、イヤなら断っても構わない感じだ。

「じゃあ、ダンスをお願いしようかしら？」

「畏まりました、レディ？何とお呼びしましょう？もちろん仮の名で構いませんよ？」

「ふふっ、どうしようかしら？今日は月が綺麗だからムーンにしようかしらね？」

「ではムーン、ダンスホールに出ましょう。私はライト呼んでください」

　ライトが差し出す手を取り微笑みながら答える。

「ライト、久しぶりのダンスだから足を踏んでしまったらごめんなさい？」

「ははっ、軽い貴方に踏まれても痛くはありませんよ」

　ライトにエスコートされ軽やかにステップを踏み始める。

　この人、上手いわ。

　私の動きをよく見てターンのタイミングも腕の高さも完璧だわ。

　一体何者なのかしら？



　結局ライトとは2曲踊り、元のソファー席に戻ってきた。

　そして、ピンク色のシャンパンを2人で飲み始めた。