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ライラの屋敷を出た馬車は王都内をしばらく走り、郊外に出た。
「仮面舞踏会は郊外で開催されるのね?」
「ええ、流石に王都内では目立ってしまうから、毎回郊外の別荘を借りて開催されるみたいよ」
「へぇ、楽しみだわ。あ、あの建物かしら?」
馬車がゆっくりと速度を落としたので外を見ると、何台かの馬車が華々しく灯りが灯された門扉の中に消えて行った。
「さあ、ナツキ。仮面を着けてちょうだい?馬車から降りるときには既につけるらしいわ。徹底してるわよね」
ライラに促され、目元と鼻が隠れる仮面を着けた。
ライラに目を向けると、彼女も着け終わったようだ。2人、目線が合い思わず笑ってしまう。
「ライラっ!私は今日と言う運命の日、頑張って素敵な恋人を探すわっ!」
「はいはい、ナツキの運命の相手にうまく巡り逢えるように祈っててあげるわ。行きましょう」
2人は馬車から降り、煌びやかな装飾・灯りに満ちた建物内に入って行った。
中に入ると、生の演奏で音楽が奏でられているが、彼らも仮面を着けている。ソレに給仕やメイド等に至るまでだ。徹底が半端無い。
「オペラ座の怪人が混じっていてもわからないわね」
ライラがつぶやく。
「いやいや、怪人じゃ無くて生身の人間を希望するわ」
2人はコソコソと話しながら会場内をゆったりと歩く。手には扇を持ち、口元を隠しながら話しているのだ。コレもライラの兄から進言されると共に、扇も仮面と共に渡されていた。ライラは紫の羽根が付き、ナツキにはピンクの羽根が付いていて、お揃いのモノだった。
スラリとした男性が近寄って来て、ライラに話しかけダンスに誘っていった。
手を振ってライラを見送り、ナツキは飲食スペースに足を向けた。コレもライラの兄から教えてもらっていた情報なのだが、仮面舞踏会で出される料理目当てにやって来る人がいるほど、料理・スィーツは美味しいらしい。そんな話を聞いたら食べない訳には行かないわ。我が男爵家は貧乏だから、ちょっと裕福な商人程の食事だったし、家でスィーツ何て作って貰える筈もなく。黒砂糖をかじる位のオヤツだったのだ。
「う~わ~、凄いご馳走だわっ!!今日はこのご馳走を端から端まで全部食べるだけでもいいかもっ!!」
ナツキは早速お皿を手に取り、料理を盛り付けて行く。通常の舞踏会では立食が当たり前なのだが、どうやらこの仮面舞踏会では、ゆっくり座って食べられるスペースもあるようだ。
ナツキはお皿を片手に座り心地の良さそうなソファー席に座り、早速食べ始める。
「うっわ!お肉柔らかくてオレンジソースと相性バッチリ!!このお野菜は何かしら?ブロッコリーとカリフラワーを合わせた様な味感じだけど、見た目がオシャレだわ」
「ソレはロマネスコと言う野菜なんですよ。最近隣国から輸入される様になったんです。気に入りましたか?」
その声にナツキが振り返ると、仮面を着けた長身の男性が、口元に笑みを浮かべナツキのそばに近づいて来た。
「仮面舞踏会は郊外で開催されるのね?」
「ええ、流石に王都内では目立ってしまうから、毎回郊外の別荘を借りて開催されるみたいよ」
「へぇ、楽しみだわ。あ、あの建物かしら?」
馬車がゆっくりと速度を落としたので外を見ると、何台かの馬車が華々しく灯りが灯された門扉の中に消えて行った。
「さあ、ナツキ。仮面を着けてちょうだい?馬車から降りるときには既につけるらしいわ。徹底してるわよね」
ライラに促され、目元と鼻が隠れる仮面を着けた。
ライラに目を向けると、彼女も着け終わったようだ。2人、目線が合い思わず笑ってしまう。
「ライラっ!私は今日と言う運命の日、頑張って素敵な恋人を探すわっ!」
「はいはい、ナツキの運命の相手にうまく巡り逢えるように祈っててあげるわ。行きましょう」
2人は馬車から降り、煌びやかな装飾・灯りに満ちた建物内に入って行った。
中に入ると、生の演奏で音楽が奏でられているが、彼らも仮面を着けている。ソレに給仕やメイド等に至るまでだ。徹底が半端無い。
「オペラ座の怪人が混じっていてもわからないわね」
ライラがつぶやく。
「いやいや、怪人じゃ無くて生身の人間を希望するわ」
2人はコソコソと話しながら会場内をゆったりと歩く。手には扇を持ち、口元を隠しながら話しているのだ。コレもライラの兄から進言されると共に、扇も仮面と共に渡されていた。ライラは紫の羽根が付き、ナツキにはピンクの羽根が付いていて、お揃いのモノだった。
スラリとした男性が近寄って来て、ライラに話しかけダンスに誘っていった。
手を振ってライラを見送り、ナツキは飲食スペースに足を向けた。コレもライラの兄から教えてもらっていた情報なのだが、仮面舞踏会で出される料理目当てにやって来る人がいるほど、料理・スィーツは美味しいらしい。そんな話を聞いたら食べない訳には行かないわ。我が男爵家は貧乏だから、ちょっと裕福な商人程の食事だったし、家でスィーツ何て作って貰える筈もなく。黒砂糖をかじる位のオヤツだったのだ。
「う~わ~、凄いご馳走だわっ!!今日はこのご馳走を端から端まで全部食べるだけでもいいかもっ!!」
ナツキは早速お皿を手に取り、料理を盛り付けて行く。通常の舞踏会では立食が当たり前なのだが、どうやらこの仮面舞踏会では、ゆっくり座って食べられるスペースもあるようだ。
ナツキはお皿を片手に座り心地の良さそうなソファー席に座り、早速食べ始める。
「うっわ!お肉柔らかくてオレンジソースと相性バッチリ!!このお野菜は何かしら?ブロッコリーとカリフラワーを合わせた様な味感じだけど、見た目がオシャレだわ」
「ソレはロマネスコと言う野菜なんですよ。最近隣国から輸入される様になったんです。気に入りましたか?」
その声にナツキが振り返ると、仮面を着けた長身の男性が、口元に笑みを浮かべナツキのそばに近づいて来た。
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