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 2日後にライラは再びやって来た。しかもちょっとウキウキしている。

 「ナツキっ!情報仕入れたわよ!それが何と明後日あるんだって!兄にはゴリ押しで2人頼んでおいたわよ?楽しみよね~っ」

 「行動早っ。でも、お兄様に止められなかったの?」

 「何かね?ここ数回女性の参加が少ないからサクラでもいいから、誰か連れて来て欲しいって頼まれてたみたいで。ただし、個室には行かない様に釘をさされたわ」

 「まあ、そうでしょうね?どこの誰か分からない人はお勧めしないわよね?兄妹ならなおさらね?」

 「もう~、兄もナツキも頭硬いんだから~」

 ライラは眉間にシワを寄せてブー垂れている。未婚の女性に子供が出来たら、困るのは女性なのよ?気をつけなきゃ!

 「じゃあ、明後日はライラの所に泊まりに行くって事にしようかしら?念の為、2泊くらいがいいかな?」

 「うん、それがいいと思う。出歩くの禁止でも私の屋敷なら馬車で移動だし、仮面舞踏会の会場は仮面被ってるから身バレはしないはずよ?」

 「あ~、最近イヤな事ばかりだったから楽しめるといいわ。気楽に話したりダンスをするだけでもとりあえずはいいわ」

 「ええ。仮面は兄が用意してくれるし、ドレスは私のを貸すわ。サイズは似たような感じだものね」

 「ありがとっ!!やっぱり持つべきモノは頼れる親友だねっ!!だから、もし私が気に入った人がいたら譲ってね!!私は最後の思い出作りなんだから!!ねっ!?」

 「あ~、はいはい。わかったわよ~」

 そう返事をしながらライラがニヤリと笑ったのにナツキは気が付かなかった。

 

 
 「ねえ、ナツキ。あなた何かまた企んでないでしょうね?」

 一昨日、ライラの屋敷に泊まりに行くと話してから何度目かの姉・ミツキの言葉だ。

 「この状態で何を企めって言うの?ライラが気分転換にって言ってくれたのよ?ライラにしか話してないから」

 「そう。あまり迷惑をかけない様にね?」

 「分かってるわよ。あっ、迎えに来てくれたみたいだわっ!行ってきまぁす!!」

 「はいはい、行ってらっしゃい」

 ミツキは溜息をつきながらも見送ってくれた。




 「ナツキ、良かったわね。ミツキ様の許可が出て」

 「まあね、ライラは信用されてるから大丈夫だと思っていたわ。まずはライラの屋敷に向かうのよね?」

 「ええ、夕方に少し早目の夕食を食べて着替えてから仮面舞踏会に向かうわ。いい出会いがあるといいわねっ。ナツキも私も」

 「ライラはゆっくり楽しんでよ。私は早急に恋を楽しむわっ!!」

 



 その後2人は仮面舞踏会の会場に向かった。馬車には紋章が無いシンプルなモノをライラ兄が用意していた。仮面もだ。

 仮面を知ってるって事は、ライラのお兄様には2人は身バレしてるって事ね。



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