私の結婚式に私は行きません。弟を身代わりにします。だって私は幸せになりたいんだもん!!

ゆきりん(安室 雪)

文字の大きさ
上 下
4 / 29

3

しおりを挟む
 2日後にライラは再びやって来た。しかもちょっとウキウキしている。

 「ナツキっ!情報仕入れたわよ!それが何と明後日あるんだって!兄にはゴリ押しで2人頼んでおいたわよ?楽しみよね~っ」

 「行動早っ。でも、お兄様に止められなかったの?」

 「何かね?ここ数回女性の参加が少ないからサクラでもいいから、誰か連れて来て欲しいって頼まれてたみたいで。ただし、個室には行かない様に釘をさされたわ」

 「まあ、そうでしょうね?どこの誰か分からない人はお勧めしないわよね?兄妹ならなおさらね?」

 「もう~、兄もナツキも頭硬いんだから~」

 ライラは眉間にシワを寄せてブー垂れている。未婚の女性に子供が出来たら、困るのは女性なのよ?気をつけなきゃ!

 「じゃあ、明後日はライラの所に泊まりに行くって事にしようかしら?念の為、2泊くらいがいいかな?」

 「うん、それがいいと思う。出歩くの禁止でも私の屋敷なら馬車で移動だし、仮面舞踏会の会場は仮面被ってるから身バレはしないはずよ?」

 「あ~、最近イヤな事ばかりだったから楽しめるといいわ。気楽に話したりダンスをするだけでもとりあえずはいいわ」

 「ええ。仮面は兄が用意してくれるし、ドレスは私のを貸すわ。サイズは似たような感じだものね」

 「ありがとっ!!やっぱり持つべきモノは頼れる親友だねっ!!だから、もし私が気に入った人がいたら譲ってね!!私は最後の思い出作りなんだから!!ねっ!?」

 「あ~、はいはい。わかったわよ~」

 そう返事をしながらライラがニヤリと笑ったのにナツキは気が付かなかった。

 

 
 「ねえ、ナツキ。あなた何かまた企んでないでしょうね?」

 一昨日、ライラの屋敷に泊まりに行くと話してから何度目かの姉・ミツキの言葉だ。

 「この状態で何を企めって言うの?ライラが気分転換にって言ってくれたのよ?ライラにしか話してないから」

 「そう。あまり迷惑をかけない様にね?」

 「分かってるわよ。あっ、迎えに来てくれたみたいだわっ!行ってきまぁす!!」

 「はいはい、行ってらっしゃい」

 ミツキは溜息をつきながらも見送ってくれた。




 「ナツキ、良かったわね。ミツキ様の許可が出て」

 「まあね、ライラは信用されてるから大丈夫だと思っていたわ。まずはライラの屋敷に向かうのよね?」

 「ええ、夕方に少し早目の夕食を食べて着替えてから仮面舞踏会に向かうわ。いい出会いがあるといいわねっ。ナツキも私も」

 「ライラはゆっくり楽しんでよ。私は早急に恋を楽しむわっ!!」

 



 その後2人は仮面舞踏会の会場に向かった。馬車には紋章が無いシンプルなモノをライラ兄が用意していた。仮面もだ。

 仮面を知ってるって事は、ライラのお兄様には2人は身バレしてるって事ね。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

それぞれのその後

京佳
恋愛
婚約者の裏切りから始まるそれぞれのその後のお話し。 ざまぁ ゆるゆる設定

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

王族に婚約破棄させたらそりゃそうなるよね? ……って話

ノ木瀬 優
恋愛
ぽっと出のヒロインが王族に婚約破棄させたらこうなるんじゃないかなって話を書いてみました。 完全に勢いで書いた話ですので、お気軽に読んで頂けたらなと思います。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冷徹義兄の密やかな熱愛

橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。 普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。 ※王道ヒーローではありません

邪魔しないので、ほっておいてください。

りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。 お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。 義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。 実の娘よりもかわいがっているぐらいです。 幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。 でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。 階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。 悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。 それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!

人生の全てを捨てた王太子妃

八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。 傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。 だけど本当は・・・ 受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。 ※※※幸せな話とは言い難いです※※※ タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。 ※本編六話+番外編六話の全十二話。 ※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。

処理中です...