2 / 29
1
しおりを挟む
「ナツキ、屋敷からは出ないでね。人目にはつかないようにしてね?」
仕事に向かう姉にしっかりと釘を刺される。そう、私がこの屋敷にいると分かると色々まずいのだ。何がまずいって、私は昨日、結婚式を弟に代理するように仕向けたのだ。姉と共に。
そう、父に結婚しろと言われた翌日、姉に泣きついたのだ。姉は貴族の娘にしては珍しく恋愛し結婚する事が出来た。おまけに独身時代から行っていたドレスデザインも、旦那さんの力添えもあり、お店を持つことが出来る様になったのだ。貧乏貴族から大出世と成功を手にしている。かたや妹の私は何も得意な事が無い。家が貧乏まっしぐらでメイドが減らされた時に、弟と共にメイドの真似事をしたが、弟はすぐにこなしていったが、私は余計に散らかって行くのだ。何度か続くと弟から何もしないでくれと言われた。姉も弟も器用なのだ。ちなみに弟は武闘派でもある。双子の弟は何でも出来るのだ。
はっきり言って双子じゃ無ければ良かったと思う事も何度かあった。常に比べられ、「出来の悪い姉」のレッテルを貼られ続けたのだ。しかし、今回はその双子のお陰で結婚式から逃げ出す事が出来た。せめて私が恋愛を楽しめる期間はバレないように頑張って欲しいわ。
でも、屋敷から出ないで恋愛出来るかしら?使用人はイヤだわ。そうね、最初で最期の恋愛になるんだもん。熱い恋をしたいわ。期限は自分の中で6ヶ月と決めている。親しい友達1人にだけ、今の状況を話してある。彼女と何かいい案を考えなきゃ。
その日の午後、親友のライラがやって来た。
「ホントに決行するとは思わなかったわ。はい、お土産」
ライラはナツキぐ好きなマカロンを持って来てくれた。
「ありがとっ、ここのフランボワーズのマカロン大好きっ!!」
「知ってる・知ってる。沢山お食べ」
ライラは笑いながら言う。ライラは我が家に仕えるメイド・マリナの幼馴染で色々あり、友達になった。気さくで優しいのだ。
「屋敷から自由に外出出来ないんだけど、どうやったら恋愛出来ると思う?」
早速ライラに相談する。
本日一番の議題はコレなのだ。
「私、いい事思いついちゃったのよ!聞きたい?」
「もちろんよっ!!」
教えて欲しいわっ。
「仮面舞踏会なんてどうかしら?」
ライラはニヤッと笑った。
仕事に向かう姉にしっかりと釘を刺される。そう、私がこの屋敷にいると分かると色々まずいのだ。何がまずいって、私は昨日、結婚式を弟に代理するように仕向けたのだ。姉と共に。
そう、父に結婚しろと言われた翌日、姉に泣きついたのだ。姉は貴族の娘にしては珍しく恋愛し結婚する事が出来た。おまけに独身時代から行っていたドレスデザインも、旦那さんの力添えもあり、お店を持つことが出来る様になったのだ。貧乏貴族から大出世と成功を手にしている。かたや妹の私は何も得意な事が無い。家が貧乏まっしぐらでメイドが減らされた時に、弟と共にメイドの真似事をしたが、弟はすぐにこなしていったが、私は余計に散らかって行くのだ。何度か続くと弟から何もしないでくれと言われた。姉も弟も器用なのだ。ちなみに弟は武闘派でもある。双子の弟は何でも出来るのだ。
はっきり言って双子じゃ無ければ良かったと思う事も何度かあった。常に比べられ、「出来の悪い姉」のレッテルを貼られ続けたのだ。しかし、今回はその双子のお陰で結婚式から逃げ出す事が出来た。せめて私が恋愛を楽しめる期間はバレないように頑張って欲しいわ。
でも、屋敷から出ないで恋愛出来るかしら?使用人はイヤだわ。そうね、最初で最期の恋愛になるんだもん。熱い恋をしたいわ。期限は自分の中で6ヶ月と決めている。親しい友達1人にだけ、今の状況を話してある。彼女と何かいい案を考えなきゃ。
その日の午後、親友のライラがやって来た。
「ホントに決行するとは思わなかったわ。はい、お土産」
ライラはナツキぐ好きなマカロンを持って来てくれた。
「ありがとっ、ここのフランボワーズのマカロン大好きっ!!」
「知ってる・知ってる。沢山お食べ」
ライラは笑いながら言う。ライラは我が家に仕えるメイド・マリナの幼馴染で色々あり、友達になった。気さくで優しいのだ。
「屋敷から自由に外出出来ないんだけど、どうやったら恋愛出来ると思う?」
早速ライラに相談する。
本日一番の議題はコレなのだ。
「私、いい事思いついちゃったのよ!聞きたい?」
「もちろんよっ!!」
教えて欲しいわっ。
「仮面舞踏会なんてどうかしら?」
ライラはニヤッと笑った。
0
お気に入りに追加
215
あなたにおすすめの小説
父が再婚してから酷い目に遭いましたが、最終的に皆罪人にして差し上げました
四季
恋愛
母親が亡くなり、父親に新しい妻が来てからというもの、私はいじめられ続けた。
だが、ただいじめられただけで終わる私ではない……!
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる