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12〜グレイ目線〜
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俺がまだ幼い頃、3歳年上の兄・次期国王の為に、毎年春国の中から比較的歳が近い貴族の令息・令嬢を20名程迎えての親交を深める茶会(ガーデンビュッフェ)が行われていた。それは兄が10歳になるまで続いた。俺が7歳になるまでだ。
あくまでも茶会のメインは兄であり、毎回呼ばれる面子は変わる為、名前を覚えてもらう様に招待された令息・令嬢は親に言い含められているのか、兄の周りから居なくなることは無かった。
それにひきかえ、第2王子の俺には挨拶もソコソコに誰も残る者はいなかった。
毎年の事だ。
慣れている。
俺はオマケでしか無いのだ。
しかし、この茶会の最後になる年、初めて見かける令嬢が俺に挨拶した後も、俺に色々話しかけてきた。
「何でみんなグレイ様と仲良くしないのかなぁ?ソフィーはグレイ様のキラキラしたお目々大好きっ。エメラルドみたいだもんっ」
ニコニコとしたソフィアは自分の事をソフィーと呼び、グレイの手をいきなり握りながら引っ張っていく。
「グレイ様、好きなお菓子は何?ソフィーお腹空いちゃった。美味しそうなお菓子がいっぱい並んでるの、全部食べてみようよ~」
「全部は無理だろ?」
「む~ん。全部食べてみたいもんっ」
ソフィアは眉間に皺を寄せながら手を握りしめて、プルプルさせている。
「じゃあ、半分ずつ食べようか?」
すると、ぱぁ~っと笑顔になる。
「ありがと~、グレイ様っ。半分こねっ」
そう言って、全てのケーキをお皿に乗せてもらい、近くの空いているテーブルに運んできた。お茶は近くの侍女にお願いする。
余分に持ってきたお皿にケーキを半分ずつ切り分け載せていく。しかし、フォークで切っている為、形は崩れてしまっている。
「グレイ様、ごめんなさい。形が・・・」
ソフィアはしょぼんとしてしまった。
「大丈夫だよ、ソフィー。口に入れてしまえば形はわからないし、味は同じだよ」
そう言ってケーキを食べ始めれば、ソフィーも
「そうだよねっ。見た目じゃないよね。出来てるものは一緒だもんっ」
ニコニコとケーキを食べ始めた。
俺ははじめて他人に興味を持った。
俺と同じ歳の女の子に、見た目(肩書き)じゃ無いと慰めされたのだ。この子の事をもっと知りたい。
「よしっ!君気に入った!将来僕の妻になってよ」
「ふふっ。素敵な王子様になったらね」
そして、9年後。
あの講習会に参加すると聞いて、俺はいてもたってもいられず、裏から手を回し、ソフィーのパートナーになった。
ソフィー、逃がさないよ。
この、10日で俺の事しか考えられない様にしてやるよ。
あくまでも茶会のメインは兄であり、毎回呼ばれる面子は変わる為、名前を覚えてもらう様に招待された令息・令嬢は親に言い含められているのか、兄の周りから居なくなることは無かった。
それにひきかえ、第2王子の俺には挨拶もソコソコに誰も残る者はいなかった。
毎年の事だ。
慣れている。
俺はオマケでしか無いのだ。
しかし、この茶会の最後になる年、初めて見かける令嬢が俺に挨拶した後も、俺に色々話しかけてきた。
「何でみんなグレイ様と仲良くしないのかなぁ?ソフィーはグレイ様のキラキラしたお目々大好きっ。エメラルドみたいだもんっ」
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「グレイ様、好きなお菓子は何?ソフィーお腹空いちゃった。美味しそうなお菓子がいっぱい並んでるの、全部食べてみようよ~」
「全部は無理だろ?」
「む~ん。全部食べてみたいもんっ」
ソフィアは眉間に皺を寄せながら手を握りしめて、プルプルさせている。
「じゃあ、半分ずつ食べようか?」
すると、ぱぁ~っと笑顔になる。
「ありがと~、グレイ様っ。半分こねっ」
そう言って、全てのケーキをお皿に乗せてもらい、近くの空いているテーブルに運んできた。お茶は近くの侍女にお願いする。
余分に持ってきたお皿にケーキを半分ずつ切り分け載せていく。しかし、フォークで切っている為、形は崩れてしまっている。
「グレイ様、ごめんなさい。形が・・・」
ソフィアはしょぼんとしてしまった。
「大丈夫だよ、ソフィー。口に入れてしまえば形はわからないし、味は同じだよ」
そう言ってケーキを食べ始めれば、ソフィーも
「そうだよねっ。見た目じゃないよね。出来てるものは一緒だもんっ」
ニコニコとケーキを食べ始めた。
俺ははじめて他人に興味を持った。
俺と同じ歳の女の子に、見た目(肩書き)じゃ無いと慰めされたのだ。この子の事をもっと知りたい。
「よしっ!君気に入った!将来僕の妻になってよ」
「ふふっ。素敵な王子様になったらね」
そして、9年後。
あの講習会に参加すると聞いて、俺はいてもたってもいられず、裏から手を回し、ソフィーのパートナーになった。
ソフィー、逃がさないよ。
この、10日で俺の事しか考えられない様にしてやるよ。
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