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いきなり私の旦那様となったのは、グレイン・ラインハルト公爵、32歳。初婚。職業は騎士兼公爵様である。対して私は、ソフィア・グレイス男爵令嬢だった。17歳。もちろん初婚。無職だ。ホントなら双子の姉カレンが嫁ぐ予定だったのだ。しかし、
「愛の無いおじさんとの結婚なんてイヤよっ!何で私なのよ、ソフィアでいいじゃない」
と散々ゴネていたのだ。確かに、双子だし相手もどっちとは言ってこなかったので、どちらでも良い様に思えるが。ソコは世間体だ。上から順番に嫁がせる風習があり、話はカレンに行ったのだ。
礼服を来たグレイン様は、馬車の外を見たまま何も言わない。しかし、屋敷に着くと馬車を降り、ソフィアに向かい
「我が公爵家では、花嫁を抱いて屋敷に入る事になっている」
と言いながら、ソフィアを抱き上げ、使用人が首を垂れている間を歩き、屋敷に入って行った。中に入りすぐに降ろされるかと思いきや、そのまま階段わ上がり、器用にソフィアを抱えたまま、扉を開け室内に入って行く。
ソコは寝室だった!!
天蓋付きの大きなベッドが鎮座している。
「向こうが俺の部屋で、そちらの扉の向こうが君、ソフィアの部屋だ。実家から必要な物があれば、使用人に、持って来てもらえばいい。それから、指輪を貸せ」
「?」
とりあえず渡す。
「コレは君の為の指輪ではないからな。作り直すよ。サイズは同じで大丈夫そうだな?」
「えっ、作り直すって。勿体無いからソレでいいですよ?宝石も綺麗だし」
「・・・。宝石はそれぞれ持ち主を選ぶ。コレはソフィアの為に選んだモノでは無い。新たに選び直す」
「あ、ありがとうございます」
ココは折れるしかないだろう。
まともに話すのは初めてだが、いい人なのかも?
「屋敷では好きに過ごすがいい。俺は朝、騎士団に行き、夜の帰りになる。食事は気にせず自分が食べるタイミングで食べればいい。俺の事は同居人位に思え。ベッドは一応、個々の部屋にもあるから、そっちを使ってくれても構わない。何か必要なモノは家令のベンに相談しろ」
そう言って、寝室を出て行った。
「私は必要無いのでは?」
ポソリと呟いてしまった。
「愛の無いおじさんとの結婚なんてイヤよっ!何で私なのよ、ソフィアでいいじゃない」
と散々ゴネていたのだ。確かに、双子だし相手もどっちとは言ってこなかったので、どちらでも良い様に思えるが。ソコは世間体だ。上から順番に嫁がせる風習があり、話はカレンに行ったのだ。
礼服を来たグレイン様は、馬車の外を見たまま何も言わない。しかし、屋敷に着くと馬車を降り、ソフィアに向かい
「我が公爵家では、花嫁を抱いて屋敷に入る事になっている」
と言いながら、ソフィアを抱き上げ、使用人が首を垂れている間を歩き、屋敷に入って行った。中に入りすぐに降ろされるかと思いきや、そのまま階段わ上がり、器用にソフィアを抱えたまま、扉を開け室内に入って行く。
ソコは寝室だった!!
天蓋付きの大きなベッドが鎮座している。
「向こうが俺の部屋で、そちらの扉の向こうが君、ソフィアの部屋だ。実家から必要な物があれば、使用人に、持って来てもらえばいい。それから、指輪を貸せ」
「?」
とりあえず渡す。
「コレは君の為の指輪ではないからな。作り直すよ。サイズは同じで大丈夫そうだな?」
「えっ、作り直すって。勿体無いからソレでいいですよ?宝石も綺麗だし」
「・・・。宝石はそれぞれ持ち主を選ぶ。コレはソフィアの為に選んだモノでは無い。新たに選び直す」
「あ、ありがとうございます」
ココは折れるしかないだろう。
まともに話すのは初めてだが、いい人なのかも?
「屋敷では好きに過ごすがいい。俺は朝、騎士団に行き、夜の帰りになる。食事は気にせず自分が食べるタイミングで食べればいい。俺の事は同居人位に思え。ベッドは一応、個々の部屋にもあるから、そっちを使ってくれても構わない。何か必要なモノは家令のベンに相談しろ」
そう言って、寝室を出て行った。
「私は必要無いのでは?」
ポソリと呟いてしまった。
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