貴方との運命

ゆきりん(安室 雪)

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17〜夢の中で2〜

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「お蘭、やっと許可が出た。俺と結婚してくれないか?」

 俺が告げると、お蘭は瞳いっぱいに涙を溜めて頷く。

「はいっ、葉月さんっ」

 他人がいる所ではいつも『様』を付けるが、2人の時はいつも呼び捨てだ。それは、お蘭が望んでそう呼ばせているのだ。

 子供の頃からお蘭を嫁にもらう為だけに、勉強も仕事も頑張ってきた。全てはお蘭の為。それがやっと実を結び、本家の主から結婚の許可が降り、急いでお蘭に求婚した。

「ありがとう、お蘭。俺と幸せな家庭を作ろうっ」



 そして、結婚まで後数日と迫った日。弟の卯月に結婚前祝いで飲みに駆り出される。正直、卯月とは距離を置いていたので断ったのだが、どうしてもと言われ仕方なく出かけた。それを俺は後悔する。橋の上で、昔からの愚痴を聞かされ首を締めてきたのだ。もみ合っているうち、俺は橋から投げ出されてしまった。

 落ちながら卯月の顔が見える。ニヤリと笑っているのだ。

 ああ、お蘭。あなたを守るのは俺なのに。

 背中に強い衝撃を受ける。

 お蘭、もう一度逢いたい。

 いつの世か、必ず一緒に添い遂げる。


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