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「ブローチは祖母の形見なんです。それ以外は知りません。あ、でも、時が来たら導かれる。大事に身につけて欲しいと言われました。母が祖母より先に亡くなったので、直接祖母から手渡されました。それ以外は何も聞いてません」
葉月は黙り込み、室内にある釘隠しを美緒に見せる。
「お前が持っていたブローチの形は家紋なんだ。この釘隠しと同じ形をしている。それと、知らないだろうが、型どっているのはガラスではなく、ダイヤモンドだ。昔は今ほど研磨技術も無く、大した輝きを持っているものは無い。歴史的価値を考えて、1億円は下らないだろうな」
サラリと言ってのける。
「1億円!?」
うそっ!?
冗談だよね!?
だって、家は普通に貧乏だったんだけど。
「だから、お前の出自を聞いたんだ。腹戸籍でお前のルーツを遡ってみた。よかったな、ちゃんと結び付いたぞ。明治時代に三ノ宮家から嫁に行ったお蘭の子孫だ。」
そう言いながら、腹戸籍とやらを出す。
それには確かに、母や祖母の名前が書いてあった。
「でも、だからって、今更何だと言うんですか?ブローチの部品で扉が開いたのは、良かったですね?と言う気持ちです。ですが、形見なので、ちゃんと返して下さい。それに、貴方と私はこれからの人生、何も関係無いはずです」
キッと睨みながら言う。
「いいや、関係あるんだな。今の三ノ宮家は三ノ宮家の血が流れていない。実際には途絶えているのだ。その血がお前には流れている。三ノ宮家はお前の血を欲しているのだ」
肩を掴まれ、目力強く言う。
「吸血鬼みたいに血が欲しいなんて言わないでくださいっ」
美緒は一歩下がるが、葉月は一歩近づいて来る。美緒の歩幅と葉月の歩幅は違うので、さっきまでよりも近くなってしまった。
「幸いな事に、俺は独身だ。女癖も悪く無いし、金もある。どうだ?」
美緒の顎をグッと掴み、上を向かされる。
「どうだって、何がですか?」
掴んでいる力がかなり強く、痛い。
「もちろん、嫁にこないか?のどうだ、だな」
葉月の唇が近づいてくる。このままだと、キスされてしまうかもしれない。思わず、ぎゅっと眼を瞑り、口を一文字に固く閉じる。
葉月は黙り込み、室内にある釘隠しを美緒に見せる。
「お前が持っていたブローチの形は家紋なんだ。この釘隠しと同じ形をしている。それと、知らないだろうが、型どっているのはガラスではなく、ダイヤモンドだ。昔は今ほど研磨技術も無く、大した輝きを持っているものは無い。歴史的価値を考えて、1億円は下らないだろうな」
サラリと言ってのける。
「1億円!?」
うそっ!?
冗談だよね!?
だって、家は普通に貧乏だったんだけど。
「だから、お前の出自を聞いたんだ。腹戸籍でお前のルーツを遡ってみた。よかったな、ちゃんと結び付いたぞ。明治時代に三ノ宮家から嫁に行ったお蘭の子孫だ。」
そう言いながら、腹戸籍とやらを出す。
それには確かに、母や祖母の名前が書いてあった。
「でも、だからって、今更何だと言うんですか?ブローチの部品で扉が開いたのは、良かったですね?と言う気持ちです。ですが、形見なので、ちゃんと返して下さい。それに、貴方と私はこれからの人生、何も関係無いはずです」
キッと睨みながら言う。
「いいや、関係あるんだな。今の三ノ宮家は三ノ宮家の血が流れていない。実際には途絶えているのだ。その血がお前には流れている。三ノ宮家はお前の血を欲しているのだ」
肩を掴まれ、目力強く言う。
「吸血鬼みたいに血が欲しいなんて言わないでくださいっ」
美緒は一歩下がるが、葉月は一歩近づいて来る。美緒の歩幅と葉月の歩幅は違うので、さっきまでよりも近くなってしまった。
「幸いな事に、俺は独身だ。女癖も悪く無いし、金もある。どうだ?」
美緒の顎をグッと掴み、上を向かされる。
「どうだって、何がですか?」
掴んでいる力がかなり強く、痛い。
「もちろん、嫁にこないか?のどうだ、だな」
葉月の唇が近づいてくる。このままだと、キスされてしまうかもしれない。思わず、ぎゅっと眼を瞑り、口を一文字に固く閉じる。
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