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 翌日、ガイナとスミレの結婚式が盛大に行われた。誓いのキスで愛の花を舞い散らせると、周りからは歓声が上がる。

 人目がある所では笑顔を心がけるスミレだが、近しい人だけになるとスミレは

 「そろそろネコが剥がれる~っ!!ドレス脱ぎたい~っ!!」
 
 と叫び、ガイナは苦笑するのだ。

 「もう少し頑張れよ、スミレ。後は馬車に乗って城周辺をパレードするだけだ」

 「そのパレードが辛いんだ。明日は頬が筋肉痛になる自信があるぞ」

 「いいぞ、スミレ。筋肉痛になったらちゃんとほぐしてやる。ほら、行くぞ」

 控え室から出てパレード用の馬車に乗り込むと、ゆっくり城外へと走り出す。街には市民がガイナとスミレを一目見ようと沢山の人が詰めかけていた。歓声に応えるようにガイナは途中何度かキスをし、愛の花を降らせ市民を喜ばせた。

 「ちょっとガイナ!!恥ずかしいだろ!?」

 「今日だけのサービスだ。歴代の王子達は馬車に乗って愛の花を降らせて、きちんと番と結婚したんだと見せびらかしていたからな。ほら」

 そう言って何度もガイナはキスをねだった。




 晩餐会もすませ、やっと一日の結婚の儀式が全て終わる。

 「終わったぁ!!ガイナ、お疲れ~っ!!」

 ベッドにダイブしたスミレの腰をガイナはゆっくり撫でる。

 「ああ、スミレ。お疲れ。だがな?まだ寝かせてやれないぞ?」

 クルリとスミレを反転させ、甘いキスをする。

 「甘いなスミレ。この日を待ちわびた。やっとスミレの隅から隅まで愛する事が出来るんだな」

 どんどんキスを深くし、2人は愛の花をベッドの周りに舞い散らせ、甘く・熱い夜を過ごすのだった。



 
 翌朝、目を覚ましたスミレは自分を包む暖かい腕をペシペシと叩く。

 視界がおかしいのだ。

 「ガイナ起きてくれ。なんか閉じ込められているぞ?何だコレは!?」

 「ん?どうした、スミレ?ああ、薔薇の花が積もり過ぎたんだな」

 ガイナはそう言うとベッドの上に立ち上がり、薔薇をバサバサと退かした。

 「ああ、もう朝だな。もう起きるか?それとも、もっと俺の愛を感じるか?」

 再び横になり、スミレを抱き寄せキスをする。

 「んっ・・・、ガイナ」

 『グ~ッ』

 甘いキスを始めた途端、スミレの腹の虫が鳴り始める。

 「プッ、スミレらしいけどな。一緒にシャワー浴びて飯食うか」

 「一緒にっ!?」

 戸惑うスミレを軽々と抱き上げ、ガイナはシャワーを捻り、2人は一緒にシャワーを浴びた。もちろんガイナにしっかり色々・・洗われ、スミレはグッタリしてしまうのだ。



 そして、朝食は何故かガイナな膝の上に座らされ、食事を口に運ばれるのだった。

 「ガイナ、自分で食べたいんだが?」

 「俺はスミレに食べさせたい。ほら、あ~んしろ」

 王族って頭おかしいのかっ!?こないだのお茶会といい、自分の食べたいものを自分のペースで食べたいだろうよっ!?

 「明日からは自分でたべるからな?」

 その日のお昼・ティータイム・ディナーは全てガイナの膝の上で食べる事になるのを、この時のスミレは気づくはずもなかったのだ。



~完~



 
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