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微妙な雰囲気のまま残された令嬢達は、皆大人しく帰路に着くようだ。スミレも侍女に案内してもらい、着てきた服に着替えようと王宮内を歩く。
すると、前からガイナが歩いて来た。
2人は目が合うが、途中の通路から現れたお姫様がガイナに抱きつこうとし、あっさりかわされている。
「ガイナード殿下っ!今日のお茶会に酷い令嬢がいましたのっ!私が譲って欲しいとお願いをしたのに、意地悪な令嬢はジュエルを譲ってくれませんでしたのっ!!」
「その人にとって大切な物だったのでしょう。仕方ありませんよ」
ガイナは鬱陶しそうにしている。チラチラとスミレに視線を送り、付けているジュエルに目が止まり嬉しそうに笑った。
「でもっ!!王妃様にもらったばかりみたいだったわ!希少性のモノらしいのっ!!私絶対に欲しいのっ!」
お姫様はダダをこねる。
「アリー皇女、言わせて貰いますがあなたよりもスミレ嬢の方がドラゴンの涙は似合うと思います。私はあのジュエルはスミレ嬢に着けてもらいたい」
「なっ!何ですって!失礼だわっ!!」
お姫様はドスドスと足を踏みならしながら歩いて行った。
ガイナはそのままその場から去ろうと、踵を返したが、スミレは呼び止める。
「ガイナ、待ってくれ。話しがしたいんだ。少しでいい。時間をくれないか?」
「わかった。じゃあ、着いて来てくれ」
一瞬目を細くし、歩き出すガイナに着いて廊下を歩きはじめる。少し歩くと今までとは少し雰囲気が変わる。毛足が長くなった絨毯を踏みながら更に歩くと、ガイナは扉を開けスミレを中に促した。
「ソファーに座ってくれ。紅茶でいいか?」
「あ、ああ」
柔らかいソファーに腰を下ろす。
ああ、ドレスは座りにくいなっ。せめて着替えたかっな。
テーブルの上には、ガイナが淹れてくれた紅茶が置かれる。
「スミレはドレスが嫌いなようだが、よく似合っている。馬に乗っている姿もいいが、ドレス姿もいいな」
向かいに座ったガイナは嬉しそうに微笑む。
「それにそのドラゴンの涙は初めてコモドンドラゴンを1人で退治した時の物だ」
「えっ、そうなのか?王妃様に返した方がいいよな?」
「いや、母上がプレゼントしたなら俺は構わない。スミレひ似合っているし・・・。それで、話しとは?」
「えっと・・・、あの・・・、あのな?笑うなよ?あの後1人になって、私はホッとしたはずなのに、何を見ても常にガイナを思い出して、切なくなるんだ」
「・・・」
ガイナは何も言ってくれない。
「会いたくて、ただガイナに会いたくて。これが好きって事なのか?こんなに好きになるなんて思わなかった」
思わず涙目になったスミレをガイナはテーブルを飛び越え抱きしめた。
「スミレっ!自覚してくれるのを待ってた!俺も好きだ、愛してる!2度と離したくは無いっ!!」
ガイナに顎を掴まれ、クイッと上を向かされる。少し屈んだガイナぬ優しく口付けられるが、ソレはあっと言う間に深いモノに変わる。
『クチュ、クチュ・・・』
唇が角度を変え、何度も合わさり、ガイナの舌がスミレの口腔内を蹂躙する。
「んっ、ガイナ・・・」
スミレは頭がフワフワし、立っているのがつらくなり、ガイナにしがみついた。
一瞬唇を離し、目を見つめ合うが視界の端にはオレンジの薔薇が沢山舞い降りてくる。
そして見つめあいながら2人は甘い甘いキスをいつまでも堪能したのだ。
すると、前からガイナが歩いて来た。
2人は目が合うが、途中の通路から現れたお姫様がガイナに抱きつこうとし、あっさりかわされている。
「ガイナード殿下っ!今日のお茶会に酷い令嬢がいましたのっ!私が譲って欲しいとお願いをしたのに、意地悪な令嬢はジュエルを譲ってくれませんでしたのっ!!」
「その人にとって大切な物だったのでしょう。仕方ありませんよ」
ガイナは鬱陶しそうにしている。チラチラとスミレに視線を送り、付けているジュエルに目が止まり嬉しそうに笑った。
「でもっ!!王妃様にもらったばかりみたいだったわ!希少性のモノらしいのっ!!私絶対に欲しいのっ!」
お姫様はダダをこねる。
「アリー皇女、言わせて貰いますがあなたよりもスミレ嬢の方がドラゴンの涙は似合うと思います。私はあのジュエルはスミレ嬢に着けてもらいたい」
「なっ!何ですって!失礼だわっ!!」
お姫様はドスドスと足を踏みならしながら歩いて行った。
ガイナはそのままその場から去ろうと、踵を返したが、スミレは呼び止める。
「ガイナ、待ってくれ。話しがしたいんだ。少しでいい。時間をくれないか?」
「わかった。じゃあ、着いて来てくれ」
一瞬目を細くし、歩き出すガイナに着いて廊下を歩きはじめる。少し歩くと今までとは少し雰囲気が変わる。毛足が長くなった絨毯を踏みながら更に歩くと、ガイナは扉を開けスミレを中に促した。
「ソファーに座ってくれ。紅茶でいいか?」
「あ、ああ」
柔らかいソファーに腰を下ろす。
ああ、ドレスは座りにくいなっ。せめて着替えたかっな。
テーブルの上には、ガイナが淹れてくれた紅茶が置かれる。
「スミレはドレスが嫌いなようだが、よく似合っている。馬に乗っている姿もいいが、ドレス姿もいいな」
向かいに座ったガイナは嬉しそうに微笑む。
「それにそのドラゴンの涙は初めてコモドンドラゴンを1人で退治した時の物だ」
「えっ、そうなのか?王妃様に返した方がいいよな?」
「いや、母上がプレゼントしたなら俺は構わない。スミレひ似合っているし・・・。それで、話しとは?」
「えっと・・・、あの・・・、あのな?笑うなよ?あの後1人になって、私はホッとしたはずなのに、何を見ても常にガイナを思い出して、切なくなるんだ」
「・・・」
ガイナは何も言ってくれない。
「会いたくて、ただガイナに会いたくて。これが好きって事なのか?こんなに好きになるなんて思わなかった」
思わず涙目になったスミレをガイナはテーブルを飛び越え抱きしめた。
「スミレっ!自覚してくれるのを待ってた!俺も好きだ、愛してる!2度と離したくは無いっ!!」
ガイナに顎を掴まれ、クイッと上を向かされる。少し屈んだガイナぬ優しく口付けられるが、ソレはあっと言う間に深いモノに変わる。
『クチュ、クチュ・・・』
唇が角度を変え、何度も合わさり、ガイナの舌がスミレの口腔内を蹂躙する。
「んっ、ガイナ・・・」
スミレは頭がフワフワし、立っているのがつらくなり、ガイナにしがみついた。
一瞬唇を離し、目を見つめ合うが視界の端にはオレンジの薔薇が沢山舞い降りてくる。
そして見つめあいながら2人は甘い甘いキスをいつまでも堪能したのだ。
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