番は君なんだと言われ王宮で溺愛されています

ゆきりん(安室 雪)

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 朝からミーシャの周りはバタバタ動き回っているが、ミーシャは椅子に座らされたままだ。

 「まあまあっ!!ミーシャちゃん、可愛いわぁ!!ドレスに愛の花を縫い付けるなんて、凄くいいわっ!!」

 椅子に座ったりするのに邪魔に塗らないように裾辺りに薔薇を散らしているのだ。

 「あ、そうそう。ミーシャちゃん、今日からお部屋は移動になるからね?ラブラブし過ぎちゃダメよ?」

 「は?」

 「あら、聞いてない?普通王子達は結婚式後じゃないと寝室は一緒にしてはダメなんだけど、皇太子は婚約披露したら当日から同じ寝室にしていいのよ?早く世継ぎが欲しいからね?うふふっ!」

 何ですって!?

 えっ、今日から、今日から!?

 「どうだ?ミー、支度は出来たか?」

 ふ、フレッド!!

 「顔、真っ赤だな?緊張して熱でも出たか?」

 「うふふっ、違うわよフレッド。ミーシャちゃんは夜を楽しみにしてるのよ?」

 「なっ!母上っ!話したんですかっ!」

 「だってお部屋のお引越しですものね?」

 「ミー、今は考えなくていいから、披露の事に集中しようっ!なっ!?」




 時間になり、王宮のバルコニーに出る。普段は入れない王宮の庭に一般市民が詰めかけている。そう、王太子殿下の婚約披露式典はココで行われるしきたりなのだ。決まり通りに式典は進んで行く。フレッドとミーシャが並んで立つと大きな声援が巻き起こる。そして2人はその声援のなか、番である事の証明として、甘いキスを交わす。

 2人の愛の花は風に乗り、バルコニー下の人々の手に渡る。その花を受け取る事が出来た人は幸せな人生が送れると言うジンクスがあるらしう、なるべく長くキスをして欲しいと言われている。

 でも、恥ずかしですよ。

 大勢の人に見られてるんで。



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