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 「ミーシャ、ああ。こんなに顔が腫れてしまって」

 ミーシャはフレッドに抱き上げられたまま、ソファーに座る。

 「怖かっただろ?すまない」

 「いいえ、ライラや他の侍女にも助けて頂きましたから。でも、護衛の人は微妙だったかも」

 護衛に対する不満を漏らしてしまった。

 「すぐに担当を変えるように指示を出そう」

 フレッドはミーシャをソファーに座らせると、護衛に何か指示を出していた。そしてソファーに戻ると、サリナがお茶の用意をして戻って来た。

 ミーシャを後ろから抱きしめるようにフレッドはソファーに座った。

 「あの・・・、ライラって只の侍女じゃないよね?何者?」

 ミーシャに色々な作法を教えたり、さっきの令嬢に怯む事なく叱ったり。普通の侍女なら出来ないし、やらないよね?

 「ああ、ライラか。ライラは母上付きの侍女長で親友だ。母上が番として王宮に上がる際、皇后の侍女に色々指導してもらい、その侍女にとても感謝しているとライラに話した所、ライラも『あなたの子供の番を指導出来る侍女になるわ』と王妃の侍女を目指したんだ。初志貫徹だな、ライラは凄いよ。公爵家のお嬢様だったらしいぞ」

 「えっ!?そんな方が侍女!?」

 「ああ、周りの反対が凄かったから家出同然で王宮に転がり込んだようだ」

 「凄い・・・」

 一緒にお茶を飲み、ミーシャが落ち着くとフレッドは執務に戻って行った。

 もちろん、甘い甘いキスと愛の花をたっぷりと残して。
 


 
 「ミーシャはもうフレデリック様とラブラブなんだね~。わたしがいても存在無視だもんね~っ」

 「えっ?キャーッ、サリナいたの?」

 「そりゃ、いるでしょうよ?ミーシャ様付きの侍女ですから?それよりも、さっきの話し。私も侍女長目指そうかな?」

 「目指そうも何も、サリナはすでに私のみ侍女長みたいなものじゃない?ライラは他にもやる事がいっぱいあるから、サリナに指示だして常にはいないし。他の侍女はサリナの補助に徹しはじめてるし」

 「う~ん、そうじゃなくて。フレデリック様とミーシャの番をライラの様に指導出来る様になるわっ!一生、ミーシャの侍女として頑張るわっ!」

 「えっ、う、嬉しいけど。他にも人生、幸せな事出てくるよ?恋人とか旦那さんとか」

 「出てきたらその時考える。今は目指せ侍女長だからっ!ライラから盗める技術は全て盗むわよ!」

 「は、ははっ。頑張ってね」

 フレッドはワザとサリナに聞かせたのかな?そんな気がしてならないのだけど。

 でも、忠実な侍女がいるのは安心だわ、親友だし。



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