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4 〜フレデリック視点2〜

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 医務室の女医にメイドの服装を聞いたが、王宮内で1番多くのメイドが着ている、紺色のお仕着せに白のエプロンだと言う。服装から辿るのは難しい。

 医務室を出た俺は、医務室にいた番かも知れない女性『仮番』が向かった先を探ろうとしたが、香水女のせいで嗅覚が麻痺してしまったのか、医務室を出てから右へ行ったのか左に行ったのかもわからなかった。香水女めっ!

 仕方なく舞踏会に戻るとマークの婚約発表が行われていて、愛の花が咲き乱れていた。

 ・・・、くっ!!羨ましいっ!!

 俺は番を見つけられそうで、見つけられていないのに。



 翌日から俺は、仕事の合間に王宮内を歩き回る事にした。舞踏会の会場に足を踏み入れたメイドなら普段も王宮内のどこかにいるはずだ。しかし、大きなイベントだから普段の持ち場と関係ない担当も手伝いに入っている事もある。図書室や調理場を覗くも、甘い匂いはしなかった。ああ、今日は休みの可能性も無くはない。毎日地道に王宮内を回るしか無さそうだ。

 


 しかし、舞踏会から1週間が経っても俺の仮番の匂いすら発見出来なかった。その頃には俺もメイドでは無かった可能性を考え始めていた。どこかの令嬢が会場に来たけど体調が悪くなり、すぐに帰ってしまったとか?無くは無い。ソレだと探すのは困難を極める。領土からワザワザ舞踏会の為に出でくる貴族もいる。そういった国内全ての貴族令嬢を探す事になってしまう。

 う~っ!!どうする、俺!?

 その時、廊下の窓からフワリと甘い匂いが漂ってきた。

 この匂いはっ!!仮番だっ!!

 俺は窓から急いで外を見る。ソコにいたのは母である王妃がお茶会に招いた令嬢とメイド達だ。俺はお茶会をしているローズガーデンに急いで向かった。



 息を切らして現れた俺に、母はびっくりした顔をする。

 「まあ、フレッド。珍しくわね?あなたも参加したいの?」

 「ええ、よろしいでしょうか?」

 その場にいた令嬢たちは『キャア』と喜びの声を上げる。甘い匂いは先程よりは濃くなった。誰だ?誰が番なんだ?

 確かに匂いは濃くなったが、匂いを発生させているが見つからない。俺は焦る。今、見つけなければまた見つける機会を失ってしまう。


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