4 / 30
4 〜フレデリック視点2〜
しおりを挟む
医務室の女医にメイドの服装を聞いたが、王宮内で1番多くのメイドが着ている、紺色のお仕着せに白のエプロンだと言う。服装から辿るのは難しい。
医務室を出た俺は、医務室にいた番かも知れない女性『仮番』が向かった先を探ろうとしたが、香水女のせいで嗅覚が麻痺してしまったのか、医務室を出てから右へ行ったのか左に行ったのかもわからなかった。香水女めっ!
仕方なく舞踏会に戻るとマークの婚約発表が行われていて、愛の花が咲き乱れていた。
・・・、くっ!!羨ましいっ!!
俺は番を見つけられそうで、見つけられていないのに。
翌日から俺は、仕事の合間に王宮内を歩き回る事にした。舞踏会の会場に足を踏み入れたメイドなら普段も王宮内のどこかにいるはずだ。しかし、大きなイベントだから普段の持ち場と関係ない担当も手伝いに入っている事もある。図書室や調理場を覗くも、甘い匂いはしなかった。ああ、今日は休みの可能性も無くはない。毎日地道に王宮内を回るしか無さそうだ。
しかし、舞踏会から1週間が経っても俺の仮番の匂いすら発見出来なかった。その頃には俺もメイドでは無かった可能性を考え始めていた。どこかの令嬢が会場に来たけど体調が悪くなり、すぐに帰ってしまったとか?無くは無い。ソレだと探すのは困難を極める。領土からワザワザ舞踏会の為に出でくる貴族もいる。そういった国内全ての貴族令嬢を探す事になってしまう。
う~っ!!どうする、俺!?
その時、廊下の窓からフワリと甘い匂いが漂ってきた。
この匂いはっ!!仮番だっ!!
俺は窓から急いで外を見る。ソコにいたのは母である王妃がお茶会に招いた令嬢とメイド達だ。俺はお茶会をしているローズガーデンに急いで向かった。
息を切らして現れた俺に、母はびっくりした顔をする。
「まあ、フレッド。珍しくわね?あなたも参加したいの?」
「ええ、よろしいでしょうか?」
その場にいた令嬢たちは『キャア』と喜びの声を上げる。甘い匂いは先程よりは濃くなった。誰だ?誰が番なんだ?
確かに匂いは濃くなったが、匂いを発生させている元が見つからない。俺は焦る。今、見つけなければまた見つける機会を失ってしまう。
医務室を出た俺は、医務室にいた番かも知れない女性『仮番』が向かった先を探ろうとしたが、香水女のせいで嗅覚が麻痺してしまったのか、医務室を出てから右へ行ったのか左に行ったのかもわからなかった。香水女めっ!
仕方なく舞踏会に戻るとマークの婚約発表が行われていて、愛の花が咲き乱れていた。
・・・、くっ!!羨ましいっ!!
俺は番を見つけられそうで、見つけられていないのに。
翌日から俺は、仕事の合間に王宮内を歩き回る事にした。舞踏会の会場に足を踏み入れたメイドなら普段も王宮内のどこかにいるはずだ。しかし、大きなイベントだから普段の持ち場と関係ない担当も手伝いに入っている事もある。図書室や調理場を覗くも、甘い匂いはしなかった。ああ、今日は休みの可能性も無くはない。毎日地道に王宮内を回るしか無さそうだ。
しかし、舞踏会から1週間が経っても俺の仮番の匂いすら発見出来なかった。その頃には俺もメイドでは無かった可能性を考え始めていた。どこかの令嬢が会場に来たけど体調が悪くなり、すぐに帰ってしまったとか?無くは無い。ソレだと探すのは困難を極める。領土からワザワザ舞踏会の為に出でくる貴族もいる。そういった国内全ての貴族令嬢を探す事になってしまう。
う~っ!!どうする、俺!?
その時、廊下の窓からフワリと甘い匂いが漂ってきた。
この匂いはっ!!仮番だっ!!
俺は窓から急いで外を見る。ソコにいたのは母である王妃がお茶会に招いた令嬢とメイド達だ。俺はお茶会をしているローズガーデンに急いで向かった。
息を切らして現れた俺に、母はびっくりした顔をする。
「まあ、フレッド。珍しくわね?あなたも参加したいの?」
「ええ、よろしいでしょうか?」
その場にいた令嬢たちは『キャア』と喜びの声を上げる。甘い匂いは先程よりは濃くなった。誰だ?誰が番なんだ?
確かに匂いは濃くなったが、匂いを発生させている元が見つからない。俺は焦る。今、見つけなければまた見つける機会を失ってしまう。
20
お気に入りに追加
3,409
あなたにおすすめの小説
運命は、手に入れられなかったけれど
夕立悠理
恋愛
竜王の運命。……それは、アドルリア王国の王である竜王の唯一の妃を指す。
けれど、ラファリアは、運命に選ばれなかった。選ばれたのはラファリアの友人のマーガレットだった。
愛し合う竜王レガレスとマーガレットをこれ以上見ていられなくなったラファリアは、城を出ることにする。
すると、なぜか、王国に繁栄をもたらす聖花の一部が枯れてしまい、竜王レガレスにも不調が出始めーー。
一方、城をでて開放感でいっぱいのラファリアは、初めて酒場でお酒を飲み、そこで謎の青年と出会う。
運命を間違えてしまった竜王レガレスと、腕のいい花奏師のラファリアと、謎の青年(魔王)との、運命をめぐる恋の話。
※カクヨム様でも連載しています。
そちらが一番早いです。
私のことが大好きな守護竜様は、どうやら私をあきらめたらしい
鷹凪きら
恋愛
不本意だけど、竜族の男を拾った。
家の前に倒れていたので、本当に仕方なく。
そしたらなんと、わたしは前世からその人のつがいとやらで、生まれ変わる度に探されていたらしい。
いきなり連れて帰りたいなんて言われても、無理ですから。
そんなふうに優しくしたってダメですよ?
ほんの少しだけ、心が揺らいだりなんて――
……あれ? 本当に私をおいて、ひとりで帰ったんですか?
※タイトル変更しました。
旧題「家の前で倒れていた竜を拾ったら、わたしのつがいだと言いだしたので、全力で拒否してみた」
[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。
キャロル
恋愛
国の駒として隣国の王と婚姻する事にになったマリアンヌ王女、王族に生まれたからにはいつかはこんな日が来ると覚悟はしていたが、その相手は獣人……番至上主義の…あの獣人……待てよ、これは逆にラッキーかもしれない。
離宮でスローライフ送れるのでは?うまく行けば…離縁、
窮屈な身分から解放され自由な生活目指して突き進む、美貌と能力だけチートなトンデモ王女の物語
竜王陛下の番……の妹様は、隣国で溺愛される
夕立悠理
恋愛
誰か。誰でもいいの。──わたしを、愛して。
物心着いた時から、アオリに与えられるもの全てが姉のお下がりだった。それでも良かった。家族はアオリを愛していると信じていたから。
けれど姉のスカーレットがこの国の竜王陛下である、レナルドに見初められて全てが変わる。誰も、アオリの名前を呼ぶものがいなくなったのだ。みんな、妹様、とアオリを呼ぶ。孤独に耐えかねたアオリは、隣国へと旅にでることにした。──そこで、自分の本当の運命が待っているとも、知らずに。
※小説家になろう様にも投稿しています
あなたの運命になりたかった
夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。
コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。
※一話あたりの文字数がとても少ないです。
※小説家になろう様にも投稿しています
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。
婚約破棄でみんな幸せ!~嫌われ令嬢の円満婚約解消術~
春野こもも
恋愛
わたくしの名前はエルザ=フォーゲル、16才でございます。
6才の時に初めて顔をあわせた婚約者のレオンハルト殿下に「こんな醜女と結婚するなんて嫌だ! 僕は大きくなったら好きな人と結婚したい!」と言われてしまいました。そんな殿下に憤慨する家族と使用人。
14歳の春、学園に転入してきた男爵令嬢と2人で、人目もはばからず仲良く歩くレオンハルト殿下。再び憤慨するわたくしの愛する家族や使用人の心の安寧のために、エルザは円満な婚約解消を目指します。そのために作成したのは「婚約破棄承諾書」。殿下と男爵令嬢、お二人に愛を育んでいただくためにも、後はレオンハルト殿下の署名さえいただければみんな幸せ婚約破棄が成立します!
前編・後編の全2話です。残酷描写は保険です。
【小説家になろうデイリーランキング1位いただきました――2019/6/17】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる