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3 〜フレデリック視点1〜

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  俺はフレデリック・ローランド、フラワーテイル王国の王太子だ。今回、舞踏会と共に第3王子・マクシミリアン(マーク)の婚約発表が行われる。そして極秘ではあるが『番探しの花イベント』が行われる。このイベントが何かと言うと、俺と第2王子・ガイナード(ガイナ)の番を探すものだ。探すと言っても1人1人あたる訳では無い。

 まず、番同士が出会うと甘い匂いがするらしい。多少離れていても分かると言う。因みにマクシミリアンは馬を走らせていても、かなり先で倒れていた番の匂いがわかったと言う。番同士はキスをすると甘い味がするらしい、ハチミツとか花の蜜の様に甘いと聞いた。それと、愛し合う(キスする)と、『愛の花』が2人の周りに降ってくる。俺の親は番で、弟も番だ。この2組がキスすると周辺が薔薇だらけで、侍女達が大変そうに片付けている。

 今回のイベントで使うのは親の『愛の花』だ。俺と俺の番はまだ出会っていないし、もちろん愛の花を咲かせた事もない。この状態の時に俺やガイナの番が親の『愛の花』の香りを吸い込むと体調を崩すらしい。頭が痛くなったり・吐き気がしたり、人によって様々な様だ。なので舞踏会の日に会場で体調を崩した者の所へ行き、番かどうか確かめようと言うのだ。もちろん貴族・平民など地位は関係ないので、より多くの女性に花の匂いを嗅いでもらうため、会場準備の1番最初に花を飾った。会場内だけでなく、エントランス・廊下・お手洗いなど、人が動く所全部だ。




 舞踏会が始まり俺は会場内に入った。かすかではあるが、今まで嗅いだ事の無い甘い匂いがする。マークに甘い以外の特徴は無いのか聞くと、人工的な匂いでは無く、甘くドキドキし、番に近づくと甘い匂いが濃くなると言っていた。

 確かにこの会場内のうっすら甘い匂いはドキドキする。番がいるのか?

 会場内を一周するが、匂いは濃くならず薄いままだ。体調が悪くなるらしいから医務室だろうか?俺はソコに向かった。

 しかし、中にいたのは女医と異常に香水臭い女だけだった。俺が医務室に入ると香水臭い女は擦り寄ってきたが、気持ち悪かったから早くココ離れたいと思ったが、女医に気分が悪いと来たものは他にいなかったかとたずねると、城のメイドがさっきまでいたが、自室に戻ったと言う。女医がいない間に来ていて休んでいたようで、香水臭い女に追い出されるように去ってしまった為、カルテの記入はしなかったようだ。香水女めっ!!

 俺が睨んでも、

 「キャーッ」

 とか喜んでやがる。この部屋にも番の匂いがあるような無いような。香水女のせいではっきり分からなかった。





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