抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか！？

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 ジュリアはジオン様の涙目を笑いながらパスタを食べ、後から出てきたシフォンケーキも食べ始めた。すると、アイスクリームを食べながら、

 「あ～、口の中が癒される」

 と呟いたジオン様にまたもや爆笑してしまった。

 「お前、笑いすぎ」

 ムッとしたジオン様だが、笑わずにいられないでしょ！？いつもは鋭い眼がアイスクリーム食べて微笑んで半月型になってるんだよ？可愛いわ～っ！！



 次に向かったのは、コレまた前回ラルク様と一緒に行ったキッチン雑貨のお店だ。

 「ジオン様何か買うの？」

 「ああ。緊急事態に備えて、鍋と器だな」

 「あ～、そうですね。ジオン様とラルク様、どちらが風邪引いてもお粥作りに行きますよ。じゃあ、作るのに必要なモノですね～」

 ジオン様はシンプルなシリーズが置いてあるコーナーに向かい、どの鍋がいいか・器はどれが使い易いか・ほかに必要なモノは？と聞いてくる。

 「後はそうですね～、オタマとレンゲかなぁ？お粥前提だけど」

 ちなみに器は、大きめのスープカップにした。持ち手があった方が食べ易そうだからだ。

 「ジュリアは何か欲しいモノは無いのか？」

 「う～ん、特に無いですね。ラルク様にはマグカップ買って貰ったし。一通りは揃ってますから」

 「ふ～ん、そうか」

 何だかジオン様はムッとした声になる。

 あれ？何かおねだりした方がいいのかな？

 「あっ！！ジオン様、髪をしばるゴムが欲しいです。コレゆるくなってきてしまって」

 今、髪をしばっているゴムを指さす。

 「ああ、いいぞ。見に行こう」

 お会計を済ませて、衣料雑貨のお店に入る。

 うわ、久しぶりに来たよ。こういうお店。

 うち、無駄使い出来なかったし。そう、なのでジュリアの髪をしばっているのは、素っ気の無いゴムなのだ。

 お店にはゴムに可愛い飾りが付いたモノが沢山ある。

 うわぁ～、どれも可愛いっ！けど、髪がしばれれば良いのだ。高くなくていい。シンプルで実用的なモノを探す。ジュリアが１つ手に取ると、ジオン様は３つ位手に持っていた。

 「ソレでいいのか？」

 「ええ、仕事中にはあまり華美なモノは必要では無いと思うので」

 すると、ジオン様はジュリアが選んだモノと自分が選んだモノを会計しに行った。

 「仕事じゃない時は、可愛いのも付けろよ」

 ジオン様は袋をジュリアに手渡した。

 「えっ、こんなに沢山？」

 「少ないだろうよ」

 そう言ってジオン様は歩き出した。

 「ありがとうございます、ジオン様！！」

 お礼を言うと、ジオン様は少しだけ微笑み、ジュリアと手を繋いだ。

 えっ！？

 この兄弟、手を繋ぐのも似てるの？