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翌日。
まずはお茶を飲み・お菓子を食べてから気力を養う。美味しいお菓子を食べるとやる気が出るよね?
そして書庫に向かう。
ダリが昨日掃除の手配をしてくれたので、ザックリと埃は払われ、該当年の日報がある辺りは綺麗にされていた。それに簡易的な椅子と机が用意されている。
「はい、じゃあこの年の11月5日からね。探すわよ」
棚に手を伸ばすが少し高い位置にある為、届かない。背伸びをして取ろうとすると、後ろから手が伸びてくる。
「届かないなら言えば取ってやるよ」
「ありがと、カミーユ」
お礼を言いながら振り返ると、服しかなかった。カミーユ案外背が高いのね?と上を見上げるとカミーユと目が合う。今までカレンの周りには黒目の人はいなかった。思わずジッと見つめてしまう。
ふっ、とカミーユの唇が笑う。
「天狗の顔なんて見ても楽しく無いだろう」
ポンポンと頭を撫でられる。
カレンはハッとする。
思わず目を見つめてしまい、慌ててカミーユから離れようとするが、カレンが動いた方向は棚だった。
『ドンッ』
と棚にブチ当たってしまう。その衝撃で不安定に置いてあった書物が、棚の上から降ってくる。
『バサバサッ』
と音を立てて降ってくるが、カレンの身体に当たる事は無かった。カミーユがカレンの上に覆い被さってくれたのだ。
「ツッ!!」
カミーユが声を上げた。
「カミーユ!!大丈夫っ!?」
数秒間があってから、
「大丈夫だ、騒ぐなよ・・・」
痛みを堪えた声が低く、ドキドキする。
なっ、何で!?
しかも、気がつけば抱きしめられている。思ったよりも背が高いのはさっき気がついたが、背中に当たる胸筋や抱きしめられている腕もガッチリしていて、緊張してしまう。
「も、もう離して?」
しかし離して貰えない。
「カミーユッ!!えっ、カミーユッ!?」
カミーユの身体が傾いていく。何とかバッタリ倒れないようにし、ゆっくり座らせる。
「カミーユッ!?」
ズルズルと座り込んだカミーユの頭から血が流れていた。
「キャア!!カミーユッ!!」
どうしたら・・・、ダリを呼ばなきゃ。
廊下に出てダリを呼ぶ。
頑張って大声を出す。
「ダリッ!!助けてっ!!」
遠くから、走ってくる足音が聞こえる。
まずはお茶を飲み・お菓子を食べてから気力を養う。美味しいお菓子を食べるとやる気が出るよね?
そして書庫に向かう。
ダリが昨日掃除の手配をしてくれたので、ザックリと埃は払われ、該当年の日報がある辺りは綺麗にされていた。それに簡易的な椅子と机が用意されている。
「はい、じゃあこの年の11月5日からね。探すわよ」
棚に手を伸ばすが少し高い位置にある為、届かない。背伸びをして取ろうとすると、後ろから手が伸びてくる。
「届かないなら言えば取ってやるよ」
「ありがと、カミーユ」
お礼を言いながら振り返ると、服しかなかった。カミーユ案外背が高いのね?と上を見上げるとカミーユと目が合う。今までカレンの周りには黒目の人はいなかった。思わずジッと見つめてしまう。
ふっ、とカミーユの唇が笑う。
「天狗の顔なんて見ても楽しく無いだろう」
ポンポンと頭を撫でられる。
カレンはハッとする。
思わず目を見つめてしまい、慌ててカミーユから離れようとするが、カレンが動いた方向は棚だった。
『ドンッ』
と棚にブチ当たってしまう。その衝撃で不安定に置いてあった書物が、棚の上から降ってくる。
『バサバサッ』
と音を立てて降ってくるが、カレンの身体に当たる事は無かった。カミーユがカレンの上に覆い被さってくれたのだ。
「ツッ!!」
カミーユが声を上げた。
「カミーユ!!大丈夫っ!?」
数秒間があってから、
「大丈夫だ、騒ぐなよ・・・」
痛みを堪えた声が低く、ドキドキする。
なっ、何で!?
しかも、気がつけば抱きしめられている。思ったよりも背が高いのはさっき気がついたが、背中に当たる胸筋や抱きしめられている腕もガッチリしていて、緊張してしまう。
「も、もう離して?」
しかし離して貰えない。
「カミーユッ!!えっ、カミーユッ!?」
カミーユの身体が傾いていく。何とかバッタリ倒れないようにし、ゆっくり座らせる。
「カミーユッ!?」
ズルズルと座り込んだカミーユの頭から血が流れていた。
「キャア!!カミーユッ!!」
どうしたら・・・、ダリを呼ばなきゃ。
廊下に出てダリを呼ぶ。
頑張って大声を出す。
「ダリッ!!助けてっ!!」
遠くから、走ってくる足音が聞こえる。
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