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「普通に部屋?」
思わず呟いてしまった。
そう、部屋だ。しかも埃を被り、かなり長い間放置されている様だ。誰かが住んでいたが、突然住む人がいなくなった。そんな感じだった。
「カミーユ、住んでいた人はどんな人だったんだろうね?とりあえず、この部屋以外も見たいかも」
入って来たのとは別のドアを開ける。
廊下も埃が溜まっていて、誰もこの廊下を歩いていないのは一目瞭然だった。埃の上を歩き回る。元々この階も他の階と同様に使っていたと思われる。それなりの広さがある部屋ばかりだ。客室だったのかもしれない。部屋を開け、室内を確認してまた次の部屋を確認する。そしてカレンはある事に気がついた。とりあえず全部を見てから伝えよう。
全ての部屋に浴室・トイレなどが完備されていた。客室で間違いないだろう。
「カミーユ、気がついた?」
「ああ、全部客室だったな。後は普通にリネン室とか備品室とかありきたりな感じだ」
「ソレもあるけど、ドアに気づいた?」
「あ?木のドアだな?」
何の事だ?と言うような顔を向けてくる。
「まあ、木だけど。鍵よ」
「客室だからな?昔でも鍵はあるだろう」
カミーユはピンと来ていないような返事だ。
「はい、じゃあ確認。この部屋の鍵は中からします」
「当然だな?」
「問題の部屋を見てみて?鍵は?」
「あっ!!外からだっ!!客室じゃないのか!?何だこの部屋っ!?」
「ちゃんとは分からないけど、閉じ込めていたのかもね?会えるのは天狗部屋の住人しかいない」
「待てよ?初代天狗は記録が残ってないから正確ではないけど、言い伝えでは当主の息子だ」
「一旦、上に戻りましょう。疲れたわ」
「そうだな、また明日だ」
2人は2階分の階段を上り、カミーユの部屋に戻ってきた。壁はちゃんと開いたままだった。
カレンは天狗の鼻を引っ張ってみると、壁は元通りの状態に戻った。
思わず呟いてしまった。
そう、部屋だ。しかも埃を被り、かなり長い間放置されている様だ。誰かが住んでいたが、突然住む人がいなくなった。そんな感じだった。
「カミーユ、住んでいた人はどんな人だったんだろうね?とりあえず、この部屋以外も見たいかも」
入って来たのとは別のドアを開ける。
廊下も埃が溜まっていて、誰もこの廊下を歩いていないのは一目瞭然だった。埃の上を歩き回る。元々この階も他の階と同様に使っていたと思われる。それなりの広さがある部屋ばかりだ。客室だったのかもしれない。部屋を開け、室内を確認してまた次の部屋を確認する。そしてカレンはある事に気がついた。とりあえず全部を見てから伝えよう。
全ての部屋に浴室・トイレなどが完備されていた。客室で間違いないだろう。
「カミーユ、気がついた?」
「ああ、全部客室だったな。後は普通にリネン室とか備品室とかありきたりな感じだ」
「ソレもあるけど、ドアに気づいた?」
「あ?木のドアだな?」
何の事だ?と言うような顔を向けてくる。
「まあ、木だけど。鍵よ」
「客室だからな?昔でも鍵はあるだろう」
カミーユはピンと来ていないような返事だ。
「はい、じゃあ確認。この部屋の鍵は中からします」
「当然だな?」
「問題の部屋を見てみて?鍵は?」
「あっ!!外からだっ!!客室じゃないのか!?何だこの部屋っ!?」
「ちゃんとは分からないけど、閉じ込めていたのかもね?会えるのは天狗部屋の住人しかいない」
「待てよ?初代天狗は記録が残ってないから正確ではないけど、言い伝えでは当主の息子だ」
「一旦、上に戻りましょう。疲れたわ」
「そうだな、また明日だ」
2人は2階分の階段を上り、カミーユの部屋に戻ってきた。壁はちゃんと開いたままだった。
カレンは天狗の鼻を引っ張ってみると、壁は元通りの状態に戻った。
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