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 「国王に報告する事が増えたな」

 神官長様が呟き、

 「夕方から今回の騒動・ポーションなどの報告に行く予定だったのだが、緑の精霊様の件もある。皆で行く事にしよう」

 「あ、あの・・・。私は平民ですので、私は先に帰らせて頂いてもーーー」

 出来ればもう、王族には関わり合いたくない。例え国王でもだ。

 「お前がメインだ、マリア。1番の当事者が行かなくてどうするんだ?」

 ダダン様がマリアの声を遮った。

 あぅ~。誰か助けてっ。




 結局、誰にも助けられずマリアは国王の謁見の間へと連れて行かれた。マリアは開き直り、ローブな布は既に被っていなかった。

 神官長様とダダン様の報告を聞き終えた国王は、マリアに向き直り、

 「大聖女には戻って来るつもりは無いのか?ポーションは無理でも、お守りは聖女でも何とか作れるであろうし、緑の精霊の薬草があれば今迄の様に其方1人に負担を負わせなくてもすむ」

 「私は安寧な生活が送りたいのです。神殿に戻り、シャール殿下に振り回されるのは、もうイヤです。それに私にはクロイツがっ!」

 横に並ぶクロイツの腕にギュッとしがみつく。

 「クロイツがどうした?」

 シャール殿下とは違い、雰囲気で勝手に理解しようとはしない。

 「く、クロイツと離れたくないんですっ」

 「なるほど・・・。ではクロイツが王城で騎士になったらどうだ?」

 「お待ち下さい、国王様」

 国王様の問いにクロイツが声を挟む。

 「何だクロイツ」

 「はっ。私は辺境伯領からこちらに移るつもりはありません」

 はっきりと宣言した。

 そしてまた、

 「父上っ!私はマリアと結婚したいのですっ!!」

 扉をババ~ンと開け、シャール殿下が入って来る。

 「辺境伯の騎士などより、私と結婚した方が良いのですっ!!そして私とこの国を繁栄させて行くのですっ!!」

 また出たよ・・・。

 私達4人はゲンナリした顔をするが、国王様は何か腹が決まった様な顔をした。そして、

 「マリアと結婚するとして、リリアーヌはどうするのだ?昨日からお前の部屋にいるらしいな?」

 「えっ、あっ、り、リリアーヌは俺の、俺の侍女になりましたっ!何も心配は要りませんっ!」

 私達4人は完全に呆れ顔だ。

 さっきも今も、マリアと結婚する発言をしたのにソレですか?

 「お前は侍女と一緒に寝たり風呂に入るのか?」

 国王様は更にシャール殿下を問い詰める。

 あの~、謁見の間で話す事は全て記録されるんですよね?そ~ゆ~話しは他でした方が良いんじゃないですか?

 「風呂は身体を洗ってもらって、一緒に寝てたのは子守唄を歌ってもらってて寝てしまったのかな?あはっ、あはっ、あははははっ」

 かなり苦しい言い訳をした。

 はあ~っ、と国王様は重い溜息をついた。

 「シャールよ、お前を廃嫡する」

 凛とした声が響き渡った。

 



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