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 網の上の薬草に向かい、マリアは手をかざし弱い温風を当て薬草を乾かす。1網につき2分程度で乾かせる。乾かし終わった薬草はメアリが木箱にまとめ、乾かす薬草をまた網に乗せて行く。2人は黙々と作業する。

 ナオリンとカゼリンが終わると、一旦マリアはその作業を止め、厨房から頂いてきた不要な大きな丼とナオリンの木箱を並べた。マリアが乾かした薬草を手に取りかなり細かい粒子に変えていく。ある程度出来るとカゼリンも同じ作業をした。そして厨房から頂いてきたスプーンでナオリンとカゼリンを同じ分量を図り、お茶碗の中で混ぜ合わせた。ソレをポーションの瓶に詰めてメアリに2本渡す。

 「えっ?」

 「メアリのお母様に毎食後、ティースプーンに半分位を飲みやすそうなお湯の量で溶いて飲ませてあげて?2週間くらいで良くなるって精霊様は言われてたわ」

 「えっ、いいんですかっ?あ、お金が今月は余裕が無くて・・・」

 「それは必要ないわ。ただし、お母様の今現在と飲み始めてからの効果を知りたいの。今日の夜から飲んでもらって、明日の朝出勤したら飲む前と明日の朝の状態をわかりやすく書いてもらえるかしら?1回飲んだだけじゃ効果は出ないと思うけど、2週間朝の状態をレポートで書いてね?途中で足りなくなると思うけどその時は言って、すぐに作るから」

 「はいっ!わかりました」

 メアリは丁寧にカバンにしまった。

 午後のお茶をして、残りの時間で薬草の処理を全て終わらせて、今日の業務は終了にした。

 あ、ポーション作ってない。

 明日でいっかぁ!!




 翌朝いつも通りに出勤する。

 「マリアさんっ!!ありがとうございますっ!!昨日頂いた薬草、凄く効果がありましたっ!!」

 ギュウギュウ抱きしめられ感謝される。

 「後からレポートを書いてもらうけと、気になるから先に聞いてもいい?」

 「はいっ。実は母は肺炎と当初診断されたんです。それで薬を飲んでいたんですけど一向に良くならず悪化して、別の病院に行ったら結核だと言われ薬を変えたんです。でも良くならなくて。症状は最初は軽い咳で風邪みたいだったんです。でも一向に治らなくて。薬草を飲むまでは10分に1回以上は咳が出て、夜もほとんど寝れない状態だったと聞きます。食事も余り食べれなくなってきていました。それで昨日夜、指示してもらった通りにティースプーンに半分の量を大体100cc位のお湯で割って、少し冷まして飲ませました。1時間後位から咳が余り出なくなり、3時間後の就寝時にはほとんど咳はしてませんでした。朝も久しぶりに熟睡出来たと話し、朝食も今迄よりも食べてました。朝食後もきちんと薬草を飲ませて安静にするように言ってきました」

 「まあ、1回飲んだだけでかなり効果があったのね?良かったわ。2週間頑張って飲んでもらいましょう。ちなみに味はやっぱりマズイのかしら?」

 良薬口に苦しって言うし。

 「私も気になって聞いてみたら、びっくりのぶどう味らしいです」

 「はあ?」

 何故にぶどう?葉っぱだよね?

 「ですよね。匂いもぶどうの匂いなんです。粉の状態では青臭いですけど」

 「・・・、後で試してみる?」

 「是非っ!!」

 2人は味見する事になった。




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