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 「ええっ!?何これっ!?」

 「何だコレっ!?」

 マリアとクロイツは素っ頓狂な声を上げた。




 昨日約束した通り、マリアとクロイツは出勤する前に騎士団裏の畑に向かい歩いていた。

 クロイツは木が生い茂っている森状態を見たのが最後だから、綺麗な畑を見たら絶対にびっくりするよね?

 うふふっ、とマリアはクロイツの驚く顔を期待したのに・・・。

 自分まで驚く事になっていたのだ。

 何も無かった畑には半分に手のひらサイズの葉、半分に蔓の小さな葉が所狭しと繁っていて、冒頭の驚きになってしまったのだ。



 「コレが緑の精霊の力か・・・」

 クロイツが呟く。

 「昨日帰る時には何も無い畑だったのに」

 マリアは心の中で、精霊様に感謝の言葉を言う。

 『精霊様、貴重な薬草をありがとうございます』

 『収穫してもすぐに成長する。無駄にせず使うがよい』

 『はいっ!!もう一つお願いがありますっ。疲労回復の薬草を下さいっ!!』

 『ふむ。良いぞ?では『ナオリン』を授けよう。使い方はカゼリンと同じだ。明日を楽しみにしておれ』

 『ありがとうございますっ!!』




 「マリア、どうしたんだ?大丈夫か?」

 心配そうな顔のクロイツが顔を覗き込んでいた。

 「あっ、今精霊様とお話ししてて、もう一つ薬草を頂ける事になりました。これで今心配している事は全て解決しそうです。あ、出勤の時間になりますよ、行きましょう」

 マリアは作業室に行き収穫する葉っぱを入れるモノを探しているが無い。

 う~ん、何処かから借りれるかな?

 「マリア、今いいか?」

 ダダン様が扉を開け、入って来る。ダダン様の後ろには若い女性も一緒だ。

 「マリアのアシスタントにどうかと思ったんだ。今迄は騎士団の食堂で働いていたが、家の事情で働く時間の少ない所を探していたんだ。ジャガイモやタマネギも袋で運んでいるからそれなりに力もある。どうだ?」

 「ダダン様のお墨付きなら大丈夫ですよ?今からでも明日からでも」

 「なら、今日からだな。メアリ、頑張れよ」

 「はいっ、ダダン様ありがとうございますっ!」

 ペコリとメアリは頭を下げる。すぐにダダン様は部屋を出ようとするので呼び止める。

 「ダダン様っ。10分程お話しをしてもよろしいでしょうか?」

 「ああ、何だ?」

 「畑の報告です。あの畑は緑の精霊様のモノでした。お話しして使わせて頂くとともに、薬草を授けていただきました。3種類です」

 「紙にまとめて報告してくれ」

 「わかりました。あと、薬草を集めるカゴとメアリの椅子が欲しいです」

 「総務に言ってくれ」

 ダダン様は去って行った。

 忙しかったのかな?

 メアリと2人だけになり、とりあえず自己紹介する事にした。

 「私はマリアです。私のアシスタントと言うことで、仕事はその都度お願いしますね?私もまだはじめたばかりなので」

 「はい。私はメアリです。食堂以外の仕事はした事がないので、指示してください。よろしくお願いします」

 2人でペコペコと頭を下げた。

 「で、メアリ。総務ってどこ?」
 



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