16 / 37
15
しおりを挟む
食堂で昼食をたべているとクロイツが仲間の騎士とやってきて、マリアの隣に座った。
「どう?マリア。順調?」
「ええ、色々順調よ?あ、騎士団の裏に使ってない畑があるらしいんだけど、行けばわかるかな?」
「えっ!?あそこに用事か?」
クロイツは引きつった顔をする。
「ええ。薬草を作りたいってダダン様にお願いしたら、好きに使えって言ってくれたのだけど?問題の場所なの?」
「あ~、まあ。な?」
クロイツが周りの騎士に視線を向けると、皆一様にウンウンと首を縦に振る。
「精霊がイタズラするんだ」
「えっ?どんな?」
何するの!?
「植えたモノが異常に成長するんだ。手に負えない位に」
「成長するのはいい事じゃない?」
「最近は誰も近寄らないから古い話だが、種を植えたカボチャが次の日には実がなってたとか、痛み止めの薬草を植えたら次の日、畑からはみ出す位に葉っぱだらけになっていたとか。怖くて食べれないし、使えないって話しだったな」
「う~ん。私なら嬉しいけど?」
「まあ、ダダン騎士団長がいいって言うなら使ってみてもいいんじゃないか?案内するぞ?戻りながらでいいか?」
「ありがとっ、クロイツ」
昼食からの帰りにクロイツに案内してもらい畑にやって来た。
「う~わぁ~」
その場所は凄い事になっていた。どれだけ放置されていたかはわからないが、畑だったであろう場所には木が生い茂っている。
畑?
いやいや、森でしょう。
「どうする?木を切るところからだぞ?」
「う~ん、ちょっと考えてみる。午後から暇だし。ありがと、クロイツ」
「ああ、またな」
着た道をクロイツは帰って行った。
さて・・・、どうしようかな?
まずは精霊とお話しかな?
目を閉じ、大地に向かって意識を集中させると、フワリと空気が揺れた。ゆっくりと目を開くと、ペルシャネコに似た姿の精霊がフワフワと宙に浮いていた。
「大聖女がなんでココにいる?」
「大聖女をクビになりまして。こちらの騎士団に雇って頂いてます」
「ふむ、ソナタをクビにか。あり得んな。で、ココで何をしておる?」
「騎士団長様に畑を使って良いと言われたので、薬草を植えたいと思ったのですが。この畑を使わせて貰えませんか?」
「使いたいのか?使う場合、我の加護が付くぞ?構わぬか?」
「はいっ、もちろんです。加護を付けて頂けるなんて助かります!」
早く成長するヤツだよね!?
お願いしたい位だわっ!!
「ふむ、わかった。ソナタに任せよう」
精霊は目を瞑り、次にカッ!!と目を開くと木々が一掃され、草は無くなり耕された綺麗な畑が出来上がる。
「うわぁ!!ありがとうございますっ!!精霊さまっ!!今種が無いので、近々植えますね!」
そう、畑の話しは今日出たばかりだし、何も用意していないのだ。
「ソナタは何を植えるつもりであった?」
「え~っと、まだ考え中だったのですが、湿布や軽い怪我を治す薬草や風邪を治す薬草ですね。今は別でポーションを作っているのですが、ソレを使わない程度を薬草で治せれたらなと思って」
「ポーションのレベルは?」
「50%程で骨折を治すレベルです」
「ふむ、では『ケガリン』と『カゼリン』をソナタに託そう。大きい葉っぱのケガリンは葉を乾燥させ使うときに水に浸し患部に貼るがよい。カゼリンは乾燥させ、粉末にし、小指の先程を湯に溶いて食後に飲むが良い」
言いえ終わると畑が一瞬光、精霊は消えた。
畑はまだ土の状態だったので、明日また見に来る事にした。
「どう?マリア。順調?」
「ええ、色々順調よ?あ、騎士団の裏に使ってない畑があるらしいんだけど、行けばわかるかな?」
「えっ!?あそこに用事か?」
クロイツは引きつった顔をする。
「ええ。薬草を作りたいってダダン様にお願いしたら、好きに使えって言ってくれたのだけど?問題の場所なの?」
「あ~、まあ。な?」
クロイツが周りの騎士に視線を向けると、皆一様にウンウンと首を縦に振る。
「精霊がイタズラするんだ」
「えっ?どんな?」
何するの!?
「植えたモノが異常に成長するんだ。手に負えない位に」
「成長するのはいい事じゃない?」
「最近は誰も近寄らないから古い話だが、種を植えたカボチャが次の日には実がなってたとか、痛み止めの薬草を植えたら次の日、畑からはみ出す位に葉っぱだらけになっていたとか。怖くて食べれないし、使えないって話しだったな」
「う~ん。私なら嬉しいけど?」
「まあ、ダダン騎士団長がいいって言うなら使ってみてもいいんじゃないか?案内するぞ?戻りながらでいいか?」
「ありがとっ、クロイツ」
昼食からの帰りにクロイツに案内してもらい畑にやって来た。
「う~わぁ~」
その場所は凄い事になっていた。どれだけ放置されていたかはわからないが、畑だったであろう場所には木が生い茂っている。
畑?
いやいや、森でしょう。
「どうする?木を切るところからだぞ?」
「う~ん、ちょっと考えてみる。午後から暇だし。ありがと、クロイツ」
「ああ、またな」
着た道をクロイツは帰って行った。
さて・・・、どうしようかな?
まずは精霊とお話しかな?
目を閉じ、大地に向かって意識を集中させると、フワリと空気が揺れた。ゆっくりと目を開くと、ペルシャネコに似た姿の精霊がフワフワと宙に浮いていた。
「大聖女がなんでココにいる?」
「大聖女をクビになりまして。こちらの騎士団に雇って頂いてます」
「ふむ、ソナタをクビにか。あり得んな。で、ココで何をしておる?」
「騎士団長様に畑を使って良いと言われたので、薬草を植えたいと思ったのですが。この畑を使わせて貰えませんか?」
「使いたいのか?使う場合、我の加護が付くぞ?構わぬか?」
「はいっ、もちろんです。加護を付けて頂けるなんて助かります!」
早く成長するヤツだよね!?
お願いしたい位だわっ!!
「ふむ、わかった。ソナタに任せよう」
精霊は目を瞑り、次にカッ!!と目を開くと木々が一掃され、草は無くなり耕された綺麗な畑が出来上がる。
「うわぁ!!ありがとうございますっ!!精霊さまっ!!今種が無いので、近々植えますね!」
そう、畑の話しは今日出たばかりだし、何も用意していないのだ。
「ソナタは何を植えるつもりであった?」
「え~っと、まだ考え中だったのですが、湿布や軽い怪我を治す薬草や風邪を治す薬草ですね。今は別でポーションを作っているのですが、ソレを使わない程度を薬草で治せれたらなと思って」
「ポーションのレベルは?」
「50%程で骨折を治すレベルです」
「ふむ、では『ケガリン』と『カゼリン』をソナタに託そう。大きい葉っぱのケガリンは葉を乾燥させ使うときに水に浸し患部に貼るがよい。カゼリンは乾燥させ、粉末にし、小指の先程を湯に溶いて食後に飲むが良い」
言いえ終わると畑が一瞬光、精霊は消えた。
畑はまだ土の状態だったので、明日また見に来る事にした。
50
お気に入りに追加
3,138
あなたにおすすめの小説
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
大好きな第一王子様、私の正体を知りたいですか? 本当に知りたいんですか?
サイコちゃん
恋愛
第一王子クライドは聖女アレクサンドラに婚約破棄を言い渡す。すると彼女はお腹にあなたの子がいると訴えた。しかしクライドは彼女と寝た覚えはない。狂言だと断じて、妹のカサンドラとの婚約を告げた。ショックを受けたアレクサンドラは消えてしまい、そのまま行方知れずとなる。その頃、クライドは我が儘なカサンドラを重たく感じていた。やがて新しい聖女レイラと恋に落ちた彼はカサンドラと別れることにする。その時、カサンドラが言った。「私……あなたに隠していたことがあるの……! 実は私の正体は……――」
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。
妹と寝たんですか?エセ聖女ですよ?~妃の座を奪われかけた令嬢の反撃~
岡暁舟
恋愛
100年に一度の確率で、令嬢に宿るとされる、聖なる魂。これを授かった令嬢は聖女と認定され、無条件で時の皇帝と婚約することになる。そして、その魂を引き当てたのが、この私、エミリー・バレットである。
本来ならば、私が皇帝と婚約することになるのだが、どういうわけだか、偽物の聖女を名乗る不届き者がいるようだ。その名はジューン・バレット。私の妹である。
別にどうしても皇帝と婚約したかったわけではない。でも、妹に裏切られたと思うと、少し癪だった。そして、既に二人は一夜を過ごしてしまったそう!ジューンの笑顔と言ったら……ああ、憎たらしい!
そんなこんなで、いよいよ私に名誉挽回のチャンスが回ってきた。ここで私が聖女であることを証明すれば……。
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
妹に婚約者を奪われ、屋敷から追放されました。でもそれが、私を虐げていた人たちの破滅の始まりでした
水上
恋愛
「ソフィア、悪いがお前との婚約は破棄させてもらう」
子爵令嬢である私、ソフィア・ベルモントは、婚約者である子爵令息のジェイソン・フロストに婚約破棄を言い渡された。
彼の隣には、私の妹であるシルビアがいる。
彼女はジェイソンの腕に体を寄せ、勝ち誇ったような表情でこちらを見ている。
こんなこと、許されることではない。
そう思ったけれど、すでに両親は了承していた。
完全に、シルビアの味方なのだ。
しかも……。
「お前はもう用済みだ。この屋敷から出て行け」
私はお父様から追放を宣言された。
必死に食い下がるも、お父様のビンタによって、私の言葉はかき消された。
「いつまで床に這いつくばっているのよ、見苦しい」
お母様は冷たい言葉を私にかけてきた。
その目は、娘を見る目ではなかった。
「惨めね、お姉さま……」
シルビアは歪んだ笑みを浮かべて、私の方を見ていた。
そうして私は、妹に婚約者を奪われ、屋敷から追放された。
途方もなく歩いていたが、そんな私に、ある人物が声を掛けてきた。
一方、私を虐げてきた人たちは、破滅へのカウントダウンがすでに始まっていることに、まだ気づいてはいなかった……。
婚約破棄でも構いませんが国が滅びますよ?
亜綺羅もも
恋愛
シルビア・マックイーナは神によって選ばれた聖女であった。
ソルディッチという国は、代々国王が聖女を娶ることによって存続を約束された国だ。
だがシェイク・ソルディッチはシルビアという婚約者を捨て、ヒメラルダという美女と結婚すると言い出した。
シルビアは別段気にするような素振りも見せず、シェイクの婚約破棄を受け入れる。
それはソルディッチの終わりの始まりであった。
それを知っているシルビアはソルディッチを離れ、アールモンドという国に流れ着く。
そこで出会った、アレン・アールモンドと恋に落ちる。
※完結保証
追放された令嬢は英雄となって帰還する
影茸
恋愛
代々聖女を輩出して来た家系、リースブルク家。
だがその1人娘であるラストは聖女と認められるだけの才能が無く、彼女は冤罪を被せられ、婚約者である王子にも婚約破棄されて国を追放されることになる。
ーーー そしてその時彼女はその国で唯一自分を助けようとしてくれた青年に恋をした。
そしてそれから数年後、最強と呼ばれる魔女に弟子入りして英雄と呼ばれるようになったラストは、恋心を胸に国へと帰還する……
※この作品は最初のプロローグだけを現段階だけで短編として投稿する予定です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる