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 「はい、マリアちゃん。今日のお菓子はパウンドケーキとフルーツゼリーよ。いっぱい食べてね?」

 にっこり笑いながら、お姉様は可愛らしいフリルのついた手提げ袋を渡してくれる。

 「職場にオヤツ・・・」

 クロイツは微妙な顔をした。

 「実は昨日、夕食の時にねーーー」

 と、話しをするとクロイツも

 「じゃあ俺も珍しい菓子を見つけたら買ってくるよ」

 笑顔で言われてしまった。

 「いえいえ。今のお仕事はきちんとお休みが頂けそうなので、自分で街に買いに行きますよ?自分でも見てみたいし。ほらっ、私金銭感覚がないので養わないと」

 「ふむ。でも1人ではソレが高いのか安いのか、適正なのか判別出来ないよな?土曜日にでも一緒に行こうか、菓子店に」

 「えっ、でも!クロイツもせっかくのお休み
に悪いよ」

 「俺に遠慮はするなよ。義姉が妹扱いするなら俺にとっても妹だろ?」

 笑いながら頭をポンポンされる。

 「ありがと、クロイツ」

 クロイツ、いい人だぁ。

 にっこりと笑いながらお礼を言う。

 クロイツは照れ屋なのか、顔を赤くしてソッポを向いた。




 作業室に着き、今日は何をしようかなぁと考えいると、ダダン様がミサンガ・お札大の紙・四角にカットされた石を各10個持ってやって来た。

 「コレにお守りとしての力を込めてくれ。昨日話した様にミサンガには3年、お札と石には1年だ」

 「分かりました。全て1時間程でお持ちしますね」

 「頼んだぞ。それとオヤツだ。妻の手作りだが食べてくれ」

 机に紙袋が置かれる。

 「わぁ、ありがとうございます。頂きますっ!!」

 今日はお菓子がいっぱいだ!!

 嬉しいっ!

 喜んでる間にダダン様はいなくなっていた。




 お守りにサッサと力を込め、お菓子を頂いている。一仕事終えた後のお菓子は美味しい!

 今はダダン様から頂いたクッキーをバリバリと食べている。お姉様はお菓子と共にお茶も持たせてくれていたので、そのお茶と共に。

 あ~、この部屋にティーセット欲しいなぁ。

 ダダン様に言ったら用意して貰えるのかなぁ?いやいや、それはさすがにダメだろうね。自分で用意しよう。



 「ダダン様、よろしいでしょうか?」

 出来上がったお守りを持ってダダン様の執務室を訪れる。

 「ああ、入れ」

 「失礼しまぁす」

 中に入ると数人の騎士が話していたが、マリアが室内に入ると、すっと部屋から出て行った。

 「すいません、よろしかったですか?」

 「ああ、方向は終わっていたからな。で、出来たのか?」

 「はい、終わりました」

 一見状態は変わらないけど。

 「しばらく預かって様子を見るとしよう。で、昨日作ってもらったポーションだが問題ない。こちらで数人に試したのと、神官長にも確認してもらった。神殿で問題が大きくなった際にはすぐに出荷してもらう。依頼が来るまでさそうだな、レベル1を100本・レベル2を20本作ってもらおうか」

 「えっ、それだけでいいんですか?午前中だけで終わりますよ?」

 「では暇な時間は、好きに過ごしていて構わない。図書館には魔術などの本もある。勉強してくれてもいい」

 「あっ、ではお願いがあります。薬草を育てたいのですが」

 「は?ああ。騎士団の裏に使ってない畑があるから好きに使うが良い。許可は取っておこう。しかし、何に使うのだ?」

 「湿布代わりになる薬草や疲労に効く薬草、後はーーー」

 「ああ、任せた。出来たものの報告はまたその時に知らせてくれ」

 「分かりました。あっ、クッキーご馳走様でした。ナッツたっぷりで凄く美味しかったです」

 ペコリとお辞儀をして室内を出た。





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