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 大した荷物も持って来ていなかったので、すぐに片付け終わる。暇なので、掃除をしようと廊下の収納を掃除機を期待して開けると、ルン○があった。ああ、勝手に掃除してくれるよ。なので、掃除をさせている間にお風呂に入る事にした。

 男性用のアメニティと共に新しい女性用も準備されていた。って事は京極さん、ココに泊まったりもしてたんだよね?私がいる時も泊まるんだろうか?



 薔薇の入浴剤があったので浴槽に入れ、のんびりと浸かる。薔薇の匂い好き。アメニティもロクシタ○の薔薇シリーズだった。凄くいい匂いだけど、ちょっとお高い。

 ご機嫌で出てくると、そこには・・・、

 「京極さんっ!?」

 「ああ。紅茶くれ」

 「はいっ、すぐにっ!!」

 バスローブに髪は濡れたままだったが、急いで紅茶を入れる。私は紅茶が大好きだが、京極さんも好きなようだ。いくつかある茶葉の中から『ニルギリ』を選ぶ。京極さんのいるリビングには洋菓子の箱があった。ニルギリはどんなお菓子にも合いやすく、爽やかな味わいだ。

 紅茶と共に、ケーキ皿、スプーン、フォークも持って行く。紅茶を飲んだ京極さんは、

 「ニルギリか・・・。美味いな」

 そう言いながらケーキを取り出した。

 ケーキは4つある。メロンのケーキとイチゴのケーキが2個ずつだ。天音にもソファーに座るように促し、ケーキをひとすくい天音の口元に持ってくる。

 !?

 「あ~ん、だろ?」

 予想外の言葉がくる。

 「むさ苦しい男ばっかりの所から息抜きに来てるんだ。俺を癒せ、ホラ」

 食べるのを強要される。諦め、パクリと食べる。

 「うわぁ!!美味しいっ!!イチゴも美味しいっ!!」

 思わず笑顔になって、自分のケーキを食べようとするが、京極さんが、じ~っと見ている。もしかして・・・、

 「あ、あ~ん?」

 ケーキを口元に持っていくと、ふっと笑ってパクリと食べた。

 「正解だ。甘い甘いで俺を癒せ。最近は従兄弟どもに見せつけられてるからな」

 「え~っと、彼女にお願いするとか?」

 若干強面だけど、イケメンさんだから彼女の1人や2人、いるよね?

 「いないからお前に癒し係を求めたんだ。今日はいつも以上に疲れてる。早く食べさせて俺を癒せ」

 そして、何故か京極さんの脚に横座りさせられ、ケーキの食べさせあいをさせられた。

 うっ、人生初の『あ~ん』が仕事なんて。

 「天音、クリームが付いてる」

 ゆっくりと顔が近づいて、ペロリと京極さんの舌が口のはしを舐める。そして、そのまま・・・、

 「んんっ!!」




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