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いよいよやって来たマクシミリアン殿下とライムの結婚式当日朝、王宮は朝から人々が動き回っていた。そんな中、ライムは侍女達の手によって、ウェディングドレスを身につけ、化粧をし、髪を結われ、王家に伝わるティアラを乗せられた。ダイヤモンドとルビーが散りばめられたモノだ。準備が整い王宮横にある王族専用の教会に向かう。
教会の扉の前には既に父が待機しており、ライムの姿を見ると瞳に涙を浮かべた。
「ああ、こんなに幸せそうなライムを見れるなんて、マクシミリアン殿下には感謝しきれないな」
「そうね。慰謝料もがっつりもらったしね」
後半は小声で話した。
「結婚したからと言って、私達親子は何も変わる事は無い。いつでも殿下と遊びにおいで」
「はい、ありがとう」
扉が開き、中に歩みを進める。教会内は諸外国の来賓が参列していて、歩くのに緊張したが、マークの元までなんとか躓きもせずにたどり着いた。マークの婚礼衣装も素敵だ。目が釘付けになってしまう。
式は順調に進み、宣誓、指輪の交換、誓いのキスと順調だ。ただ、誓いのキスの際、愛の花が舞った瞬間は、初めて見た諸外国の人からは騒めきが起こった。
いきなり花が舞うのだ、びっくりだよね。
もう何度もマークとキスを重ねているのに、毎回ドキドキして甘い唇にうっとりしてしまう。
その後は馬車で王宮周辺をゆっくり走り、国民にお披露目だ。皆が祝福をしてくれる。中には赤い薔薇を振ってくれる人もいた。
「ああ、やっとハニーが奥さんになってくれたんだね。愛してる、これからもずっと」
チュッとキスされる。
「マーク、私も愛してます」
キスを返す。沿道の人達からは歓声が上がり、愛の花も舞っている。
本物の番に出会い、私は幸せになりますっ!
~完~
教会の扉の前には既に父が待機しており、ライムの姿を見ると瞳に涙を浮かべた。
「ああ、こんなに幸せそうなライムを見れるなんて、マクシミリアン殿下には感謝しきれないな」
「そうね。慰謝料もがっつりもらったしね」
後半は小声で話した。
「結婚したからと言って、私達親子は何も変わる事は無い。いつでも殿下と遊びにおいで」
「はい、ありがとう」
扉が開き、中に歩みを進める。教会内は諸外国の来賓が参列していて、歩くのに緊張したが、マークの元までなんとか躓きもせずにたどり着いた。マークの婚礼衣装も素敵だ。目が釘付けになってしまう。
式は順調に進み、宣誓、指輪の交換、誓いのキスと順調だ。ただ、誓いのキスの際、愛の花が舞った瞬間は、初めて見た諸外国の人からは騒めきが起こった。
いきなり花が舞うのだ、びっくりだよね。
もう何度もマークとキスを重ねているのに、毎回ドキドキして甘い唇にうっとりしてしまう。
その後は馬車で王宮周辺をゆっくり走り、国民にお披露目だ。皆が祝福をしてくれる。中には赤い薔薇を振ってくれる人もいた。
「ああ、やっとハニーが奥さんになってくれたんだね。愛してる、これからもずっと」
チュッとキスされる。
「マーク、私も愛してます」
キスを返す。沿道の人達からは歓声が上がり、愛の花も舞っている。
本物の番に出会い、私は幸せになりますっ!
~完~
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