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あっと言う間に舞踏会当日はやってきた。
ライムは王宮で貸してもらっている部屋で、沢山の侍女に身支度を整えてもらっている。男爵家では、多くても2人の侍女にしか身支度を整えてもらった事しかないので、人の多さだけで疲れてしまう。
「まあ、妖精の様に愛らしいですわっ!!」
侍女の1人が言うと、周りの侍女もウンウンと頷く。
「ライムそろそろ準備はーーー」
部屋の扉ををノックし、マークが入ってくる。
「ハニーっ!何て可憐なんだっ!!君は妖精なのかっ!?」
薄いグリーンのシフォンのドレスはAラインで、幾重にも生地が重なっており、ライムの動きに合わせ、フワフワと軽やかに動く。
「ああっ!!こんなにステキなハニーを見たら、全ての男が君に恋してしまうかも知れないっ!!見せたくないっ!!ああっ、でもステキなハニーを見せびらかして、俺の婚約者だと、叫んでしまいたい」
・・・。
大丈夫ですか?と侍女達は思った。
「マークもステキですねっ。チャコールグレーの礼服に私のドレスと同じ色のネックチーフ。うふふ、何だか照れ臭いですね」
「じゃあ、会場に行こうか」
今日の流れはまず、普通の舞踏会として始まる。後半になって場が盛り上がって来てから、マークとライムの婚約発表だ。その時にキスし、花が降る事で番いである事の発表にもなる。正直、コレは恥ずかしいがしきたりなので、頑張るしかない。
会場内には通常の薔薇に混じり、王妃様達の愛の花も混じって飾られている。会場準備の段階から『番い探しの花イベント』は始まっているらしい。誰が番なのか分からないのだ。なるべく多くの女性に、花の香りを嗅いで貰う必要がある。
ライムは一般の貴族の入り口ではなく、コッソリと裏口から会場に入る事になっている。ソコからライムが入るのを見届けた後、マークは王族用の入り口に移動して、中に入って行った。王様と王妃様は大々的に入場が知らされるが、王子達は特にソレはないので、中に入り、ライムと落ち合う事にしていた。
しかし、会場内は広い。
ライムはマークと会う前に、自分の両親と出会った。
「あらっ、ライム!!びっくりしたわ!!ステキなドレスね?」
「お父様っ、お母様もっ!!早い時間から来られたのね?」
「ふふっ、ライムの晴れ舞台が待ちきれなくてね、早く来ちゃったわ」
「マークを探しているから、また後でねっ」
その場を去り、マークを探す。
人が多いが何とかマークと落ち合う事が出来、安堵する。
「ふふっ、マークがステキだから沢山の人が見ているわ」
女性からの視線が痛い。
「ソレを言うなら、ハニーに見惚れている男の方が多いぞ?」
マークはちょっとイライラした表情をする。
2人は目を見て、プッと笑ってしまうのだ。
ライムは王宮で貸してもらっている部屋で、沢山の侍女に身支度を整えてもらっている。男爵家では、多くても2人の侍女にしか身支度を整えてもらった事しかないので、人の多さだけで疲れてしまう。
「まあ、妖精の様に愛らしいですわっ!!」
侍女の1人が言うと、周りの侍女もウンウンと頷く。
「ライムそろそろ準備はーーー」
部屋の扉ををノックし、マークが入ってくる。
「ハニーっ!何て可憐なんだっ!!君は妖精なのかっ!?」
薄いグリーンのシフォンのドレスはAラインで、幾重にも生地が重なっており、ライムの動きに合わせ、フワフワと軽やかに動く。
「ああっ!!こんなにステキなハニーを見たら、全ての男が君に恋してしまうかも知れないっ!!見せたくないっ!!ああっ、でもステキなハニーを見せびらかして、俺の婚約者だと、叫んでしまいたい」
・・・。
大丈夫ですか?と侍女達は思った。
「マークもステキですねっ。チャコールグレーの礼服に私のドレスと同じ色のネックチーフ。うふふ、何だか照れ臭いですね」
「じゃあ、会場に行こうか」
今日の流れはまず、普通の舞踏会として始まる。後半になって場が盛り上がって来てから、マークとライムの婚約発表だ。その時にキスし、花が降る事で番いである事の発表にもなる。正直、コレは恥ずかしいがしきたりなので、頑張るしかない。
会場内には通常の薔薇に混じり、王妃様達の愛の花も混じって飾られている。会場準備の段階から『番い探しの花イベント』は始まっているらしい。誰が番なのか分からないのだ。なるべく多くの女性に、花の香りを嗅いで貰う必要がある。
ライムは一般の貴族の入り口ではなく、コッソリと裏口から会場に入る事になっている。ソコからライムが入るのを見届けた後、マークは王族用の入り口に移動して、中に入って行った。王様と王妃様は大々的に入場が知らされるが、王子達は特にソレはないので、中に入り、ライムと落ち合う事にしていた。
しかし、会場内は広い。
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「お父様っ、お母様もっ!!早い時間から来られたのね?」
「ふふっ、ライムの晴れ舞台が待ちきれなくてね、早く来ちゃったわ」
「マークを探しているから、また後でねっ」
その場を去り、マークを探す。
人が多いが何とかマークと落ち合う事が出来、安堵する。
「ふふっ、マークがステキだから沢山の人が見ているわ」
女性からの視線が痛い。
「ソレを言うなら、ハニーに見惚れている男の方が多いぞ?」
マークはちょっとイライラした表情をする。
2人は目を見て、プッと笑ってしまうのだ。
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