2 / 2
2
しおりを挟む
操作の説明を終えた青木さんは隣の席に戻っていく。
ふぅ、ドキドキしたのは私だけだよね。青木さん、いつもの顔だし。教えてもらった操作を活用し、図面を仕上げて行く。
終業後、帰り支度をすると出口で青木さんと一緒になる。駅まで仕事以外の事を話しながら向かう。バイク乗りらしい、実は私も乗っていたと話すと話が盛り上がる。私は街乗りだったけど、青木さんは旅にでたりもするようで、聞いていて楽しい。
同じ電車に乗るが、青木さんは用事があるからと繁華街のある駅で降りて行く。
そうだよね~、今日は金曜日だし彼女と待ち合わせかなぁ?羨ましいなぁ、彼女さん。
「青木さん、何で彼女作らないの~?」
突然そんな話が耳に入る。青木さんの向こうに座ってる清田さんの声だ。
「ね~、渡部さん、ど~思う?」
話題を振られる。
「え、青木さん、彼女いないんですか?モテそうなのに?」
金曜日は友達と会ってたって事かな?
「まあ、俺モテないし」
ははっ、と笑う。
「渡部さん、もしフリーだったらどお?」
「はぁ?フリーですけど、お断りされそうだからこの話は無かった事で~っ」
と会話から離脱する。
ホント断られたら気まずいでしょ。案外この仕事気に入ってるんだから、風波立てないでほしいなぁ。
その日の帰り、またまた青木さんと一緒になる。駅までの道のり、ちょっと気まずいなぁ。何話そうかなぁ?
「さっきの話し」
青木さんが切り出す。
「え?」
「渡部さん、彼いないの?」
「いないね~」
「作らないの?」
「うん、まあ。持病があって。よく体調崩すんだ。そうするとデートのドタキャンする事多くって。で、長続きしなくてね。何だか面倒くさくなって、1人の方が気が楽かなって」
「俺もね、足に持病があるんだけど。ま、持病は一生付き合って行くしかないからね~。持病仲間で、俺と付き合わない?俺、まだあんまり渡部さんの事知らないけど、ゆっくり知っていきたい。俺の事も知ってもらいたい。好きなんだ」
いつの間にか両肩をガッシリ捕まれ、真剣な眼差しで見つめられる。
「えっ、でも私の持病ちょっと厄介で」
「大丈夫、それごと受け入れる。俺と付き合って欲しい」
再度真剣に言われる。
「はい。お願いします」
緊張しながら答える。
「ありがと、ゆきの」
いきなり名前を呼ばれドキドキしていると、青木さんはゆっくり顔を近づけ軽く『チュッ』とキスしながら大きな掌で頭を撫で回すのだった。
ふぅ、ドキドキしたのは私だけだよね。青木さん、いつもの顔だし。教えてもらった操作を活用し、図面を仕上げて行く。
終業後、帰り支度をすると出口で青木さんと一緒になる。駅まで仕事以外の事を話しながら向かう。バイク乗りらしい、実は私も乗っていたと話すと話が盛り上がる。私は街乗りだったけど、青木さんは旅にでたりもするようで、聞いていて楽しい。
同じ電車に乗るが、青木さんは用事があるからと繁華街のある駅で降りて行く。
そうだよね~、今日は金曜日だし彼女と待ち合わせかなぁ?羨ましいなぁ、彼女さん。
「青木さん、何で彼女作らないの~?」
突然そんな話が耳に入る。青木さんの向こうに座ってる清田さんの声だ。
「ね~、渡部さん、ど~思う?」
話題を振られる。
「え、青木さん、彼女いないんですか?モテそうなのに?」
金曜日は友達と会ってたって事かな?
「まあ、俺モテないし」
ははっ、と笑う。
「渡部さん、もしフリーだったらどお?」
「はぁ?フリーですけど、お断りされそうだからこの話は無かった事で~っ」
と会話から離脱する。
ホント断られたら気まずいでしょ。案外この仕事気に入ってるんだから、風波立てないでほしいなぁ。
その日の帰り、またまた青木さんと一緒になる。駅までの道のり、ちょっと気まずいなぁ。何話そうかなぁ?
「さっきの話し」
青木さんが切り出す。
「え?」
「渡部さん、彼いないの?」
「いないね~」
「作らないの?」
「うん、まあ。持病があって。よく体調崩すんだ。そうするとデートのドタキャンする事多くって。で、長続きしなくてね。何だか面倒くさくなって、1人の方が気が楽かなって」
「俺もね、足に持病があるんだけど。ま、持病は一生付き合って行くしかないからね~。持病仲間で、俺と付き合わない?俺、まだあんまり渡部さんの事知らないけど、ゆっくり知っていきたい。俺の事も知ってもらいたい。好きなんだ」
いつの間にか両肩をガッシリ捕まれ、真剣な眼差しで見つめられる。
「えっ、でも私の持病ちょっと厄介で」
「大丈夫、それごと受け入れる。俺と付き合って欲しい」
再度真剣に言われる。
「はい。お願いします」
緊張しながら答える。
「ありがと、ゆきの」
いきなり名前を呼ばれドキドキしていると、青木さんはゆっくり顔を近づけ軽く『チュッ』とキスしながら大きな掌で頭を撫で回すのだった。
0
お気に入りに追加
40
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
トリスタン
下菊みこと
恋愛
やべぇお話、ガチの閲覧注意。登場人物やべぇの揃ってます。なんでも許してくださる方だけどうぞ…。
彼は妻に別れを告げる決意をする。愛する人のお腹に、新しい命が宿っているから。一方妻は覚悟を決める。愛する我が子を取り戻す覚悟を。
小説家になろう様でも投稿しています。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
JC💋フェラ
山葵あいす
恋愛
森野 稚菜(もりの わかな)は、中学2年生になる14歳の女の子だ。家では姉夫婦が一緒に暮らしており、稚菜に甘い義兄の真雄(まさお)は、いつも彼女におねだりされるままお小遣いを渡していたのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる