69 / 71
第2部 私と貴方の婚約者生活
幕間 降誕祭 前編 (本編11話と12話の間)
しおりを挟む
「なんだかいつもより騒がしいですね?」
皇宮で働く侍女達が、数日前から何時もより忙しなく仕事をこなしている気がします。
すれ違う皇宮を警護する女騎士さん達も、どこかそわそわとしていて様子がおかしい。
その疑問に、侍女であるケイトが答えてくれた。
「ええ、みな降誕祭に浮き足立っているのですよ」
「降誕祭?」
降誕祭とは、トレイス正教会の崇める主神が生まれた日を祝う祭事の事である。
ちなみに降誕祭自体は、サマセット公爵家の領地でも行われています。
しかしサマセット公爵家で行われる降誕祭は、何というかその、ものすごく地味なんですよね。
この点に関しては、お父様が宗教侵略を防ぐために、わざとそうしているものだと思われます。
それなのに正教会側には、厳かにお祝いしているのですと原点回帰的な主張をしている
よって教会側からは敬虔な信徒だと思われているのだから、お父様はほんとうに人が悪い。
あの人畜無害そうな顔つきと優しい声色に一体、どれだけの人間がだまされているのか……。
「皇都の降誕祭は、どこの領地よりも派手だと言われていますね」
「へぇ」
そういえば、サマセット公爵領に居た同世代の女の子達も、こんな地味なのじゃなくて、皇都の降誕祭に行ってみたいと話していた気がします。
「それに皇都の降誕祭は、恋人達のお祭りとしても人気でございますから」
ケイト曰く、降誕祭では恋人と過ごし、お互いに贈り物を交換するのが最近の流行だとか。
降誕祭は家族で食事をするものとばかり思っていたのですが、どうやらこちらの流儀は違うようです。
「姫様は、坊っちゃまに何を贈られるのです?」
「えっ?」
私は自然と、斜め後ろに控えるエマへと視線を送る。
たとえ私が何も用意していなくとも、エマならきっと何かを用意してくれているはず……。
って、露骨にすぅっと視線を逸らしましたねエマ。
くっ、今の今までそんな事知らなかったのに、私が何かを用意してるわけがありません。
「えっ? じゃ、ありませんよ姫様、何か用意してあげないと坊っちゃまは絶対に拗ねますよ」
年の瀬なのにそれで仕事が滞って、私の足に縋り付いて泣きつくヘンリーお兄様の情けないお姿が、安易に想像できました。
家族の分と従者達の労いの分は例年の様に準備していたのですが、ウィルの分を早急にどうにかしなければならない様ですね。
「さてどうしたものでしょう……ウィルって何でも持っていそうですし、あの人に手に入らないものってあるのでしょうか……」
宝石類、装飾品、武器に鞍。
皇太子であるウィルの立場で手に入らない物が、私の立場で手に入るとは思えません。
「大丈夫ですよ姫様、坊っちゃまなら多分そこらに生えている雑草を摘んだとしても、姫様からの贈り物であれば大喜びですよ」
ケイト……。
流石にそこら辺に生えている雑草をウィルに贈るのはどうかと思いますよ。
それはあまりにも可哀想すぎます。
「もういっそのこと、エスター様自身をプレゼントなさればよろしいのでは?」
思わず飲んでいた紅茶を吹き出しそうになりました。
まったくエマは、油断も隙もありません。
「今すぐ大きな赤いリボンを用意しましょう」
エマのこの笑顔は、完全に楽しんでる時の顔です。
「エマ、それでは姫様も困惑しますよ」
さすがですケイト。
将来の侍従長になるエマを、ちゃんと教育してあげてくださいませ!
「いいですか姫様、初めての時は驚く事も多いでしょうが、恐ければ坊っちゃまにちゃんと言うんですよ」
ちっがーう!
そうじゃなくって!!
「それと、皇后様が坊ちゃんを出産した時も私が取り上げたんですよ。だから姫様もご安心してくださいね」
気が早いよ!
もうね、展開が全部が早い!!
「あわわわ……」
ほら! アマリアなんて顔を真っ赤にして!!
これはもう完全にセクハラ案件ですよ!
「まぁ、冗談はこれくらいにして……装飾品でも食べ物でもなんでもいいからご用意下さいませ」
もう! 本当に冗談が過ぎますよケイト。
まぁ、私はこういうケイトのノリの良いところ、嫌いではありませんけどね。
「うーん、改めて考えると色々と悩みますね」
ケイト曰く、当日はかなり豪華な料理が振舞われるようです。
この時点で私の中から食べ物は除外されました。
いっぱい食べた後、それも一流のシェフが作ったデザートの後に、自分の作ったお菓子を出すとかやっぱり気が引けます。
「やっぱり……」
「却下!」
諦めてくださいエマ。
その提案だけは絶対になしです。
だからその手にもったリボンを、今すぐどこかに置いてください。
「あの……」
隣にいたアマリアが口を開く。
どうやら先程の状況から、なんとか立ち直ったようです。
「手袋と揃いのマフラーはどうでしょう?」
おぉ、素晴らしい案です。
「まぁ、無難なところではありますね」
いやいやいや、無難でいいんですよ。
そんな悔しそうな顔してもダメですからねエマ。
あと何度もいいますが、その手に持った真っ赤なリボンはしまってくださいませ!
「いいですね、それでいきましょう」
私は有無も言わさず押し切った。
だってこのままじゃ、本当にリボンつけられて差し出されそうだもん。
「ちっ」
舌打ちしてもだめですよ、もう!
「それでは編み物の準備をお願いします」
そうと決まれば後は私が空いた時間で編み物をすれば良いだけです。
マフラーならそんなに時間もかからないでしょう。
「ところで降誕祭っていつでしたっけ?」
「今日ですよ?」
あれ? 聞き間違えかな?
私はもう一度ケイトに聞き返す。
「え? 今、なんて……」
「だから、今日です」
なんという事でしょう……。
地味な行事だと思っていたので、完全に気を抜いていました。
これでは今から編んだとして、絶対に間に合いません。
それどころか、贈り物だけに時間をかけている場合ではなくなりました。
降誕祭の規模が私の想定していたものより大きいのであるなら、それ以外の準備を整えなければなりません。
「申し訳ございません、降誕祭は例年の事なので、わかっているものだと思って特に連絡は……」
まぁ、そうですよね。
ただその内容に齟齬が生じているというだけの話です。
エマも知らなかったみたいですし、私も確認すべき案件だったのですが、どこかで気の緩みがあったのでしょう。
今回ばかりは仕方ありません。
反省は後日すれば良いだけです。
「わかりました、贈答品に関しては私に考えがあります」
こうなったら奥の手を使うしかありません。
子供の頃、お金がない時によくやっていた事ですが、これならばすぐに用意できます。
「エマ、紙とペンを用意してください」
「なにかとてつもなく嫌な予感が……殿下が胃を痛めなければよろしいのですが」
エマが何やらポツリと呟く。
「? 何かいいましたかエマ?」
「いいえ、すぐにご用意させていただきます、エスター様」
よし、これでウィルへの贈り物は問題ないとして……。
「ケイト、降誕祭の詳しい規模を教えてもらえるかしら?」
やはり私の思っていた通りでした。
降誕祭には食事会があるとは聞いていましたが、用意していたドレスではその規模に見合いません。
今から新たに仕立てる事は無理でしょう。
しかし私の立場では欠席する訳にもいかず、至急どうにかする必要があります。
「アマリア、今すぐヴェロニカに事情を説明して、真紅のドレスと人材を手配して貰ってください」
公爵家ともなれば大規模な公の場で、毎回同じドレスを着ていくわけにはいけません。
故にヴェロニカの所には、私がデザインしたドレスの幾つかをストックしています。
その中でも、真紅の艶やかなドレスであれば問題ないのではないかと考えました。
「ラタ、至急アマリアをヴェロニカの商会に運んでください」
竜騎士のラタが送り届ければ、移動でかなりの時間を省略する事が可能です。
「会食まであと半日ほど、みなで協力しなんとか間に合わせましょう」
さて、忙しくなってきましたね。
何とか食事会までに間に合えば良いのですが……。
皇宮で働く侍女達が、数日前から何時もより忙しなく仕事をこなしている気がします。
すれ違う皇宮を警護する女騎士さん達も、どこかそわそわとしていて様子がおかしい。
その疑問に、侍女であるケイトが答えてくれた。
「ええ、みな降誕祭に浮き足立っているのですよ」
「降誕祭?」
降誕祭とは、トレイス正教会の崇める主神が生まれた日を祝う祭事の事である。
ちなみに降誕祭自体は、サマセット公爵家の領地でも行われています。
しかしサマセット公爵家で行われる降誕祭は、何というかその、ものすごく地味なんですよね。
この点に関しては、お父様が宗教侵略を防ぐために、わざとそうしているものだと思われます。
それなのに正教会側には、厳かにお祝いしているのですと原点回帰的な主張をしている
よって教会側からは敬虔な信徒だと思われているのだから、お父様はほんとうに人が悪い。
あの人畜無害そうな顔つきと優しい声色に一体、どれだけの人間がだまされているのか……。
「皇都の降誕祭は、どこの領地よりも派手だと言われていますね」
「へぇ」
そういえば、サマセット公爵領に居た同世代の女の子達も、こんな地味なのじゃなくて、皇都の降誕祭に行ってみたいと話していた気がします。
「それに皇都の降誕祭は、恋人達のお祭りとしても人気でございますから」
ケイト曰く、降誕祭では恋人と過ごし、お互いに贈り物を交換するのが最近の流行だとか。
降誕祭は家族で食事をするものとばかり思っていたのですが、どうやらこちらの流儀は違うようです。
「姫様は、坊っちゃまに何を贈られるのです?」
「えっ?」
私は自然と、斜め後ろに控えるエマへと視線を送る。
たとえ私が何も用意していなくとも、エマならきっと何かを用意してくれているはず……。
って、露骨にすぅっと視線を逸らしましたねエマ。
くっ、今の今までそんな事知らなかったのに、私が何かを用意してるわけがありません。
「えっ? じゃ、ありませんよ姫様、何か用意してあげないと坊っちゃまは絶対に拗ねますよ」
年の瀬なのにそれで仕事が滞って、私の足に縋り付いて泣きつくヘンリーお兄様の情けないお姿が、安易に想像できました。
家族の分と従者達の労いの分は例年の様に準備していたのですが、ウィルの分を早急にどうにかしなければならない様ですね。
「さてどうしたものでしょう……ウィルって何でも持っていそうですし、あの人に手に入らないものってあるのでしょうか……」
宝石類、装飾品、武器に鞍。
皇太子であるウィルの立場で手に入らない物が、私の立場で手に入るとは思えません。
「大丈夫ですよ姫様、坊っちゃまなら多分そこらに生えている雑草を摘んだとしても、姫様からの贈り物であれば大喜びですよ」
ケイト……。
流石にそこら辺に生えている雑草をウィルに贈るのはどうかと思いますよ。
それはあまりにも可哀想すぎます。
「もういっそのこと、エスター様自身をプレゼントなさればよろしいのでは?」
思わず飲んでいた紅茶を吹き出しそうになりました。
まったくエマは、油断も隙もありません。
「今すぐ大きな赤いリボンを用意しましょう」
エマのこの笑顔は、完全に楽しんでる時の顔です。
「エマ、それでは姫様も困惑しますよ」
さすがですケイト。
将来の侍従長になるエマを、ちゃんと教育してあげてくださいませ!
「いいですか姫様、初めての時は驚く事も多いでしょうが、恐ければ坊っちゃまにちゃんと言うんですよ」
ちっがーう!
そうじゃなくって!!
「それと、皇后様が坊ちゃんを出産した時も私が取り上げたんですよ。だから姫様もご安心してくださいね」
気が早いよ!
もうね、展開が全部が早い!!
「あわわわ……」
ほら! アマリアなんて顔を真っ赤にして!!
これはもう完全にセクハラ案件ですよ!
「まぁ、冗談はこれくらいにして……装飾品でも食べ物でもなんでもいいからご用意下さいませ」
もう! 本当に冗談が過ぎますよケイト。
まぁ、私はこういうケイトのノリの良いところ、嫌いではありませんけどね。
「うーん、改めて考えると色々と悩みますね」
ケイト曰く、当日はかなり豪華な料理が振舞われるようです。
この時点で私の中から食べ物は除外されました。
いっぱい食べた後、それも一流のシェフが作ったデザートの後に、自分の作ったお菓子を出すとかやっぱり気が引けます。
「やっぱり……」
「却下!」
諦めてくださいエマ。
その提案だけは絶対になしです。
だからその手にもったリボンを、今すぐどこかに置いてください。
「あの……」
隣にいたアマリアが口を開く。
どうやら先程の状況から、なんとか立ち直ったようです。
「手袋と揃いのマフラーはどうでしょう?」
おぉ、素晴らしい案です。
「まぁ、無難なところではありますね」
いやいやいや、無難でいいんですよ。
そんな悔しそうな顔してもダメですからねエマ。
あと何度もいいますが、その手に持った真っ赤なリボンはしまってくださいませ!
「いいですね、それでいきましょう」
私は有無も言わさず押し切った。
だってこのままじゃ、本当にリボンつけられて差し出されそうだもん。
「ちっ」
舌打ちしてもだめですよ、もう!
「それでは編み物の準備をお願いします」
そうと決まれば後は私が空いた時間で編み物をすれば良いだけです。
マフラーならそんなに時間もかからないでしょう。
「ところで降誕祭っていつでしたっけ?」
「今日ですよ?」
あれ? 聞き間違えかな?
私はもう一度ケイトに聞き返す。
「え? 今、なんて……」
「だから、今日です」
なんという事でしょう……。
地味な行事だと思っていたので、完全に気を抜いていました。
これでは今から編んだとして、絶対に間に合いません。
それどころか、贈り物だけに時間をかけている場合ではなくなりました。
降誕祭の規模が私の想定していたものより大きいのであるなら、それ以外の準備を整えなければなりません。
「申し訳ございません、降誕祭は例年の事なので、わかっているものだと思って特に連絡は……」
まぁ、そうですよね。
ただその内容に齟齬が生じているというだけの話です。
エマも知らなかったみたいですし、私も確認すべき案件だったのですが、どこかで気の緩みがあったのでしょう。
今回ばかりは仕方ありません。
反省は後日すれば良いだけです。
「わかりました、贈答品に関しては私に考えがあります」
こうなったら奥の手を使うしかありません。
子供の頃、お金がない時によくやっていた事ですが、これならばすぐに用意できます。
「エマ、紙とペンを用意してください」
「なにかとてつもなく嫌な予感が……殿下が胃を痛めなければよろしいのですが」
エマが何やらポツリと呟く。
「? 何かいいましたかエマ?」
「いいえ、すぐにご用意させていただきます、エスター様」
よし、これでウィルへの贈り物は問題ないとして……。
「ケイト、降誕祭の詳しい規模を教えてもらえるかしら?」
やはり私の思っていた通りでした。
降誕祭には食事会があるとは聞いていましたが、用意していたドレスではその規模に見合いません。
今から新たに仕立てる事は無理でしょう。
しかし私の立場では欠席する訳にもいかず、至急どうにかする必要があります。
「アマリア、今すぐヴェロニカに事情を説明して、真紅のドレスと人材を手配して貰ってください」
公爵家ともなれば大規模な公の場で、毎回同じドレスを着ていくわけにはいけません。
故にヴェロニカの所には、私がデザインしたドレスの幾つかをストックしています。
その中でも、真紅の艶やかなドレスであれば問題ないのではないかと考えました。
「ラタ、至急アマリアをヴェロニカの商会に運んでください」
竜騎士のラタが送り届ければ、移動でかなりの時間を省略する事が可能です。
「会食まであと半日ほど、みなで協力しなんとか間に合わせましょう」
さて、忙しくなってきましたね。
何とか食事会までに間に合えば良いのですが……。
0
お気に入りに追加
173
あなたにおすすめの小説
行き遅れにされた女騎士団長はやんごとなきお方に愛される
めもぐあい
恋愛
「ババアは、早く辞めたらいいのにな。辞めれる要素がないから無理か? ギャハハ」
ーーおーい。しっかり本人に聞こえてますからねー。今度の遠征の時、覚えてろよ!!
テレーズ・リヴィエ、31歳。騎士団の第4師団長で、テイム担当の魔物の騎士。
『テレーズを陰日向になって守る会』なる組織を、他の師団長達が作っていたらしく、お陰で恋愛経験0。
新人訓練に潜入していた、王弟のマクシムに外堀を埋められ、いつの間にか女性騎士団の団長に祭り上げられ、マクシムとは公認の仲に。
アラサー女騎士が、いつの間にかやんごとなきお方に愛されている話。
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
そんな事言われても・・・女になっちゃったし
れぷ
恋愛
風見晴風(はるか)は高校最後の夏休みにTS病に罹り女の子になってしまった。
TS病の発症例はごく僅かだが、その特異性から認知度は高かった。
なので晴風は無事女性として社会に受け入れられた。のは良いのだが
疎遠になっていた幼馴染やら初恋だったけど振られた相手などが今更現れて晴風の方が良かったと元カレの愚痴を言いにやってくる。
今更晴風を彼氏にしたかったと言われても手遅れです?
全4話の短編です。毎日昼12時に予約投稿しております。
*****
この作品は思い付きでパパッと短時間で書いたので、誤字脱字や設定の食い違いがあるかもしれません。
修正箇所があればコメントいただけるとさいわいです。
溺愛されて育った夫が幼馴染と不倫してるのが分かり愛情がなくなる。さらに相手は妊娠したらしい。
window
恋愛
大恋愛の末に結婚したフレディ王太子殿下とジェシカ公爵令嬢だったがフレディ殿下が幼馴染のマリア伯爵令嬢と不倫をしました。結婚1年目で子供はまだいない。
夫婦の愛をつないできた絆には亀裂が生じるがお互いの両親の説得もあり離婚を思いとどまったジェシカ。しかし元の仲の良い夫婦に戻ることはできないと確信している。
そんな時相手のマリア令嬢が妊娠したことが分かり頭を悩ませていた。
どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。
無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。
彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。
ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。
居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。
こんな旦那様、いりません!
誰か、私の旦那様を貰って下さい……。
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる