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第2部 私と貴方の婚約者生活
第19話 化物を1人見たら同様の化物が30人はいると思え。
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ベッドフォード公爵襲撃事件。
そして大陸間列車爆破事件。
そのどちらも失敗した俺たちにもう後はなかった。
だからこそ今回の作戦を失敗するわけにはいかない。
不退転の決意で作戦に臨んだ俺たちの部隊は、今まさに苦戦していた。
「イスマイル隊長、前にいる2人が強くてこれ以上は進めません」
後退してきた部下の1人が俺に耳打ちする。
後部車両から侵入した俺たちは最初の頃は押していたものの、途中から相手の加勢に加わった2人の人物に苦労していた。
「くそっ、さすがは皇族付きの護衛騎士か」
人数はこちらの方が多いが、一本道の車両の中ではその利点を生かせない。
1対1であれば対人最強を誇る帝国の近衛、その中でも皇族を守る護衛騎士に勝つのは困難である。
2人いるうちの1人は、俺たちが一度誘拐したあのお嬢さんの護衛騎士だろう。
そして女騎士のサポートに回るもう1人の騎士、ローレンスの恐ろしさを俺は良く知っている。
「よりにもよって、アイツがこちらにきたか……」
ローレンスは俺が知る限り最強の男だ。
12歳の時に、たった1人で暴走した竜の上位種を屠った化け物。
そのドラゴンの首は、今も皇都の冒険者ギルドの壁にかけられている。
元々孤児だったアイツは、その功績が元で貴族の養子になり、ついには騎士でも最大の名誉と呼ばれる護衛騎士にまで取り立てられた。
どうやってドラゴンの首を落としたのかまではわからないが、俺は皇都でアレを見るたび、自分と同じ世代にあんな奴がいるのかと良く歯ぎしりしたものである。
「いいか、距離をとって時間を稼げ、相手を倒す必要ない」
今回この列車に乗っている騎士達のリストは全て把握している。
その中でも警戒しなければならないのは、ローレンス、ウィルフレッド、ヘンリーの3人だけだ。
ウィルフレッドは目論見通り空で苦戦し、ヘンリーは外で騎馬隊の対応に当たっている。
そしてローレンスがこちらに引きつけられたという事は、皇太子を守る部隊は大分手薄になったはずだ。
ならばこちらは最低限の目標くらいは達成できたはず。
あとは先頭から侵入していった部隊が、目的地までたどり着けば良い。
「とにかく、できるだけ時間を稼ぐんだ!」
俺は自分の部下達に発破をかける。
もうこれ以上の敗北も、後退することも俺たちには許されていない。
せめてこいつらだけでも、ここに縛り付けて見せる!
◇
1台分の車両を挟み、私達は今まさに膠着状態へと陥っている。
列車の内部へと侵入してきた部隊は接近戦をやめ、車両の奥でバリケードを築いて籠城戦を行なっている真っ最中だ。
この列車に使われた素材には魔法耐性があるものの、列車内部の綺麗な装飾が施された壁は、奴らの放った飛び道具のせいでもうボロボロである。
「くっ、あいつらめ、ここをどこだと思っている! 何と不敬な!!」
目の前の美しい女性が怒りに声を荒げる。
今は騎士の身なりをしているが、歴氏としたマールバラ公爵家の令嬢だ。
過去に何度か夜会で見かけた事があるが、不服そうな顔をしてドレスを着ていたのをよく覚えている。
「ティベリア卿、どうやら敵は我らを足止めする事に作戦を切り替えたようだ」
対峙する敵の指揮官は、おそらくその間に他のどこかの部隊が戦線を抜ければと考えているのだろう。
どうせ膠着状態なら、このまま一旦殿下の元まで引くか……?
いや……我らがここを下がれば、相手もそれに合わせてまた進軍してくるだろうし、それでは堂々巡りだ。
外に出て回り込む事も考えたが、扉から外に出たとしても相手の射線が通っている事に変わりはない。
逆に屋根をぶち破っても同じ、どちらも外に出た直後にはもう狙われるだろう。
私は床に設置された蓋状の扉に目をやる。
点検用の扉を使って車両の下からいく手段もあるが……これは、相手も警戒しているだろう。
「ローレンス卿、私が突っ込みますのでサポートをお願いします」
私は咄嗟にティベリア卿の肩を掴む。
許可なく女性の肩を掴むなど失礼な事であるが、今回ばかりは許されるだろう。
なぜならば私がほんの少しでも肩を掴むのが遅ければ、ティベリア卿はそのまま突撃していた可能性が高かったからだ。
「待ってくださいティベリア卿、私に考えがあります」
この方法もどうかと思うが、考えなしにティベリア卿が突っ込むより幾分かはマシだ。
私はティベリア卿や他の兵士たちに、作戦の内容を説明する。
「わかりました、ローレンス卿のアレが見られるとは、楽しみにしていますよ」
ティベリア卿は、くったくのない笑顔を見せる。
ああ、その顔が夜会でできていれば、誰もこの人を残念令嬢の二つ名で呼んだりはしないだろうな。
父親であるマールバラ公爵が、娘が長男だったらどんなに楽だった事か、とよく愚痴をこぼしていたのを思い出した。
「では、よろしく頼みますよ、皆さん」
剣の柄に手をかけた私は、全魔力を集中させる。
生まれながらにして私には膨大な魔力があったようだが、孤児であったために幼少期にそれを使う術を学ぶことができなかった。
故に高度な魔法を身につける事は叶わなかったが、それ以外でもこの膨大な魔力を活かす術はある。
幼少期、暴走したドラゴンに殺されかけた時、私の命を繋ぎとめたこの力であれば……。
「……行くぞ」
私は敵の正面に飛び出ると、その勢いで振りかぶった剣を力一杯振り下ろした。
たとえこの列車に使われた素材に魔法耐性があったとしても、私の魔力はそれすらも打ち砕いて見せる。
そうでなければ、私がここに居る意味はないのだ!
「は!?」
敵の呆気に取られた声が聞こえる。
今更気がついた所でもう遅い。
次の瞬間、私の放った一撃が敵のいる所まで左右に車両を割る。
その衝撃で天井と床に使われた建材が吹き飛び、彼らの足場を崩落させていく。
ただの力任せの一撃、しかし、このドラゴンの首をも切り落とす一撃必殺を持って私は今の地位まで上り詰めたのだ。
「流石です、ローレンス卿!」
私の背後から飛び出たティベリア卿は、空を足場にして空中を駆ける。
髪を靡かせ嬉々として舞うその姿は、まるでダンスを踊っているようだ。
「くそっ、ちょこまかと動きやがって!!」
ティベリア卿とは同じ近衛として幾度か手合わせした事があるが、彼女の攻撃の鋭さは近衛の中でも上位だ。
男女のリーチの差をカバーするために、相手の攻撃に合わせて前に踏み込むその度胸は男であっても惚れ惚れするほどである。
更には、踏み込みと同時に相手の攻撃を回避しつつ懐に潜り込み、一撃で仕留めるその技量。
ああ、本当に帝国の近衛というのは化け物揃いで退屈しないな。
「どうした賊どもよ! 私もいるぞ!!」
声を張り上げ、私も最前線へと加わる。
既に勝負が決していた事もあり、私たちはあっけなく敵の指揮官を追い詰めた。
「観念しろ! さぁ、目的を吐け!!」
ティベリア卿は手に持っていた剣を、敵の指揮官の喉元へと当てがう。
敵が素直に目的を吐くとは思えないが、これで後部車両の問題はどうにかすることができた。
一旦、殿下のところに戻るか……私はチラリとヘンリーの方を確認する。
だいぶ押されているな……どちらか1人はヘンリーの方を手伝いに行った方がいいか?
次の行動の判断をどうすべきか考えていると、後ろから大きな爆発音が聞こえてきた。
「なっ!?」
ティベリア卿と私が後ろに振り向くと、殿下とエスター様の乗っている車両から煙が上がっていた。
今すぐにでも、殿下の元へ駆けつけなければ!
「ローレンス卿!」
ティベリア卿の声にハッとした私は、視野と感覚が狭まっていた事に気がつく。
彼女の掛け声のおかげで、私は周囲の状況を把握する事が出来た。
「捨て身の攻撃だと!?」
上空で戦闘していた竜達が急降下し、ヘンリー達と争っていた騎馬隊はこちらに向かって突撃してくる。
後ろからウィルフレッドやヘンリー達が追撃するも、敵はそれすらも気にせず一心不乱にこちらに向かってきた。
「くそっ、ここで足止めされるわけには!!」
もう爆発が起こってからどれくらいの時間が過ぎただろう。
一刻も早く殿下の元へと駆けつけねばならないのに。
せめて、せめてだれか1人、私はティベリア卿の方へと視線を向ける。
「ティベリア卿、外の連中は私が食い止める! 貴女は殿下達の元へ!!」
「了解したローレンス卿! どうかご無事で!!」
こんなところで殿下やエスター様を失うわけにはいかない。
俺は偶然にも孤児から抜け出る事が出来たが、そうじゃない子供達はいっぱいいる。
行き詰まった帝国のこの状況を、あの2人なら変えてくれるかもしれない。
殿下は私の出自に関係なく、私を護衛騎士へと取り立ててくれた。
そしてエスター様ならきっと殿下の望む方向に導いてくれると、彼女の演説を聞いた俺はそう思ったのである。
だからこそ、こんなところで2人になにかがあってはいけないのだ!
私は魔力を込めた一撃を、目の前から迫り来る騎馬隊や、空から落ちてきたドラゴンへと放つ。
来るならば来い蛮族ども! お前達の好きなようにはさせんぞ!!
そして大陸間列車爆破事件。
そのどちらも失敗した俺たちにもう後はなかった。
だからこそ今回の作戦を失敗するわけにはいかない。
不退転の決意で作戦に臨んだ俺たちの部隊は、今まさに苦戦していた。
「イスマイル隊長、前にいる2人が強くてこれ以上は進めません」
後退してきた部下の1人が俺に耳打ちする。
後部車両から侵入した俺たちは最初の頃は押していたものの、途中から相手の加勢に加わった2人の人物に苦労していた。
「くそっ、さすがは皇族付きの護衛騎士か」
人数はこちらの方が多いが、一本道の車両の中ではその利点を生かせない。
1対1であれば対人最強を誇る帝国の近衛、その中でも皇族を守る護衛騎士に勝つのは困難である。
2人いるうちの1人は、俺たちが一度誘拐したあのお嬢さんの護衛騎士だろう。
そして女騎士のサポートに回るもう1人の騎士、ローレンスの恐ろしさを俺は良く知っている。
「よりにもよって、アイツがこちらにきたか……」
ローレンスは俺が知る限り最強の男だ。
12歳の時に、たった1人で暴走した竜の上位種を屠った化け物。
そのドラゴンの首は、今も皇都の冒険者ギルドの壁にかけられている。
元々孤児だったアイツは、その功績が元で貴族の養子になり、ついには騎士でも最大の名誉と呼ばれる護衛騎士にまで取り立てられた。
どうやってドラゴンの首を落としたのかまではわからないが、俺は皇都でアレを見るたび、自分と同じ世代にあんな奴がいるのかと良く歯ぎしりしたものである。
「いいか、距離をとって時間を稼げ、相手を倒す必要ない」
今回この列車に乗っている騎士達のリストは全て把握している。
その中でも警戒しなければならないのは、ローレンス、ウィルフレッド、ヘンリーの3人だけだ。
ウィルフレッドは目論見通り空で苦戦し、ヘンリーは外で騎馬隊の対応に当たっている。
そしてローレンスがこちらに引きつけられたという事は、皇太子を守る部隊は大分手薄になったはずだ。
ならばこちらは最低限の目標くらいは達成できたはず。
あとは先頭から侵入していった部隊が、目的地までたどり着けば良い。
「とにかく、できるだけ時間を稼ぐんだ!」
俺は自分の部下達に発破をかける。
もうこれ以上の敗北も、後退することも俺たちには許されていない。
せめてこいつらだけでも、ここに縛り付けて見せる!
◇
1台分の車両を挟み、私達は今まさに膠着状態へと陥っている。
列車の内部へと侵入してきた部隊は接近戦をやめ、車両の奥でバリケードを築いて籠城戦を行なっている真っ最中だ。
この列車に使われた素材には魔法耐性があるものの、列車内部の綺麗な装飾が施された壁は、奴らの放った飛び道具のせいでもうボロボロである。
「くっ、あいつらめ、ここをどこだと思っている! 何と不敬な!!」
目の前の美しい女性が怒りに声を荒げる。
今は騎士の身なりをしているが、歴氏としたマールバラ公爵家の令嬢だ。
過去に何度か夜会で見かけた事があるが、不服そうな顔をしてドレスを着ていたのをよく覚えている。
「ティベリア卿、どうやら敵は我らを足止めする事に作戦を切り替えたようだ」
対峙する敵の指揮官は、おそらくその間に他のどこかの部隊が戦線を抜ければと考えているのだろう。
どうせ膠着状態なら、このまま一旦殿下の元まで引くか……?
いや……我らがここを下がれば、相手もそれに合わせてまた進軍してくるだろうし、それでは堂々巡りだ。
外に出て回り込む事も考えたが、扉から外に出たとしても相手の射線が通っている事に変わりはない。
逆に屋根をぶち破っても同じ、どちらも外に出た直後にはもう狙われるだろう。
私は床に設置された蓋状の扉に目をやる。
点検用の扉を使って車両の下からいく手段もあるが……これは、相手も警戒しているだろう。
「ローレンス卿、私が突っ込みますのでサポートをお願いします」
私は咄嗟にティベリア卿の肩を掴む。
許可なく女性の肩を掴むなど失礼な事であるが、今回ばかりは許されるだろう。
なぜならば私がほんの少しでも肩を掴むのが遅ければ、ティベリア卿はそのまま突撃していた可能性が高かったからだ。
「待ってくださいティベリア卿、私に考えがあります」
この方法もどうかと思うが、考えなしにティベリア卿が突っ込むより幾分かはマシだ。
私はティベリア卿や他の兵士たちに、作戦の内容を説明する。
「わかりました、ローレンス卿のアレが見られるとは、楽しみにしていますよ」
ティベリア卿は、くったくのない笑顔を見せる。
ああ、その顔が夜会でできていれば、誰もこの人を残念令嬢の二つ名で呼んだりはしないだろうな。
父親であるマールバラ公爵が、娘が長男だったらどんなに楽だった事か、とよく愚痴をこぼしていたのを思い出した。
「では、よろしく頼みますよ、皆さん」
剣の柄に手をかけた私は、全魔力を集中させる。
生まれながらにして私には膨大な魔力があったようだが、孤児であったために幼少期にそれを使う術を学ぶことができなかった。
故に高度な魔法を身につける事は叶わなかったが、それ以外でもこの膨大な魔力を活かす術はある。
幼少期、暴走したドラゴンに殺されかけた時、私の命を繋ぎとめたこの力であれば……。
「……行くぞ」
私は敵の正面に飛び出ると、その勢いで振りかぶった剣を力一杯振り下ろした。
たとえこの列車に使われた素材に魔法耐性があったとしても、私の魔力はそれすらも打ち砕いて見せる。
そうでなければ、私がここに居る意味はないのだ!
「は!?」
敵の呆気に取られた声が聞こえる。
今更気がついた所でもう遅い。
次の瞬間、私の放った一撃が敵のいる所まで左右に車両を割る。
その衝撃で天井と床に使われた建材が吹き飛び、彼らの足場を崩落させていく。
ただの力任せの一撃、しかし、このドラゴンの首をも切り落とす一撃必殺を持って私は今の地位まで上り詰めたのだ。
「流石です、ローレンス卿!」
私の背後から飛び出たティベリア卿は、空を足場にして空中を駆ける。
髪を靡かせ嬉々として舞うその姿は、まるでダンスを踊っているようだ。
「くそっ、ちょこまかと動きやがって!!」
ティベリア卿とは同じ近衛として幾度か手合わせした事があるが、彼女の攻撃の鋭さは近衛の中でも上位だ。
男女のリーチの差をカバーするために、相手の攻撃に合わせて前に踏み込むその度胸は男であっても惚れ惚れするほどである。
更には、踏み込みと同時に相手の攻撃を回避しつつ懐に潜り込み、一撃で仕留めるその技量。
ああ、本当に帝国の近衛というのは化け物揃いで退屈しないな。
「どうした賊どもよ! 私もいるぞ!!」
声を張り上げ、私も最前線へと加わる。
既に勝負が決していた事もあり、私たちはあっけなく敵の指揮官を追い詰めた。
「観念しろ! さぁ、目的を吐け!!」
ティベリア卿は手に持っていた剣を、敵の指揮官の喉元へと当てがう。
敵が素直に目的を吐くとは思えないが、これで後部車両の問題はどうにかすることができた。
一旦、殿下のところに戻るか……私はチラリとヘンリーの方を確認する。
だいぶ押されているな……どちらか1人はヘンリーの方を手伝いに行った方がいいか?
次の行動の判断をどうすべきか考えていると、後ろから大きな爆発音が聞こえてきた。
「なっ!?」
ティベリア卿と私が後ろに振り向くと、殿下とエスター様の乗っている車両から煙が上がっていた。
今すぐにでも、殿下の元へ駆けつけなければ!
「ローレンス卿!」
ティベリア卿の声にハッとした私は、視野と感覚が狭まっていた事に気がつく。
彼女の掛け声のおかげで、私は周囲の状況を把握する事が出来た。
「捨て身の攻撃だと!?」
上空で戦闘していた竜達が急降下し、ヘンリー達と争っていた騎馬隊はこちらに向かって突撃してくる。
後ろからウィルフレッドやヘンリー達が追撃するも、敵はそれすらも気にせず一心不乱にこちらに向かってきた。
「くそっ、ここで足止めされるわけには!!」
もう爆発が起こってからどれくらいの時間が過ぎただろう。
一刻も早く殿下の元へと駆けつけねばならないのに。
せめて、せめてだれか1人、私はティベリア卿の方へと視線を向ける。
「ティベリア卿、外の連中は私が食い止める! 貴女は殿下達の元へ!!」
「了解したローレンス卿! どうかご無事で!!」
こんなところで殿下やエスター様を失うわけにはいかない。
俺は偶然にも孤児から抜け出る事が出来たが、そうじゃない子供達はいっぱいいる。
行き詰まった帝国のこの状況を、あの2人なら変えてくれるかもしれない。
殿下は私の出自に関係なく、私を護衛騎士へと取り立ててくれた。
そしてエスター様ならきっと殿下の望む方向に導いてくれると、彼女の演説を聞いた俺はそう思ったのである。
だからこそ、こんなところで2人になにかがあってはいけないのだ!
私は魔力を込めた一撃を、目の前から迫り来る騎馬隊や、空から落ちてきたドラゴンへと放つ。
来るならば来い蛮族ども! お前達の好きなようにはさせんぞ!!
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