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番外編まとめ
お年玉企画【番外編】:雪まつり5
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すみません!
余裕だと思って時間設定してましたが、寝落ち……中途半端な状態で更新されてしまいました。
読んでしまった方申し訳ありません。
--------キリトリ線--------
次に私達がやってきたのはスケート場。
大人用、子供用、ファミリー用とリンクが分かれていて、さらに午後の村別対抗試合のためのリンクまであるらしい。
スキーやスノボの方が人気があるのか、ここは比較的空いていた。
ショートスキーもスノボも怖がっていたのに、意外にもアチャは平気らしい。いや……むしろ私より上手いくらい。
「これなら大丈夫そうです!」なんてニコニコだ。
私はスノボもそうだけど止まるのが苦手。日本にあった屋内スケート場では壁にぶつかって止まるタイプ。つまり、壁がなければ自然に失速しない限り止まれない。
私以外のメンバーは十分もすれば慣れたみたいで、スイスイと滑っている。
え……運動神経よすぎません? 日本で滑ったことがある分、私が一番スケート靴に馴染みがあるハズなんだけど……
〈セナー。これは滑るだけなのか? さっきのスノーボードってやつの方が面白かったぞ〉
「あぁ、スリルはないもんね……うんとね、スケートはジャンプ、ステップ、スピンって技があって……」
ジャンプが六種類あることは知っているけど……踏み込むのが右足か左足か、エッジかトゥかで変わるジャンプはどれがどれだかわからない。前向きで踏み込むのがアクセルってことだけはわかるんだけどね。
ジィジに黒子役をしてもらって、こんな感じと見せながら説明したものの、グレンのやる気はそこまで上がらなかった。
「あとね、ペアでできるのもあるんだよ。息を合わせて同じ行動するのが基本で、片方の人が片方を持ち上げたりするリフトとか、片方がもう片方を投げるスロージャンプとか……あ! あと前にグレンがネラース達にジャイアントスイングやってたじゃん? あんな感じの技もあるよ」
〈じゃいあん?〉
「ジャイアントスイングね。あれはプロレスの技だから別物だし、足じゃなくて手を握るんだけど……んとね、ジィジが私とペアだとするでしょ? ジィジが支える側で……」
細かい技名がわからない私はテレビ中継で見たのを見よう見まねで四苦八苦しながら説明していく。
「アクロバティックだからグレンはこっちの方がいいかもだね」
〈ほう!〉
「ジルとならペアもできると思うよ」
うん。個々の能力は申し分なくても、ジル以外はグレンと合わせるのが難しいだろうからね。
地球では男女のペアだったけど、別に男女に限らなくてもいいでしょう。異世界だし、お遊びだし!
念の為にジルがケガをしないように精霊達に補助をお願いしておいた。
ジィジと天狐はもちろん、スタルティとアチャもスピンや二回転ジャンプなんかはすぐに習得。
最早、ただ運動神経がいいだけでは片付けられない末恐ろしさを感じる。
いくらなんでもチートすぎるでしょ……私よりチートじゃない? いつの間にかこのリンクに私達しかいないし……
一通りできるようになれば満足みたいで、天狐に休憩に誘われた。
ジィジとスタルティはまだまだ滑るとのことで、女三人でティータイム。
薬草茶を飲むと胃から細胞に染み込む感じがする。自分が考えていたより体が冷えてたみたい。
「はわぁ……生き返る……これあっちの雪族のおばあちゃんのだよね?」
「そうそう。朝行ったときに〝セナちゃんに〟って渡されたのよ。それにしてもこれ結構体力使うのねぇ」
「そうですね。明日は筋肉痛になりそうです」
「そういえば、温かいお風呂に入った後冷たい水に浸かるを繰り返すと筋肉痛が緩和するらしいよ」
「あら、そうなの?」
「うん。温冷入浴法だったか、交代浴だったか忘れちゃったけど、血管が拡張と収縮を繰り返すから血行がよくなって、結果的に筋肉痛が和らぐんだって」
完全にテレビの受け売りだけど、天狐とアチャは「よくわからないけど、そうなのねぇ」なんて感心している。
スポーツ選手がトレーニングの一環としてやってるって言ってたから、悪いようにはならないでしょう。
最悪、チートなリンゴポーション飲めば無問題よ!
三人で話に盛り上がっていたら、「おぉー!」と歓声が聞こえきた。
なんだなんだとそちらに顔を向ければ、グレンとジルが揃って四回転ジャンプをしたところだった。しかもアクセル。
グレンとジルはその後もペアコンビネーションスピンや、スロージャンプ、ツイストリフトなど……説明したものからしていないものまでやってのけていた。
〈セナ! 見てたか!?〉
「う、うん。そんなにすぐできるなんてすごいね」
〈うむ! ウェヌスがいい働きをしている〉
「……なるほど」
補助のおかげもあるとは思うものの、グレンとジル本来の運動神経が多大に影響しているんだろうね。
実際、スタルティは三回転が限界みたいだし……どの道プロスケーター泣かせなのは間違いない。
◇
お昼の時間になり、私達はおばさん達が待っている屋台エリアへ。
戻った私達の目に飛び込んできたのは、用意していた服が全てスッカラカンになった屋台だった。
「「あら! おかえりなさい!」」
「ただいま。えっと……この状況は?」
「それがねぇ、すごいのよ! しばらくは誰も近付いても来なかったのに、三時間くらい経った頃かしら? どんどん人が集まったの!」
「飛ぶように全部売れたのよぉ! セナちゃんのおかげね!」
「私? 私は何もしてないから、可愛さが伝わったんだと思うよ?」
「セナちゃんったら、何言ってるのよぉ。セナちゃんが何かすごいことしたんでしょぉ?」
「買いに来た子が言ってたのわよぉ。『鳥さんみたいなあの子と同じのがいい』って。模様が違うのしかなくて残念がってたけど、子供用の服を一式買ってたわ」
「マジか……」
「他にも『雪の妖精のようなあの子と同じ服をお土産に買って帰りたい』って人もいたわ。おかげで子供服が一番早く売り切れたの」
「マジか……」
〝鳥さん〟なんて言うのは私が事故りそうになったあの女の子しかいない。
おばさん達の話では私だけではなく、グレンやジルを見て買いに来た人もいるらしい。
まぁ、本来の動くマネキンの任務を全うしたと思おう。気にしたら負けだ!
おばさん達が村で作ってきてくれた薬草スープとパンでおなかを満たしたら、本日のメインである雪の運動会(雪まつり)!
ワクワクしながら、ショートスキーエリアへ向かった。
◇
私達が着いたときにはすでに対抗試合は始まっていたようで、滑り降りてきていた。
所属村が分かりやすいように上着は深緑と濃紫の色別。さらにその上着にはゼッケンのように自分の名前が刺繍してあった。
投票用紙には各種目ナンバーワンと思う人物の名前と、村(色)を書くらしいから理にかなってはいるね。
ちょっとダサいと思ったのは内緒にしておこう。
かなりの人が集まっていて、誰かが滑り降りる度に歓声が上がっている。
ぶっちゃけ、グレンとジルが滑っていたときの方がスピードがあるし……身内の欲目のせいか、二人の方が華があるように感じる。
それは天狐やスタルティも同じみたいで、全員を見終わる前にちょうど滑っていた年長君の名前を書いていた。
ショートスキーの試合が終わったら、早々にスケートエリアへ。
ここは人が溢れて見えないので、私は天狐に、ジルはグレンに、スタルティはジィジに抱えてもらった。
自信溢れる表情で滑り始めた隣村の青年を見たスタルティは「グレンとジルベルトの方が上手いな……」と呟いていた。
(グレンもジルも運動お化けだから比べないであげて!)
青年の次にリンクに上がったのは一緒に遊んでいた女の子。
ジャンプは一回転でもステップにキレがあるし、スピンは軸がブレていない。
何よりすごく楽しそうに滑っている姿は、観ているこちらも笑顔になる。
スケートの投票はこの子にしよう!
最後は一番楽しみだったスノボ。
ここでは私達が来るのを待ち構えいたギャイオさんにより、特等席である真正面に案内された。
今回の雪まつりの要因となったスノボは両村共、自信アリアリ。
ショートスキーやスケートより盛り上がるに違いない。
「あ! セナちゃん! 見に来てくれたんだね!」
「うん!」
「いっぱい練習したから楽しみにしてて! おれ、最後だから!」
「うん! でもケガしないでね」
私に声をかけたギャチョー君は「大丈夫!」とグッと拳を握って昇降機へ向かって行った。
「セナ、今の子は?」
「前に話してたギャチョー君、村長の息子だよ。多分この村の中では一番上手いと思う」
「なるほど。それは楽しみだな」
〈セナ、始まるぞ〉
グレンに言われてスタルティもゲレンデに視線を向ける。
試合用のコースは二つあり、左がこの村用、右が隣村用らしい。
同時に滑り降りた両村の少年少女はジャンプ台でそれぞれの技を披露する。
「おぉ!」
一緒に遊んでいたメンバーの一人だった少年は以前よりも高く跳んで、隣りのコースを滑る少女との腕の違いを見せつけた。
滑り降りた少年は私に気が付いたものの、すぐに次の走者が滑り出していたため、手を振るだけだった。
回転が早いと言えばいいのか、次々に降りてきて技をキメていく。
何人かは着地に失敗していたものの、動けない人や骨折しちゃった人がいないのが幸いだね。
この村の人もそうだけど、隣村の住民も上手い。
ひと月前まではスノボなんて知らなかったハズなのに……
技が披露される度に歓声や拍手があり、会場はどんどん盛り上がっている。
「あ! ギャチョー君だ!」
スタート地点に経った彼は私達に向けて手を振った後、少し間を置いて滑り出した。
それからすぐ、私は驚きに目を見開くことになった。
ジャンプ台で技を見せるだけだと思ってたのに、なんとギャチョー君はクルクルと左右にスピンしながら降りてきたんだよ!
ちゃんと軌道がズレないように調整もしているみたいで、危なそうな様子はない。
そんなギャチョー君はジャンプ台でもしっかりと板を掴んで上下に三回転。さらにオマケと言わんばかりに体を伸ばしスピンまでした。
固唾を呑んで見守っていた観客は無事に着地をした瞬間――ドッと沸いた。
「セナちゃん! 見てた!?」
「見てた! 見てた! すごい! すごいよ、ギャチョー君!」
「へへっ」
私達がまともに会話できたのはそこまで。
テンションの上がった観客達が次々にギャチョー君に話しかけ始め、押し合い圧し合いに。
混乱を避けるようにギャチョー君はギャイオさんに呼ばれて行き、私達は揉みくちゃにされつつ避難することになった。
◇
おばさん達はインスピレーションが湧いたそうで新しい服を作るわと、ジィジは泊まると気を遣わせると言って、三人は一足先に天狐が送って行った。
他のメンバーは今日はギャイオさん家にお泊まりだ。
明日は集計した結果発表があるんだって。今日の午前中と同じように各エリアを解放するらしい。
日も落ちて辺りが暗闇に包まれた頃、私とジルとスタルティの三人は買い物エリアでライトアップされた雪像を眺めていた。
会場をこの村の周辺に作る代わりに、観光客の宿泊先は隣村、もしくは他の村。
そのため、すでに観光客はいなくなり、静けさが戻ってきている。
宵闇に優しい光で照らされた雪像はどこか切なくも美しい。
その光景に魅入っていた私がクシャミをすると、有無を言わさずジルとスタルティに村長宅に強制連行された。
「もっと見てたかった……」
「お風邪を召してしまいます」
「そうだ。セナは寒さに慣れてないだろう」
「大丈夫なのに……」
〈おかえり〉
「ただいま……って暑くないの?」
〈いや、丁度いい〉
薪ストーブに張り付くように前を陣取っているグレンは一番上の上着は脱いでいるものの、中に着込んでいた服はそのまま。
我慢できなくはなかったけど、昼間も寒かったは寒かったらしい。
ご飯を食べ終わると、ギャイオさんと隣村の村長は集計をするとリビングを出て行った。
しばらくして戻ってきたギャイオさんは私を見た途端にため息をついた。
「え……何? 何かあったの?」
「ありまくりだよ。半数以上お前達の名前が書いてあるんだぞ?」
「……は?」
意味がわからない私にギャイオさんは一度部屋に戻り、分厚い紙束を持ってきた。
ピラピラとめくれば、確かに私の名前も書かれていて、中には似顔絵が描かれているものもあった。
「こっちはグレンで、コッチがジルベルトだ」
「え……いや、なんで?」
「昼前にお前達が滑ってたのを見たんだろう。監視員やってた村のやつが『あの子の名前は?』って聞かれたって言ってたからな」
「あぁ……」
なるほど。午前中の目撃者ってことね。グレンははしゃいでたし、私は事故りそうだったからな……
「……なんかごめんね」
「ったく、あいつらに勝って発祥の村なんて言わせないようにしたかったのに……」
「発祥の村?」
「宣伝文句だよ。隣村のやつらのな」
「ふーん……」
スノボのボードを作ったのはギャチョー君との遊びの延長線上だ。
レシピ登録した際に言ったのに、懲りていない人達に半目になってしまう。
ギャイオさんいわく、隣村は仕事が少なくてこの村より生活が厳しいんだそう。
でもそれはそれ、これはこれだよね。
ちょっとお灸を据えたい私はギャイオさん達が集計している部屋に突撃した。
◇ ◆ ◇
翌日、勝ったのはギャイオさんの村だと発表された。
私達の名前が書かれているところを抜いて集計された結果だ。
票はバラけていたけど、差は歴然だった。
エキシビションも開催され、ショートスキーはグレン、スノボはギャチョー君を中心としたこの村の子供達、スケートはグレンとジルがそれぞれ披露。
これは本当にお祭り騒ぎみたいに盛り上がっていた。
おかげで物販コーナーは本日も大盛況。
天狐に連れられて来たおばさん達はそりゃあもうご機嫌だった。
私達も遊びに買い物と楽しみ、楽しかった雪まつりは終わってしまった。
ちなみに、予想以上の盛況ぶりに来年も雪まつりの開催が決定! っていうかこれから毎年やるらしい。
ツアーに関してはギャイオさんが全て引き継いでくれるそう。
今回のことを踏まえて、来年はちょっと仕様を変えるんだって。
また来年もこのメンバーで来れたらいいな!
あ……忘れるところだった。
グレンの圧とジルの理詰めとスタルティの笑顔(王族ってだけ)を目の当たりにした隣村の村長は無事心を入れ替えたみたいで、この村のサポートを約束させたよ。
一部始終を目撃していた天狐は大爆笑だったけどね。
--------キリトリ線--------
これで番外編は終わりになります。
今話も長くなってしまいましたが……番外編というか、短編でしたね。
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
余裕だと思って時間設定してましたが、寝落ち……中途半端な状態で更新されてしまいました。
読んでしまった方申し訳ありません。
--------キリトリ線--------
次に私達がやってきたのはスケート場。
大人用、子供用、ファミリー用とリンクが分かれていて、さらに午後の村別対抗試合のためのリンクまであるらしい。
スキーやスノボの方が人気があるのか、ここは比較的空いていた。
ショートスキーもスノボも怖がっていたのに、意外にもアチャは平気らしい。いや……むしろ私より上手いくらい。
「これなら大丈夫そうです!」なんてニコニコだ。
私はスノボもそうだけど止まるのが苦手。日本にあった屋内スケート場では壁にぶつかって止まるタイプ。つまり、壁がなければ自然に失速しない限り止まれない。
私以外のメンバーは十分もすれば慣れたみたいで、スイスイと滑っている。
え……運動神経よすぎません? 日本で滑ったことがある分、私が一番スケート靴に馴染みがあるハズなんだけど……
〈セナー。これは滑るだけなのか? さっきのスノーボードってやつの方が面白かったぞ〉
「あぁ、スリルはないもんね……うんとね、スケートはジャンプ、ステップ、スピンって技があって……」
ジャンプが六種類あることは知っているけど……踏み込むのが右足か左足か、エッジかトゥかで変わるジャンプはどれがどれだかわからない。前向きで踏み込むのがアクセルってことだけはわかるんだけどね。
ジィジに黒子役をしてもらって、こんな感じと見せながら説明したものの、グレンのやる気はそこまで上がらなかった。
「あとね、ペアでできるのもあるんだよ。息を合わせて同じ行動するのが基本で、片方の人が片方を持ち上げたりするリフトとか、片方がもう片方を投げるスロージャンプとか……あ! あと前にグレンがネラース達にジャイアントスイングやってたじゃん? あんな感じの技もあるよ」
〈じゃいあん?〉
「ジャイアントスイングね。あれはプロレスの技だから別物だし、足じゃなくて手を握るんだけど……んとね、ジィジが私とペアだとするでしょ? ジィジが支える側で……」
細かい技名がわからない私はテレビ中継で見たのを見よう見まねで四苦八苦しながら説明していく。
「アクロバティックだからグレンはこっちの方がいいかもだね」
〈ほう!〉
「ジルとならペアもできると思うよ」
うん。個々の能力は申し分なくても、ジル以外はグレンと合わせるのが難しいだろうからね。
地球では男女のペアだったけど、別に男女に限らなくてもいいでしょう。異世界だし、お遊びだし!
念の為にジルがケガをしないように精霊達に補助をお願いしておいた。
ジィジと天狐はもちろん、スタルティとアチャもスピンや二回転ジャンプなんかはすぐに習得。
最早、ただ運動神経がいいだけでは片付けられない末恐ろしさを感じる。
いくらなんでもチートすぎるでしょ……私よりチートじゃない? いつの間にかこのリンクに私達しかいないし……
一通りできるようになれば満足みたいで、天狐に休憩に誘われた。
ジィジとスタルティはまだまだ滑るとのことで、女三人でティータイム。
薬草茶を飲むと胃から細胞に染み込む感じがする。自分が考えていたより体が冷えてたみたい。
「はわぁ……生き返る……これあっちの雪族のおばあちゃんのだよね?」
「そうそう。朝行ったときに〝セナちゃんに〟って渡されたのよ。それにしてもこれ結構体力使うのねぇ」
「そうですね。明日は筋肉痛になりそうです」
「そういえば、温かいお風呂に入った後冷たい水に浸かるを繰り返すと筋肉痛が緩和するらしいよ」
「あら、そうなの?」
「うん。温冷入浴法だったか、交代浴だったか忘れちゃったけど、血管が拡張と収縮を繰り返すから血行がよくなって、結果的に筋肉痛が和らぐんだって」
完全にテレビの受け売りだけど、天狐とアチャは「よくわからないけど、そうなのねぇ」なんて感心している。
スポーツ選手がトレーニングの一環としてやってるって言ってたから、悪いようにはならないでしょう。
最悪、チートなリンゴポーション飲めば無問題よ!
三人で話に盛り上がっていたら、「おぉー!」と歓声が聞こえきた。
なんだなんだとそちらに顔を向ければ、グレンとジルが揃って四回転ジャンプをしたところだった。しかもアクセル。
グレンとジルはその後もペアコンビネーションスピンや、スロージャンプ、ツイストリフトなど……説明したものからしていないものまでやってのけていた。
〈セナ! 見てたか!?〉
「う、うん。そんなにすぐできるなんてすごいね」
〈うむ! ウェヌスがいい働きをしている〉
「……なるほど」
補助のおかげもあるとは思うものの、グレンとジル本来の運動神経が多大に影響しているんだろうね。
実際、スタルティは三回転が限界みたいだし……どの道プロスケーター泣かせなのは間違いない。
◇
お昼の時間になり、私達はおばさん達が待っている屋台エリアへ。
戻った私達の目に飛び込んできたのは、用意していた服が全てスッカラカンになった屋台だった。
「「あら! おかえりなさい!」」
「ただいま。えっと……この状況は?」
「それがねぇ、すごいのよ! しばらくは誰も近付いても来なかったのに、三時間くらい経った頃かしら? どんどん人が集まったの!」
「飛ぶように全部売れたのよぉ! セナちゃんのおかげね!」
「私? 私は何もしてないから、可愛さが伝わったんだと思うよ?」
「セナちゃんったら、何言ってるのよぉ。セナちゃんが何かすごいことしたんでしょぉ?」
「買いに来た子が言ってたのわよぉ。『鳥さんみたいなあの子と同じのがいい』って。模様が違うのしかなくて残念がってたけど、子供用の服を一式買ってたわ」
「マジか……」
「他にも『雪の妖精のようなあの子と同じ服をお土産に買って帰りたい』って人もいたわ。おかげで子供服が一番早く売り切れたの」
「マジか……」
〝鳥さん〟なんて言うのは私が事故りそうになったあの女の子しかいない。
おばさん達の話では私だけではなく、グレンやジルを見て買いに来た人もいるらしい。
まぁ、本来の動くマネキンの任務を全うしたと思おう。気にしたら負けだ!
おばさん達が村で作ってきてくれた薬草スープとパンでおなかを満たしたら、本日のメインである雪の運動会(雪まつり)!
ワクワクしながら、ショートスキーエリアへ向かった。
◇
私達が着いたときにはすでに対抗試合は始まっていたようで、滑り降りてきていた。
所属村が分かりやすいように上着は深緑と濃紫の色別。さらにその上着にはゼッケンのように自分の名前が刺繍してあった。
投票用紙には各種目ナンバーワンと思う人物の名前と、村(色)を書くらしいから理にかなってはいるね。
ちょっとダサいと思ったのは内緒にしておこう。
かなりの人が集まっていて、誰かが滑り降りる度に歓声が上がっている。
ぶっちゃけ、グレンとジルが滑っていたときの方がスピードがあるし……身内の欲目のせいか、二人の方が華があるように感じる。
それは天狐やスタルティも同じみたいで、全員を見終わる前にちょうど滑っていた年長君の名前を書いていた。
ショートスキーの試合が終わったら、早々にスケートエリアへ。
ここは人が溢れて見えないので、私は天狐に、ジルはグレンに、スタルティはジィジに抱えてもらった。
自信溢れる表情で滑り始めた隣村の青年を見たスタルティは「グレンとジルベルトの方が上手いな……」と呟いていた。
(グレンもジルも運動お化けだから比べないであげて!)
青年の次にリンクに上がったのは一緒に遊んでいた女の子。
ジャンプは一回転でもステップにキレがあるし、スピンは軸がブレていない。
何よりすごく楽しそうに滑っている姿は、観ているこちらも笑顔になる。
スケートの投票はこの子にしよう!
最後は一番楽しみだったスノボ。
ここでは私達が来るのを待ち構えいたギャイオさんにより、特等席である真正面に案内された。
今回の雪まつりの要因となったスノボは両村共、自信アリアリ。
ショートスキーやスケートより盛り上がるに違いない。
「あ! セナちゃん! 見に来てくれたんだね!」
「うん!」
「いっぱい練習したから楽しみにしてて! おれ、最後だから!」
「うん! でもケガしないでね」
私に声をかけたギャチョー君は「大丈夫!」とグッと拳を握って昇降機へ向かって行った。
「セナ、今の子は?」
「前に話してたギャチョー君、村長の息子だよ。多分この村の中では一番上手いと思う」
「なるほど。それは楽しみだな」
〈セナ、始まるぞ〉
グレンに言われてスタルティもゲレンデに視線を向ける。
試合用のコースは二つあり、左がこの村用、右が隣村用らしい。
同時に滑り降りた両村の少年少女はジャンプ台でそれぞれの技を披露する。
「おぉ!」
一緒に遊んでいたメンバーの一人だった少年は以前よりも高く跳んで、隣りのコースを滑る少女との腕の違いを見せつけた。
滑り降りた少年は私に気が付いたものの、すぐに次の走者が滑り出していたため、手を振るだけだった。
回転が早いと言えばいいのか、次々に降りてきて技をキメていく。
何人かは着地に失敗していたものの、動けない人や骨折しちゃった人がいないのが幸いだね。
この村の人もそうだけど、隣村の住民も上手い。
ひと月前まではスノボなんて知らなかったハズなのに……
技が披露される度に歓声や拍手があり、会場はどんどん盛り上がっている。
「あ! ギャチョー君だ!」
スタート地点に経った彼は私達に向けて手を振った後、少し間を置いて滑り出した。
それからすぐ、私は驚きに目を見開くことになった。
ジャンプ台で技を見せるだけだと思ってたのに、なんとギャチョー君はクルクルと左右にスピンしながら降りてきたんだよ!
ちゃんと軌道がズレないように調整もしているみたいで、危なそうな様子はない。
そんなギャチョー君はジャンプ台でもしっかりと板を掴んで上下に三回転。さらにオマケと言わんばかりに体を伸ばしスピンまでした。
固唾を呑んで見守っていた観客は無事に着地をした瞬間――ドッと沸いた。
「セナちゃん! 見てた!?」
「見てた! 見てた! すごい! すごいよ、ギャチョー君!」
「へへっ」
私達がまともに会話できたのはそこまで。
テンションの上がった観客達が次々にギャチョー君に話しかけ始め、押し合い圧し合いに。
混乱を避けるようにギャチョー君はギャイオさんに呼ばれて行き、私達は揉みくちゃにされつつ避難することになった。
◇
おばさん達はインスピレーションが湧いたそうで新しい服を作るわと、ジィジは泊まると気を遣わせると言って、三人は一足先に天狐が送って行った。
他のメンバーは今日はギャイオさん家にお泊まりだ。
明日は集計した結果発表があるんだって。今日の午前中と同じように各エリアを解放するらしい。
日も落ちて辺りが暗闇に包まれた頃、私とジルとスタルティの三人は買い物エリアでライトアップされた雪像を眺めていた。
会場をこの村の周辺に作る代わりに、観光客の宿泊先は隣村、もしくは他の村。
そのため、すでに観光客はいなくなり、静けさが戻ってきている。
宵闇に優しい光で照らされた雪像はどこか切なくも美しい。
その光景に魅入っていた私がクシャミをすると、有無を言わさずジルとスタルティに村長宅に強制連行された。
「もっと見てたかった……」
「お風邪を召してしまいます」
「そうだ。セナは寒さに慣れてないだろう」
「大丈夫なのに……」
〈おかえり〉
「ただいま……って暑くないの?」
〈いや、丁度いい〉
薪ストーブに張り付くように前を陣取っているグレンは一番上の上着は脱いでいるものの、中に着込んでいた服はそのまま。
我慢できなくはなかったけど、昼間も寒かったは寒かったらしい。
ご飯を食べ終わると、ギャイオさんと隣村の村長は集計をするとリビングを出て行った。
しばらくして戻ってきたギャイオさんは私を見た途端にため息をついた。
「え……何? 何かあったの?」
「ありまくりだよ。半数以上お前達の名前が書いてあるんだぞ?」
「……は?」
意味がわからない私にギャイオさんは一度部屋に戻り、分厚い紙束を持ってきた。
ピラピラとめくれば、確かに私の名前も書かれていて、中には似顔絵が描かれているものもあった。
「こっちはグレンで、コッチがジルベルトだ」
「え……いや、なんで?」
「昼前にお前達が滑ってたのを見たんだろう。監視員やってた村のやつが『あの子の名前は?』って聞かれたって言ってたからな」
「あぁ……」
なるほど。午前中の目撃者ってことね。グレンははしゃいでたし、私は事故りそうだったからな……
「……なんかごめんね」
「ったく、あいつらに勝って発祥の村なんて言わせないようにしたかったのに……」
「発祥の村?」
「宣伝文句だよ。隣村のやつらのな」
「ふーん……」
スノボのボードを作ったのはギャチョー君との遊びの延長線上だ。
レシピ登録した際に言ったのに、懲りていない人達に半目になってしまう。
ギャイオさんいわく、隣村は仕事が少なくてこの村より生活が厳しいんだそう。
でもそれはそれ、これはこれだよね。
ちょっとお灸を据えたい私はギャイオさん達が集計している部屋に突撃した。
◇ ◆ ◇
翌日、勝ったのはギャイオさんの村だと発表された。
私達の名前が書かれているところを抜いて集計された結果だ。
票はバラけていたけど、差は歴然だった。
エキシビションも開催され、ショートスキーはグレン、スノボはギャチョー君を中心としたこの村の子供達、スケートはグレンとジルがそれぞれ披露。
これは本当にお祭り騒ぎみたいに盛り上がっていた。
おかげで物販コーナーは本日も大盛況。
天狐に連れられて来たおばさん達はそりゃあもうご機嫌だった。
私達も遊びに買い物と楽しみ、楽しかった雪まつりは終わってしまった。
ちなみに、予想以上の盛況ぶりに来年も雪まつりの開催が決定! っていうかこれから毎年やるらしい。
ツアーに関してはギャイオさんが全て引き継いでくれるそう。
今回のことを踏まえて、来年はちょっと仕様を変えるんだって。
また来年もこのメンバーで来れたらいいな!
あ……忘れるところだった。
グレンの圧とジルの理詰めとスタルティの笑顔(王族ってだけ)を目の当たりにした隣村の村長は無事心を入れ替えたみたいで、この村のサポートを約束させたよ。
一部始終を目撃していた天狐は大爆笑だったけどね。
--------キリトリ線--------
これで番外編は終わりになります。
今話も長くなってしまいましたが……番外編というか、短編でしたね。
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
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訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
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