転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

5章

解体という名の引きこもり【2】

いつもクラオル達が起こしてくれているのに今日は起こしてもらえなかった。

時間は…もうお昼近い。
クラオル達の気配を探すとみんなリビングにいるみたい。
着替えてからリビングに向かう。

『あ！主様起きたのね！おはよう！』
リビングに着くとクラオルを筆頭にみんなが挨拶してくれた。

「おはよう」

『ゆっくり寝れた？最近疲れてるみたいだったから起こさなかったのよ』

「気にしてくれたんだね。ありがとう！はわぁ…気持ちいい」
クラオルを持ち上げてスリスリする。

『ふふっ。主様とお風呂に入った後は毛並みがいいもの』


「今日はどうしよっかなぁ…こう寝坊すると動き出しが鈍くなるよねぇ。1日ゴロゴロとグータラしたくなる」

『それでも良いと思うけど、とりあえずご飯食べて欲しいわ』

「ふふっ。分かったー。ブランチにしよう。簡単な洋風モーニングセットにするね」


キッチンに向かいサラダ・スクランブルエッグ・焼きベーコン・簡単コンソメスープ・トーストを精霊2人以外の全員分作ってリビングに持っていく。

エルミスとプルトンの精霊2人は魔力水が良いらしい。
《昨日いっぱい食べたからセナちゃんが作った珍しくて美味しいご飯以外はしばらくいらないわー》
プルトンがおなかをさすりながら言うとエルミスも頷いている。

（胃もたれかな？）


ゆっくりご飯を食べてこの後どうしようかとソファに座って考える。
みんなはまたどっか行ってしまった。
私が起きるまで家で待っていてくれたらしい。
優しい子達！


さて、私はご飯の作り置きでもしますかね。

まずはホールトマト缶もどきとトマトピューレを作る。
蓋付きの瓶とか缶とかもないし、金属製の鍋を使うと化学反応でトマトが黒くなっちゃうからその辺は結界魔法の応用で。

大量のトマトを使って作っていく。
在庫がいっぱいあったはずなのにほとんど無くなってしまった。
買い足さなければ。

ホールトマトは水煮。
湯むきしたトマトを塩水で煮て作る。
トマトピューレは煮詰めなきゃいけなくて大量のトマトを使ったのにどんどん水分が蒸発して少なくなっていく。

（くっ！あの大量のトマトがこれだけ？まだまだ煮詰めなきゃいけないのに！）

ひたすら煮詰めて完成させる。


ホールトマトとトマトピューレが完成したら次はおかず！

寸胴鍋で豚肉と牛肉を入れ、結界を張ってこぼれないようにしたら風魔法で刻みひき肉を作る。
刻んだ玉ねぎやハーブ、パン粉、卵を投入して捏ねて大量のハンバーグを形作る。
チーズ入りも作ってみた。

フライパンで焼き目を付けたらオーブンで焼いていく。
カリダの街で作ってもらったビーフシチューを半量別のお鍋に移し、焼いたハンバーグを投入して煮込みハンバーグにする。

もう1種類、さっき作ったホールトマトでトマトソースの煮込みハンバーグを作る。
中濃ソースやウスターソースがないからさっぱりめなトマトソース味。


ソースがないのにビーフシチューはどうやって作っているのか謎だ。
聞いたら答えてもらえるんだろうか。

「でももうカリダの街出ちゃったからなー。ビーフシチューが無くなったら転移で行って作ってもらうついでに聞こうかな」


作っているうちに夜ご飯の時間。
ご飯を盛ろうとして全員分にはちょっと足りない事に気がつく。
（んああああああ！昨日後で炊かなきゃって思ってたのすっかり忘れてた…）

「カレー作ったのにご飯炊くの忘れてたパターンじゃん…ご飯ないのどうしようかな。お米ないならパンかうどんか…うどん昨日食べたからパンにするか」

これからお米を炊く時間はないので、ノーマルなビーフシチューならパンでもいいだろうと今日の夜ご飯はビーフシチューに決まり。


『主様！ご飯の時間よ！』
ちょうどビーフシチューに決めたタイミングでクラオルから念話が届いた。

返事をしてビーフシチューを温め直す。

みんなが揃った所でいただきます。
麦パンにビーフシチューを付けて食べる。

『これは前の街で食べたやつね！』
クラオルはちゃんと覚えていた。

「そうだよー！」
（美味しい。美味しいんだけど、煮込みハンバーグをご飯で食べたかった…）

みんなはそこそこ気に入ったらしい。
グレンは違う街で食べた事があるらしく、懐かしいと食べていた。

ゆっくりご飯を食べ、デザートにプリンを食べる。
ビーフシチューは食べなかったのにプリンは食べる精霊2人。

《主あるじが作ったやつは美味いからな》
エルミスが言うけど、ビーフシチューも美味しいよ？

プリンも食べ終わったらゆっくりお風呂に入ってクラオル達をモフモフしながらおやすみなさい。