動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!

海夏世もみじ

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第69話

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 八尺様という魔物を連れてダンジョン攻略を続ける僕たち。相変わらず幽霊に怯えるルハだが、続々と色んな魔物たちが現れていた。

「ねぇリリー! 奥に変なのいない? 二匹うねうねしてるような……?」
「んー? あぁ、おそらく〝くねくね〟と〝邪視〟ですわ。どちらも一目見れば頭がおかしくなって死ぬ魔物です。まぁサクたんにはあのウナギがいるから問題ないと思いますわ」
「え、じゃあリスナーさんたちは?」
「カメラ越しではわからないですが、まぁ諦めて死んでくださいまし」

:は!!?
:【悲報】俺たち、4すwwww
:今何万人見てると思ってんだよ!
:無敵のサクたんなんとかしてくださいよォーーッ!!
:ある意味伝説的配信になるな
:リリーお嬢様もタヒぬぞ?
:見たらアウトの怪異×2とかオワタ\(^o^)/
:母さん父さん元気で……
:悪ぃ、やっぱ俺ツレェわ
:諦めんなよお前ら! シジミもトゥルルって頑張ってるだろ!?

 僕だけ大丈夫でもリリーやルハ、それにリスナーさんたちに影響が出ちゃうのはやだしなぁ……。何かいい方法ないのかな?
 うーんと考え込むこと数秒。一つの案を思いついた。

「そうだ! ちょっと待ってて!」
「あばばばばばば! さくたしんじゃだめだよぉ……! 置いていかないでぇ!!」
「大丈夫だよルハ。僕は死なないから」

 そう言い残してトンネルの先に進む。
 一匹は半透明でぐねぐねしてるヒドラのような魔物で、もう一匹はナナフシみたいな細い体にパッチリとしたお目目を持つ、肌が真っ白な魔物だった。

「ふっふっふ……。出会って早々でごめんなんだけど、君たちにこんなことをして欲しいんだ」
『『?』』
「ごにょごにょ……」

 ――数分後。

「みんなおまたせー!」
『『オォオオ……!!!!』』
「ギャーーーーッ!!!!』
「ふむ、なるほど。まさかそんな攻略法があるとは思いませんでしたわ!」

 二人と配信用カメラの前まで例の二匹を連れてきた。
 けど、二人とも頭がおかしくなっている様子はないし、成功だと思う。……まぁルハは相変わらず怖がって泣いてるけど……。

:グワー! タヒんだンゴ……
:ん? 待て待て待て
:生きてるゥ~~☆
:ホワッツ!?
:またやらかしですか?
:説明してくれー
:地味にかっこいいビジュアルだなこいつら……

 二匹の姿はなく、たった一匹の姿になっている。白い肌から無数の半透明の棘が生えたような厳つい見た目で、なかなかかっこいい。
 そう、この二匹たちには――

「――!!」

 どちらも見たらやばいというマイナスの効果を持っている。ならば、マイナス同士を掛け合わせてプラスにしたらいいのでは? という発想で成功したのだ。
 いや~、無事に見ても大丈夫になってるし良かった良かった!

:huh???
:ファ~~♪(高音)
:もうなんでもありだな
:合☆体ッ!!
:とんでも理論を成功させやがったww
:くねくねと邪視の対策ができたな。ヨシ!
:※普通の魔物は合体しません
:マジで無法だなサクたん……
:今日のさすサク

「くねくねと邪視の合体魔物……〝邪狂腕紫眼じゃきょうわんしがん〟と名付けましょう」
「いいね! かっこい~!」
「も、もうおわり……見ちゃったらわたししぬ……」

 八尺様に次いで、くねくねと邪視という子が仲間に加わった。
 ちなみに、大氾濫スタンピードが起きた際に活躍した殲滅穿角覇纏式せんめつせんかくはてんしき白阿修羅しろあしゅらの名付け親がリリーだ。

「どんどん進んでるけど、どれくらい進むの?」
「トンネルの最奥部まではすでに攻略済みでしたわ。しかし最近、秘密のエレベーターが発見されましたの」
「ひっ、秘密のエレベーター……。こわそう……」
「ふーん。それが問題なの?」
「そのエレベーターを使えば、どの階層にも行けることが可能とわかりました。ただそれだけでなく、とある方法を行えば秘密の階層に行けることが最近わかりましたの」

 Bランクのダンジョンで発見されたエレベーター。
 このダンジョンは1~10階層のダンジョンであり、エレベーターにもその番号がついたボタンがあるらしい。そしてそれを10、1、5、10、2、6、2、4とボタンを押すと、無いはずの11階層に行けるとのこと。そしてそこにはあるモノがあるらしい…….。

 エレベーターはランダンムで現れるらしけど、まるで僕らを誘っているかのように、それは突然横に現れた。

「お~~!」
「う、うぅ……やばいって……。も、もらしそうだしかえろうよぉ……」
「漏らすならペットボトル貸してやりますわ。ほら、さっさと行きますわよ!」
「ひぃん……」

:ご 都 合 展 開
:ご都合が尻尾振りながらサクたんに寄ってきとんねん!
:見慣れた光景だよね……
:初見「えぇ……(ドン引き)」
:ルハちゃん、我々にとってはご褒美だぞ。一向に構わんッッ!
:*変態がアップをし始めました
:ってかエレベーターに全員乗れんの?w

 ボロボロと泣きながらそう提案するルハをリリーは一蹴してエレベーターに乗り込む。僕らも続いて乗り込んだんだけれど……。

 ――ギチギチ……。

「……狭っ!」
「クッソ狭ぇですわ~! 殺しますわよ~!」
「う、ぁぁ……もー……やばい……」
『ポポッポポ?』
『『ヴ、ォオオ……』』

 僕、リリー、ルハ、八尺様、邪狂腕紫眼(くねくね&邪視)が乗っているので、めっっちゃ狭い。
 なんとかボタンは押すことができるので、このまま幻の11階層に向かうことになった。
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