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第24話
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「ハイ次ィ! また堅い動きになってるぞシアン!」
『ひうっ♡ は、はいっ!!.』
体を元に戻し、シアンにビシバシと修行をさせている。幸いにも邪竜のベビーラッシュが起きていたらしく、魔物の貯蔵は充分だった。
何百回とビリビリなっているが、次第に動きが良くなってきているのも確かだ。……だが痺れる毎に変な声が出るようになっている……。
『ししょ~! 体ビリビリしてなんも感覚がありましぇん……!! あとなんかビリビリする度に変な感覚になります……♡』
「んー……。なんかヤバそうだし一旦休憩するか」
地面に倒れてドロドロに溶けているシアンを回収し、近くの岩場に移動した。
電流流すのはやりすぎかと自分でも思ったが、生温い修行だったら返って弱くしてしまう。なるべく心を鬼にし、飴と鞭を使い分けるのが肝だ。
「お疲れ、シアン。昼飯にしよう」
『ご飯!!!』
【無限収納】から机と椅子、そしてイアに作ってもらった料理を取り出す。
目をキラキラと輝かせ、体が不定形なくせに口からドロドロの唾液まで垂らしていた。
『この料理は師匠が!?』
「ちょっと手伝ったくらいだな。星空の魔女に作ってもらったんだよ」
『あの星空の魔女に!? 幅広い人脈持ってるんですね、流石です師匠!! 食べて良いですかぁ!?』
「いいぞ」
『頂きまぁす!!!』
次々と料理を口に放り込むが、咀嚼は一切せずに丸呑みしてゆく。まぁスライムだし、吸収することが得意だから必要ないのだろう。
半透明の肉体ゆえに、料理が喉を通るのが丸見えでたったひとつ思うことがあった。
(エロ……)
『どうしましたかししょー? ボクの顔になんかついてますか?』
「……いや、なんでもない。それより、だいぶいい動きになってきたな」
『えへへ、ありがとうございます!』
いくら煽情的とはいえ、シアンだってまだまだ子供だろう。シエルお嬢様より年上っぽいが、成人はしてるのだろうか?
ま、今んところヤるのはイアとだけで充分だ。あの夜の出来事のせいで欲のストッパーが壊れかけてるみたいだな。慎むべし……。
「あ、そうだ。今は暇だし、ついでに回復薬作っとくか」
再び【無限収納】を開き、そこから薬草と瓶を取り出す。
それを分子レベルまで分解する魔術を使い、魔力をふんだんに込めた水とかき混ぜる。その後、【昇華】を使って回復薬のグレードをアップさせて完成。
『回復薬ってそんなにすぐできるんですね!』
「僕は使う機会ほぼないから、あんま頻繁には作ってないよ。【治癒】で回復できるし」
『ボクもすぐ再生するので使ってません!』
「スライムだもんな」
一応ちゃんと回復薬ができているか【鑑定】をしておいた。
△ △ △
◾︎超高級回復薬(製造者:アッシュ)
・傷や骨折を瞬時に治すことのできる回復薬。
・本来はエルフ族が数年かけて一滴を作るもので希少だ。
▽ ▽ ▽
よし、ちゃんとできてるな。
これを後9本くらい作った。こんだけあれば充分だろう。
あと、結局邪竜は5匹狩ったし魔物の素材納品についてとこれでオーケーだ。
「だいぶ休憩したし、そろそろ修行再開するぞー」
「は、はい! ……ま、またビリビリさせられたり、いっぱい叱られるんだ……♡」
再び修行もとい、矯正をし続けた。すっかり動きもよくなり、シアンは自由に動けるようになって僕でも動きを追うのが少し困難となる程だ。
けど……修行をすればするほど息が上がっていたが、なんか様子がおかしかったな。嬉しそうな感じだったんだよなぁ。……違うよなシアン? 疲れただけだよな?
――勇者シアンはメキメキと力をつけている。それはまるで新芽のようであった。しかしその芽は成長し、蕾ができていた。ナニカの目覚めは近いということだ――。
『ひうっ♡ は、はいっ!!.』
体を元に戻し、シアンにビシバシと修行をさせている。幸いにも邪竜のベビーラッシュが起きていたらしく、魔物の貯蔵は充分だった。
何百回とビリビリなっているが、次第に動きが良くなってきているのも確かだ。……だが痺れる毎に変な声が出るようになっている……。
『ししょ~! 体ビリビリしてなんも感覚がありましぇん……!! あとなんかビリビリする度に変な感覚になります……♡』
「んー……。なんかヤバそうだし一旦休憩するか」
地面に倒れてドロドロに溶けているシアンを回収し、近くの岩場に移動した。
電流流すのはやりすぎかと自分でも思ったが、生温い修行だったら返って弱くしてしまう。なるべく心を鬼にし、飴と鞭を使い分けるのが肝だ。
「お疲れ、シアン。昼飯にしよう」
『ご飯!!!』
【無限収納】から机と椅子、そしてイアに作ってもらった料理を取り出す。
目をキラキラと輝かせ、体が不定形なくせに口からドロドロの唾液まで垂らしていた。
『この料理は師匠が!?』
「ちょっと手伝ったくらいだな。星空の魔女に作ってもらったんだよ」
『あの星空の魔女に!? 幅広い人脈持ってるんですね、流石です師匠!! 食べて良いですかぁ!?』
「いいぞ」
『頂きまぁす!!!』
次々と料理を口に放り込むが、咀嚼は一切せずに丸呑みしてゆく。まぁスライムだし、吸収することが得意だから必要ないのだろう。
半透明の肉体ゆえに、料理が喉を通るのが丸見えでたったひとつ思うことがあった。
(エロ……)
『どうしましたかししょー? ボクの顔になんかついてますか?』
「……いや、なんでもない。それより、だいぶいい動きになってきたな」
『えへへ、ありがとうございます!』
いくら煽情的とはいえ、シアンだってまだまだ子供だろう。シエルお嬢様より年上っぽいが、成人はしてるのだろうか?
ま、今んところヤるのはイアとだけで充分だ。あの夜の出来事のせいで欲のストッパーが壊れかけてるみたいだな。慎むべし……。
「あ、そうだ。今は暇だし、ついでに回復薬作っとくか」
再び【無限収納】を開き、そこから薬草と瓶を取り出す。
それを分子レベルまで分解する魔術を使い、魔力をふんだんに込めた水とかき混ぜる。その後、【昇華】を使って回復薬のグレードをアップさせて完成。
『回復薬ってそんなにすぐできるんですね!』
「僕は使う機会ほぼないから、あんま頻繁には作ってないよ。【治癒】で回復できるし」
『ボクもすぐ再生するので使ってません!』
「スライムだもんな」
一応ちゃんと回復薬ができているか【鑑定】をしておいた。
△ △ △
◾︎超高級回復薬(製造者:アッシュ)
・傷や骨折を瞬時に治すことのできる回復薬。
・本来はエルフ族が数年かけて一滴を作るもので希少だ。
▽ ▽ ▽
よし、ちゃんとできてるな。
これを後9本くらい作った。こんだけあれば充分だろう。
あと、結局邪竜は5匹狩ったし魔物の素材納品についてとこれでオーケーだ。
「だいぶ休憩したし、そろそろ修行再開するぞー」
「は、はい! ……ま、またビリビリさせられたり、いっぱい叱られるんだ……♡」
再び修行もとい、矯正をし続けた。すっかり動きもよくなり、シアンは自由に動けるようになって僕でも動きを追うのが少し困難となる程だ。
けど……修行をすればするほど息が上がっていたが、なんか様子がおかしかったな。嬉しそうな感じだったんだよなぁ。……違うよなシアン? 疲れただけだよな?
――勇者シアンはメキメキと力をつけている。それはまるで新芽のようであった。しかしその芽は成長し、蕾ができていた。ナニカの目覚めは近いということだ――。
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