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第二話 『買い物』と『デート』

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時は流れ、お互い同じ高校を受験し両者とも合格した次の日。

 「よかったね~。同じ高校受かって」

 「おう」

 今日は、龍華の部屋で合格の祝勝会を二人で開いている。

 二人が座れるほどの小さなテーブルを囲みその上にお菓子やジュースを広げ他愛もない会話をしている二人。

 「華ちゃん。そっけなーい。もっと嬉しそうにしてよ~」

 「めんどーくせぇ。そもそも俺は、推薦だったからほぼ合格は確定してたんだ」

 「もう~またそんなこと言って~嬉しいくせに~」

 「うるせぇ」

 本当は、心の中で嬉しく思っているのは内緒らしい。

 「合格祝いでどっか行こうよ」

 「はぁ? めんどーくせぇ。まだちょっと寒いしな」

 舞花の提案にあぐらをして頭を掻きながら難色を示す龍華。

 「えー。別に、遠くじゃないよ? 街に出てお買い物とかするだけだよー?」

 「めんどーくせぇ。お前、買い物長いから嫌だ」

 昔、舞花の買い物に付き合わされ朝の十時から夕方の五時まで歩きっぱなしという地獄を味わった経験がある龍華は、きっぱりと断る。

 「もう! 行こうよー。おーねーがーい~」

 だが舞花は拒否を拒否し、龍華の右腕に抱きついた。

 「なっ?! ちょっ、離れろよ!」

 いくら幼馴染といえど好きな女の子にしがみつかれた龍華は、パニックになる。

 そして、舞花の豊満な胸の感触が右腕に当たる。

 嬉しいのやら、鬱陶しいのやら変な気持ちになる龍華。

 「行くって言うまで離さないー」

 そう言ってさらに密着度を増す。

 「わ、わかった! 行くから離れろ!」

 なんとも言えない悶々とした気持ちに耐えきれなくなった龍華は、舞花の押しに折れた。

 「本当? やったー!!」

 龍華からの了解の返事を聞いた舞花は、龍華の右腕から離れると萌え袖にしている両手を挙げて喜ぶ。

 そんな舞花の姿を、見た龍華は

 「はぁ……。めんどーくせぇ。…………だが…可愛い……」

 と呟いた。

 「え? 華ちゃん何か言ったー?」

 「いや、何も言ってない」

 「ふぅん。じゃあ明日行こう! 駅に十時集合ね!」

 「明日かよ?! 別に家、隣同士なんだから駅じゃなくても良くないか?」

 「華ちゃん! デリカシーがなーい!
女の子は、色々あるんだから! わかった? じゃあ! 明日忘れないでよ? 寝坊しちゃ駄目だからね?」

 「お、おう? よくわからんけどわかった。………マジか」

 女の子って難しいなと思った龍華だった。

 集合時間と場所を決め足早に自分の部屋に帰ってきた舞花は、ベッドの上で布団にくるまっていた。

 「華ちゃんとデートの約束しちゃった………」

多分、龍華本人は、ただの買い物だと思っていると思うが、恋する乙女の舞花は、心臓がいつもより激しく脈打ち身体が熱い。

 そして、時間は流れ。買い物当日がやってきた。
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