2 / 4
第二話 『買い物』と『デート』
しおりを挟む
時は流れ、お互い同じ高校を受験し両者とも合格した次の日。
「よかったね~。同じ高校受かって」
「おう」
今日は、龍華の部屋で合格の祝勝会を二人で開いている。
二人が座れるほどの小さなテーブルを囲みその上にお菓子やジュースを広げ他愛もない会話をしている二人。
「華ちゃん。そっけなーい。もっと嬉しそうにしてよ~」
「めんどーくせぇ。そもそも俺は、推薦だったからほぼ合格は確定してたんだ」
「もう~またそんなこと言って~嬉しいくせに~」
「うるせぇ」
本当は、心の中で嬉しく思っているのは内緒らしい。
「合格祝いでどっか行こうよ」
「はぁ? めんどーくせぇ。まだちょっと寒いしな」
舞花の提案にあぐらをして頭を掻きながら難色を示す龍華。
「えー。別に、遠くじゃないよ? 街に出てお買い物とかするだけだよー?」
「めんどーくせぇ。お前、買い物長いから嫌だ」
昔、舞花の買い物に付き合わされ朝の十時から夕方の五時まで歩きっぱなしという地獄を味わった経験がある龍華は、きっぱりと断る。
「もう! 行こうよー。おーねーがーい~」
だが舞花は拒否を拒否し、龍華の右腕に抱きついた。
「なっ?! ちょっ、離れろよ!」
いくら幼馴染といえど好きな女の子にしがみつかれた龍華は、パニックになる。
そして、舞花の豊満な胸の感触が右腕に当たる。
嬉しいのやら、鬱陶しいのやら変な気持ちになる龍華。
「行くって言うまで離さないー」
そう言ってさらに密着度を増す。
「わ、わかった! 行くから離れろ!」
なんとも言えない悶々とした気持ちに耐えきれなくなった龍華は、舞花の押しに折れた。
「本当? やったー!!」
龍華からの了解の返事を聞いた舞花は、龍華の右腕から離れると萌え袖にしている両手を挙げて喜ぶ。
そんな舞花の姿を、見た龍華は
「はぁ……。めんどーくせぇ。…………だが…可愛い……」
と呟いた。
「え? 華ちゃん何か言ったー?」
「いや、何も言ってない」
「ふぅん。じゃあ明日行こう! 駅に十時集合ね!」
「明日かよ?! 別に家、隣同士なんだから駅じゃなくても良くないか?」
「華ちゃん! デリカシーがなーい!
女の子は、色々あるんだから! わかった? じゃあ! 明日忘れないでよ? 寝坊しちゃ駄目だからね?」
「お、おう? よくわからんけどわかった。………マジか」
女の子って難しいなと思った龍華だった。
集合時間と場所を決め足早に自分の部屋に帰ってきた舞花は、ベッドの上で布団にくるまっていた。
「華ちゃんとデートの約束しちゃった………」
多分、龍華本人は、ただの買い物だと思っていると思うが、恋する乙女の舞花は、心臓がいつもより激しく脈打ち身体が熱い。
そして、時間は流れ。買い物当日がやってきた。
「よかったね~。同じ高校受かって」
「おう」
今日は、龍華の部屋で合格の祝勝会を二人で開いている。
二人が座れるほどの小さなテーブルを囲みその上にお菓子やジュースを広げ他愛もない会話をしている二人。
「華ちゃん。そっけなーい。もっと嬉しそうにしてよ~」
「めんどーくせぇ。そもそも俺は、推薦だったからほぼ合格は確定してたんだ」
「もう~またそんなこと言って~嬉しいくせに~」
「うるせぇ」
本当は、心の中で嬉しく思っているのは内緒らしい。
「合格祝いでどっか行こうよ」
「はぁ? めんどーくせぇ。まだちょっと寒いしな」
舞花の提案にあぐらをして頭を掻きながら難色を示す龍華。
「えー。別に、遠くじゃないよ? 街に出てお買い物とかするだけだよー?」
「めんどーくせぇ。お前、買い物長いから嫌だ」
昔、舞花の買い物に付き合わされ朝の十時から夕方の五時まで歩きっぱなしという地獄を味わった経験がある龍華は、きっぱりと断る。
「もう! 行こうよー。おーねーがーい~」
だが舞花は拒否を拒否し、龍華の右腕に抱きついた。
「なっ?! ちょっ、離れろよ!」
いくら幼馴染といえど好きな女の子にしがみつかれた龍華は、パニックになる。
そして、舞花の豊満な胸の感触が右腕に当たる。
嬉しいのやら、鬱陶しいのやら変な気持ちになる龍華。
「行くって言うまで離さないー」
そう言ってさらに密着度を増す。
「わ、わかった! 行くから離れろ!」
なんとも言えない悶々とした気持ちに耐えきれなくなった龍華は、舞花の押しに折れた。
「本当? やったー!!」
龍華からの了解の返事を聞いた舞花は、龍華の右腕から離れると萌え袖にしている両手を挙げて喜ぶ。
そんな舞花の姿を、見た龍華は
「はぁ……。めんどーくせぇ。…………だが…可愛い……」
と呟いた。
「え? 華ちゃん何か言ったー?」
「いや、何も言ってない」
「ふぅん。じゃあ明日行こう! 駅に十時集合ね!」
「明日かよ?! 別に家、隣同士なんだから駅じゃなくても良くないか?」
「華ちゃん! デリカシーがなーい!
女の子は、色々あるんだから! わかった? じゃあ! 明日忘れないでよ? 寝坊しちゃ駄目だからね?」
「お、おう? よくわからんけどわかった。………マジか」
女の子って難しいなと思った龍華だった。
集合時間と場所を決め足早に自分の部屋に帰ってきた舞花は、ベッドの上で布団にくるまっていた。
「華ちゃんとデートの約束しちゃった………」
多分、龍華本人は、ただの買い物だと思っていると思うが、恋する乙女の舞花は、心臓がいつもより激しく脈打ち身体が熱い。
そして、時間は流れ。買い物当日がやってきた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
最強ブレイドマスターと一匹のツインテールがキュートな妖精さんの最強伝説。
プリンカツ丼
ファンタジー
最強ブレイドマスターのクロキは、
ダンジョン最上階、第百階層を一人で攻略する。
そしてその攻略は一匹のツインテールがキュートな妖精さんの封印を解くこととなる。
最強ブレイドマスタークロキの更なる最強伝説が今、始まる。
好色一代勇者 〜ナンパ師勇者は、ハッタリと機転で窮地を切り抜ける!〜(アルファポリス版)
朽縄咲良
ファンタジー
【HJ小説大賞2020後期1次選考通過作品(ノベルアッププラスにて)】
バルサ王国首都チュプリの夜の街を闊歩する、自称「天下無敵の色事師」ジャスミンが、自分の下半身の不始末から招いたピンチ。その危地を救ってくれたラバッテリア教の大教主に誘われ、神殿の下働きとして身を隠す。
それと同じ頃、バルサ王国東端のダリア山では、最近メキメキと発展し、王国の平和を脅かすダリア傭兵団と、王国最強のワイマーレ騎士団が激突する。
ワイマーレ騎士団の圧勝かと思われたその時、ダリア傭兵団団長シュダと、謎の老女が戦場に現れ――。
ジャスミンは、口先とハッタリと機転で、一筋縄ではいかない状況を飄々と渡り歩いていく――!
天下無敵の色事師ジャスミン。
新米神官パーム。
傭兵ヒース。
ダリア傭兵団団長シュダ。
銀の死神ゼラ。
復讐者アザレア。
…………
様々な人物が、徐々に絡まり、収束する……
壮大(?)なハイファンタジー!
*表紙イラストは、澄石アラン様から頂きました! ありがとうございます!
・小説家になろう、ノベルアッププラスにも掲載しております(一部加筆・補筆あり)。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる