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生滅投票

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 投票。多数決。

 それは、多いもの意見を採用し、少ない意見を破棄するもの。

 国民が選ぶことによって成り立つもの。そう、全体というスケールでみればそれは国民が選んでいるということに他ならないかもしれない。

 だが個人ではそうではない。

 それは、権力とは別ベクトルに、社会は弱いものに手を差し伸べるものではなく、強い者にしか助けてくれないという一側面を表している。



 そう、多数決は、正しくも悪くもない。

 ただの社会という機械を回すためのシステムの一つである。


 だが、それが正しいと信じているのなら、、宇宙人にとってもそれは正しいとして認識するしかない。


 そう、科学が現代の何億倍も進んでいる宇宙人が、ある日地球上に降り立った。

 そしてこういったのだ。

「多数決で、生存か滅亡かを選んでください。

 一か月後、生存が多ければ何もしませんが、滅亡が多ければこの地球を破壊します」


「な、、、?!」

 そして、人ひとりの目の前に、空中浮遊する箱が現れた。そこにはスイッチがあって、滅亡と書かれたボタンと生存と書かれたボタンが書いてあった。

 加えてその箱には数字が書いてあった。生存;0% 滅亡 0%と書いてある。つまりこれは全体の投票されているパーセンテージなのだろう。

「これは本当なのか・・?!」

「本当だとして、、なぜこんなことを」

「いや、今は考えるのは後だ。ともかく今は生存に投票することを選ぶぞ!!」

「そうだな!!

 しかし、、彼らの思惑とは裏腹に、3日後、生存20%、滅亡80%とあったのだ。

「何故だ?!」

「まさか、、!!」

 そう、中流階級以上の人よりも、毎日のご飯を食べるので精いっぱいな底流階級のほうが多かったのである。

 世界の99%の富は1%以下の人が牛耳っているというが、これが本当なら底流階級のほうが多いことは間違いない。

 権力や財力でいうならば1%のほうが強いが、人数でいうならば99%のほうがはるかに多かったのだ。

 死ぬまで報われないと感じている彼らは、まとめて自爆することを選んでも不思議ではない。

「どうする・・?!こうなったら、、!!」

「生存を押すことに報酬を与えるしかない・・!!


 
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