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 ここは異界の日本。

 そこには、妖怪とか陰陽師だとか、そういった和風ファンタジー的な奴が実在していた。

 その中でも、ひと際異才を放っていたのが、僧である。

「‥‥ここか」

 僧の一人である彼は、手にある魔道具を持ちながら依頼先のところに来たのである。

「よくぞ来てくれました・・実は・・かくかくじかじか」

 依頼人の言うところによれば、この屋敷は妖怪に取りつかれており、払ってほしいらしい。

「お安い御用です。私と、『この子』の手にかかればね」

 そして、夜。言う通り妖怪が出てきたのだ。

「ぐははー!1酒をだせー!!つまみを出せー!でないとトリックオアトリートしちゃうぞー!!」

 僧は物陰から姿を現し、そして術を使った。

 ドドドドドドドd

 なんか重力的に不自然なぽーずを取り、手を顔の前に持ってきて、もう片方のその魔道具を突き出していった。

「いけ!!『ブラッドデスラブハニーちゃん!』」

『ふぇえぇえがんばるですぅうう』

 そう、その単眼で全身に乱杭歯が生えている口がおびただしく生えている萌えキャラは、妖怪をむしゃむしゃと食べてしまったのだ。

 そう、それは例のスタンドバイミー的な守護神というか、人口精霊的なアレであり、そして彼が手にもつそのフィギュアこそがその本体である。

「ふふふ、今日も可愛いよデスラブハニーちゃん」

『えへへ~当然ですぅ』

 その木彫りで、やたら眼がデフォルメ化されているそれは、まさしく萌えを体現していたものだが、しかしそれは立派な魔道具なのだ。

「ありがとうございます!!」

 依頼主が礼を言って報酬を受け取った僧がその場を去っていった。

「アレが僧侶か・・、神様(二次元)を自分で作ってそれを嫁とし、伴侶を作らずにひたすらめでることを続けるという・・」

「確かにすごい法力だが、陰陽師とか侍とかと比べると・・かっこ悪い・・」
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