TS転生したらサキュバス型ドリアードとして毎日精を貪り尽くします!~どんどんスキルが増えて強くなる変態大冒険バトル~

木森林木林

文字の大きさ
上 下
2 / 90

幼児からの訓練がチートへの近道!

しおりを挟む
異世界なら必ずあると言われている魔法や魔物だが、この世界も当然のように存在していた。視界の端に光るものが通り過ぎたと思ったら目の前にひらひらと入り込んできた。

「むにゃ?」
『ふふ、こーんにちーわー!』

そう驚くタイミングを失ったくらいだった。綺麗なので捕まえようとむんずとする。

「おひゃー!」
『あらーかーわいいー!』
「きゃ!きゃ!」
『つかまらないわよー!』

なんか周囲に光の粉を撒き散らしている小さな飛行人型が行き交っている。通称妖精さんとでも呼ぼうか、である。
俺は赤子の本能に逆らえずに彼女たちにじゃれていた。

保護者ザマは、食べ物を狩りにいくという。その間俺は木の枝にゆりかごをひっかけてほったらかしであるのが気になるが。

どうもこいつら特有なのか、テキトーなのである。赤子のあつかいが。もう少しデリケートに扱ってほしいものである。放置プレイとか現代では通報ものだぞ?

しかしここではそれが普通らしく、ところどころに揺り籠が地面や枝に引っかけてあるのを散見する。おそらく盗まれるということがないのだろうな。

まあそのおかげで俺は妖精さんにまとまわりつかれているのだが、うふふ。キレイだなー。是非手に入れたいいいい!

「だぁ!」
『おほほ、遅いわよおほほ』
「むーっ!」

妖精さんたちは子供が好きらしく、俺の手足の射程範囲に入りつつも捕まらないように逃げて行っていた。おのれ~!

とそのときである。

「む!」

それは感覚だった。

突如空振りした手に感じる感触、風、に近いがそうではない。

徐々にその感覚が明らかになっていく。その形や濃さの法則性がわかってくる。

なんか妖精さんやその通ったあとに感じられるこの感触は、、!

直感。なんか操れそう、そう思ったらあとは簡単だった。

「むー!」

そう叫んで手をぐーぱーすると、手応えがあった。

 ブシュッ!


 俺の手から風が生まれて一体の妖精さんにヒットしたのだ。

『あらー?!』

 空中で姿勢を崩したところを俺は捕まえた。
 鷲掴みにされてきょとんとする妖精さん。
 そしてハッとして『ふええ~食べないでくださーい!』みたいに言ったりして妙にかわゆす。

 というか、今のやつってもしかして魔法?

「ふふふ、そうそれが魔法よ」
「ふふ」「ふふふ」
「ぬっ!?」

 物陰からぬっと出てきたザマと後に続く二人のドリアード。ネア、ネアツ。
 彼女二人はザマの子供、俺の姉貴たちである。

 なんか木の茂みから出てきてモンスター感半端ないが、まあ森に生きる者にとって当然のステルススキルなのだろう。
 木から木へと移動するこの蛇感は日常的に彼女たちが行っておる移動法だ。

「ふふ、どう?初めて魔法を使った感触は?)

 ともかく俺は捕まえた妖精さんを当然の戦利品かのごとくちゅぱちゅぱして問うた。

「ちゅぱちゅぱ、これが魔法、、!普通のドリアードの赤子は使えて当然な感じ?」
「いえ、この歳で使えるというのはクイーンの才能、そして転生者としての初期知能のおかげでしょうね」 

 その言葉に俺は歓喜の声を出した。そして確信する。これは俗に言うと、、

「 チートだ! むはー!チートきたこれ!」
「チート? 何のことだか分からないけれど」
「やんじゃん我が妹よ」
「左に同じなのよ」

 妖精さんをおしゃぶり代わりにして興奮を落ち着かせようとするがそれは生後間もない俺にとって無理な話だ。
 自己陶酔でよだれだらけになる妖精さんのことなどおなまいなしにちゅぱる。「やめてー!」

 ちなみに姉妹であるネアネアツには俺が転生者で喋れることは既に周知済みだ。
 っていうか名前適当すぎませんかね?
 まあよい。今の俺は気分がよいぞよちゅぱちゅぱ。

「すごいすごい」
「将来は 立派なドリアードになれるな」
「それほどでもない」

 褒めてくれていい気になっている俺。
 しかし、突然気がついた。これはもしかしてやべーパターンでは?

 そう、そのパターンとは慢心。慢心して鍛錬を怠ってなにがチートか。
 才能に努力をアレして磨かなければ輝けないというコトワザを知らないのかよ?

というわけで俺は きっと表情を引き締めて彼女たちに向き合った。

「む? どうした?」
「たろむ!俺に修行をつけてくれぇ!」
「「なぬ?」」

 予想外の言葉だったのか彼女たちは顔を見合わせた。

「しかし今それだけの力があれば、特に修行とかいらなくても人並み以上に魔法使えると思われるけど」

 それではダメなのだ。

「それではダメなのだ!その慢心こそがチートを遠ざける要因の一つとなりけん!」
  
「チート?」

 不思議そうに傾げる彼女たちだが、俺のような元俺つええ型小説の読者からしてみれば、慢心が最大の敵であることなど既にご存知なのである。

 そして大抵幼少期からのトレーニングメソッドがものを言う世界なのだ。
 ほら、現代でも大抵そんな感じだったし。

「所詮この世は弱肉強食!力こそが全て!よってこの程度で満足できないのですよ!」

 俺の熱心な説得に彼女達は得心が入ったようだった。

「ふふふ、なるほどね。生まれながらにして武人というわけ。それなら稽古をつけてやってもいいわよ!」
「わよ!」

姉妹二名は拳をガッとして不敵に笑う。そう、この二人の職業は既に紹介されていた。

【ネアツたちはドリアードの魔法の先生なのよ。その独特の修練方法はコスパはともかくユニークと評判なのよ】
【言っておくが、私たちの修行は厳しいからな?】
【なー!】

というわけで、

「魔法教師のしごき、、!その味、一度味わってやるぜー!」

そして始まった。

 意気揚々と始めた心持ち。
 だが開始すると数分でその状態は覆ることになった。

「ほーい!」
「ほほーい!」

「や、やめぇっ!」 

 俺の不甲斐なくも情けない声が響き渡った。そしてそれを助けてくれたり注意するものは皆無だ。大抵は何事もなく通り過ぎる、
 暇そうに見ているモブもいるが、助け出そうとする気は全くなさそうである。そこらへんの倫理観が現代と全く違うようだ。まあ半裸な時点でな。

 今俺が何をされているかというと、一行で表現できる。

 キャッチボールのボール。以上だ。

 野球やろうぜ!お前ボールな!を体現した修行法だ。見ている以上に辛いものがある。バンジージャンプを延々として地面激突との恐怖にさらさねばらるまいのだ。

 そう、そして精神面だけではない。怖いのもあるが、三半規管に、、くる!

 安全綱なし空中きりもみとか、元の世界のあらゆる絶叫系を超えた感じはする。大体法律とか関係ないし。

 俺はじたばたしながら両名に不満を訴えた。


「やめろっ!どうしてお前らはそう赤子の扱いがぞんざいなんだ!人類最強でさえ取り出すときはデリケートにっていってたのに!」

「いや私たちは亜人だから」
「丈夫にてきている、、らしいですよ?」
「だから大丈夫」
「大丈夫なのです」
「例え死んでも代わりは他にいるのですよ」
「なにー?!」

 やばい。こいつ俺を生かす気が全くない。亜人というやつは皆こうなのか?!

「大体、この修行になんの意味があふんだよ!?これが可愛がりってやつなのか?!そんなうさぎ飛びみたいな意味のないトレーニングは破滅をもたらすぞ?!」

「ふふふ、意味ならありますよ?よくぞ聞いてくれましたね?」
「これは、空中で自分の廻りの空気を魔力で操って私達から逃げる訓練なのですよ!」

「何ー!?先に説明しろそういうことは!」

「こうやって私達という魔の手から逃れることによって必死に魔力の鍛錬ができるというわけですよ!」

「なっ?!自分たちが害悪であるということ前提の訓練とかそれでいいのかー?!」

「だって頼んだのはそっちのほうだろ?」

「そうだけどさー!」

「ふふふがんばってね」

そう言って茂み戻るザマだが、おそらく食後の午睡か何かであろう。

「助けてママー!」

「がんばれむにゃむにゃ」

そんなノリだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...