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一撃限りの魔法剣の応酬!そして、、決着!
しおりを挟む今まさに自らのノンケが冒されようとしているのにも、関わらず俺は不敵に笑ってみせた。
「にやり」
そして発動させる。最後にレイズン自らが俺の処女を奪いにくるだろう確信してから、ずっと練習していたスキルを、、!
「、、幻影熊(つられくま)」
「何っ!?」
相手の目にはいきなり目の前にクマが現れたように見えるだろう。だがこのスキルはこの装備に備わっている魔法でしかない。自身の姿をクマに見せることができる。
無論実践で何度も使えるものではない。これは初見殺しのようなもの。相手が油断しきった時でなければ通用しない。
そして油断し、一瞬の間隙を生み出せたとしても、相手は戦いのプロ。普通の攻撃には脊髄反射的に対応してくるはずだ。
だがしかし、故の忍耐である。
俺は先ほどの試合、恥部をなめられつつも、バレないように腕に魔力を流していたのだ。そうそれはまさしく相手の女騎士が使ってくるスキルの訓練である。
レイズンの意識の間隙に合わせ、俺は超スピードで彼女の背後に回った。そして剣を振り下ろす。当然のことのように彼女は振り向きざまに剣を合わせてきた。疾い。予想通り反射的に対応してくる。
だが体勢は崩れている。それに加えこの『魔法剣』、、。全身を辱められている間に見様見真似でものにした風を纏った剣でもって鍔迫り合う。
ドガッ!!
「ぐぅ!?」
無論力技。コスパは最悪に等しい。しかし力技ゆえの暴力的破壊力。この剣には物理属性に加えて風魔法をまとう。ゆえに鍔迫り合いといえども多少のダメージが入ったようだ。
「どうだ?これが同性に貞操を奪われそうになりながらも、必死にノンケとしての誇りプライドを持ち続けた者の一撃だっ!」
俺は勝ち誇る。しかし相手は正真正銘の実力派レズ。精神面においてこの程度で負けるはずはない。
「ふん、、さしずめ窮鼠ネコ(意味深)を噛むと言ったところか、、だがっ!」
レイズンはビキビキと目を怒らせながら剣に魔力を込めた。
「、、少し本気を出させてもらう、っ!」
「きゃあ」と観戦する女騎士たちから嬌声があがる。
そうそれは光。まさしく邪悪な心に似合わない神聖なオーラを纏う。
光魔法は確か強化や浄化に特化した魔法。しかしなんという洗練された魔法剣だ。発動されただけなのに衝撃が伝わってくるようだ。
「光栄に思え、、!これを発動するつもりはなかった、、っ!いくら死なないとはいえ新人相手にこの剣は荷が重すぎると思っていたからな。大した奴だお前は、、!
そしてぇ、、っこれを発動させたからにはぁ、、っ!」
レイズンは剣を振り上げる。
「お前のノンケ心を殺すぅッ!」
まさしく一撃必殺の構え。
だが、、
「俺の勝ちだ、、!」
レイズンのこの行動はこの状況を認識できていない故の行動だろう。風魔法を使いその位置から出来るだけ早く離脱する。
「むっ、、!?」
ずどおおおおおおおおおおん
レイズンが大振りで放った一撃はグラウンドの地面をえぐった。ふう、、なんて奴だ。俺じゃなければ、いや、この致命傷避けの襟足でなければ衝撃がかすっただけでも動けなくなったであろう。
まあ良いそれはさておき、
「何をしている!勝負から逃げるのか!この腰抜けノンケめ!」
地団駄を踏んでいるレズ騎士には申し訳ないが、
「、、この勝負、もうついてるから」
「何!?」
「、、、一撃は一撃、、だよな?」
「!!、、っ!」
そう、先ほど一撃だけ放った風魔法。それに俺は全力を使い放ったのだ。物理的に防いでも魔法ダメージは喰らわざるを得ない。
そう、格上のレズが相手とはいえ、一筋の浅い切り傷くらいならばつけることができる。この浅い、生死にはなんの関係も無い一撃だが、ルール上は俺の勝ちなのだ。
彼女もそれに気がついたのだろう。頬を触り確認すると
「くっ、、!」
今度はレイズンが屈服する番だった。
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