1 / 38
あれ?戦争ってなんだっけ?
しおりを挟む世の中はまさに戦争時代である。
それもただの戦争じゃない。平和な戦争。そう一人も人が死なない戦争だったのだ。
それは大昔に単を発した。
なんかネットとかいろいろ発達し、これ以上特筆すべき発展はなくね?とか、VRゲームってすごくね?でも全然普及しねぇ!
みたいなことが起こった時にそれは起こったのだ。
そう、戦争だったのだ。それは全く勝てる見込みがなかったのだが、そう死ねばもろともだったのだろうか?ともかく始まったのだ。
それはこの世の終わりとも予想できる出来事だったのだが、あまりにも犠牲者は少なく終焉を迎えた。
そう、超帝国の存在である。
超帝国は、色々文明が発達したやべー帝国だ。
兵器とかかがくとかすごいので、もう無敵。戦えば勝てる。でもそれではあまりにも面白くないでしょう?
というわけで他の国の戦争に加担することにしたのだ。いわゆる代理戦争だ。
というか、敵対同士の国の両方の代理戦争を帝国が行っているのだ。実質独り相撲である。とんだ茶番だ。
つまりお金を出して代わりに戦争をしてもらう。そして相手の国にもお金を出してもらって疑似的な戦争をしてもらうのだ。
つまり帝国側の組織は、パフォーマンス的に戦わねばならないのだ。
それも、ただの戦争ではなかった。それはもう娯楽になっていた。文字通り時と場合によっては命を懸けることもあった。
時と場合とは、この場合、戦争を仕掛けた側が提示した条件である。
なんかもう、戦争の常識とかがよくわからなくなるほど変貌したことによって、戦争とはもはや大規模なゲームみたいにとらえていた。つまり言ったもん勝ちで戦争を仕掛けた側が自由にルールを設定できるのである(まあ実際やるのは帝国の下請け組織なのだが)
よくあるのがでかいロボに戦うとか、そしてそれに子供しか乗ってはいけないとか、そういう一昔前のアニメ的シチュエーションが人気だ。
他にもボードゲームとか、将棋というボードゲームのコマを棋士が行い、相手の駒をとる時に戦う。そしてその勝負に使うコマもまた小さい棋士で、そしてまた・・という風なフラクタル式将棋は決着までに数年を要した。
他にも様々なゲームがあるのだが、下請け組織は大変なのだった。なんかクライアントの要求にこたえないと文句言われるし、需要に対し供給が全然足りないのだ。
あっ!これどこかで見たことある!日本のSEとかデザイナーみたいやつだ!親権ゼミで見たやつだ!
「ということで今回の戦争は何なのです?」
私はそう部下に聞いた。顔がかわいいという理由で採用した新人である。かわゆす。
「今回は、普通に殺し合いです」
「え?」
「プレイヤーはフィールドに散らばる武器を奪い合い拾い合って、時に車両も乗り回しながらサドンテス的に狭まる範囲から逃げて殺し合う感じのアレです」
「なんか聞いたことあるようなゲームですねぇ・・」
私はそれを聞いて戦々恐々・・するわけがない。
「よかったー!比較的楽な殺し合いだー!」
「良かったですね」
殺し殺され愛。
相手も殺す代わりにこちらも殺しますよー。達人同士の戦いに見られるそんなやつ。そんな互いを思いやる戦場こそが職場に求められる雰囲気だ。
でもこれは命がかかっている。本当の命。仮想現実じゃない。怖くないのかと言われればこわ・・くない。
「速めに殺されればすぐ帰れる感じのやつですねー」
「こらっ!ダメだぞっ!そんな気分だとすぐ上にばれるぞッ!ちゃんと最後まであがいて最後の命だと思って殺されないと!」
「ですねー」(ほのぼの)
「でも無理はダメだから調子が悪いなと思ったらすぐにでも自殺するんだぞっ!なんか精神錯乱したみたいな演技で!」
そう、なんかよくわからないが、帝国の謎の技術・・・・死んでもなんか脳波データとか遺伝子情報とかで復活できるので、まあ実質ゲームみたいなものなのだ。倫理的にはどうとは思うけども。っていうか倫理ってなんだろう?人間らしさって人それぞれじゃない?人間らしさが必ずプラスの意味に捕らえるみたいな癖やめようよ。そういう風評みたいなやつ!!
まあ痛いのだけは勘弁だが、まあそこは慣れ・・・だよね。給料いいし、まあ一瞬痛いだけなら我慢できるよね。っていうか最近痛みを感じなくなってきてるけど、もしかして新人類的な意識変化が起こっているのかもしれない。いや痛みは感じるんだけど痛みを客観的にとらえることができるみたいな。いやこれは危険だ。亜人みたいに人の心がわからないとか難癖付けられて実験されるかもしれない。
というわけでフィールドについた。
さて、さっそく武器を拾うか。よし、あそこに弓矢が・・・はんがーげぇむだよ!!
と思ったら後頭部に違和感。
「うひー!!」
「ガッ!」
いきなり殴ってくる奴がいるか!!
と思ったらお前か。
「そうだぞ。われは筋肉しか取り柄がないかな」
「ごんざれす、G!」
私は倒れたままで血の海に沈みながら叫んだ。
そう、ベテランになってくると顔見知りなども増えてくる。
ごんざれすGはそのたぐいまれなる筋肉量から、普通の武器を使うことができない。なんかすぐ壊れるらしい。
だがそれをもって余りある筋肉がすごい。もう一発殴られただけで死ぬもん。まさにゴリラだな。人類か怪しあ、死ぬ。今死んだ。
というわけで私は開始二秒でリタイアしたのだった。
というわけで今月の仕事は終わりだぁあああ!!!
私はなんかブルーライトで照らされた個人用プールからガット起きた。全裸で平泳ぎしながら上がるとなんか機械っぽいアームがセ!ミ!ア!って感じでイイ感じに衣服を装着してくれる。いやあいいよね機械触手。なんか興奮する。人どころか生命以外のものに欲情するとは私はもしかしてサイコパス?!
まあどうでもいいや。ともかく今月はお休みなのだ。こんな生活ができるのは速筆の小説家か私らしかいないだろう。
そう、あの島での仕事は一か月くらいを予定していた。つまり今月まで他の仕事をしなくてもいいみたいな感覚なのである。
いや供給が追い付いてないんだから別のことしろよとか言われるかもしれないが、まあそれでも特権みたいなのはあるのだ。決まり的にね。
ただでさえ精神を病む人が多いので、なんかある程度仕事の間は開けとけみたいな。まあ気を遣うというよりも、日本のブラカン(ブラックカンパニー)みたいに使い捨てるよりかは、大切にして長く使おうという算段なのだろう。帝国わかってるぅ~♪
というわけで、私たちは、死んでも良いという方を募集しています!!採用試験はロシアンルーレットです!面接官との楽しいゲームを完遂することができれば即採用!即戦力!!
応募はこちらまで●●●ー●●●●―●●マ●
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる