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第2章

嘆きの歌

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 いまやほとんど形をなしていない宴の輪にも、その外にも、レオニダスの姿はなかった。  
  城市の門を固めるテバイ人の歩哨たちに《獅子隊》の隊長を見かけなかったかと訊ねると、彼らは意味ありげに目を見交わし、クレイトスに向かって同時に頷いた。 

 「あの御方ならば、この門をくぐって入って行かれた」 

 「もうずいぶん前のことだ。宴の半ばほどのことだった」 

  歩哨たちの声は、何者かに聞きつけられることを恐れているかのように、低くひそめられていた。 
  視線は絶えずちらちらと門の内側に向かい、侵入者よりも、門の中から出てくるもののほうを警戒しているようだった。 

 「誰かと御一緒だったか?」 

  クレイトスは完璧な平静さを保って問いかけたが、心の内では、もしもそうであったとしたら自分はその「誰か」に嫉妬せずにはいられないと思った。 
  テバイ人たちは、兜を被った頭を振った。 

 「あの御方は、一人で行かれた。たった一人で」 

 「俺たちは、止したほうがよいと言った。だが行ってしまったのだ」 

  いまや彼らは、怯えていることを隠そうともしていなかった。 
  テバイ人たちのたいへんな迷信深さは、ラケダイモンの男たちにとっては滑稽とさえ言えるほどのものだった。
  彼らは皆、呪術的な装身具をいくつも身につけ、ささいな事柄を悪霊の存在と結び付けては奇妙な呪文を唱えて安心している。
  戦場においては勇士と讃えられる男でさえもだ。 

  いつもならば、笑い飛ばすところだった。 
  だが、彼らの真剣な様子に呑まれ、クレイトスは我知らず不安を覚えた。 

  大勢の人間が生命を落とした場所では、人は、得てして死に引き寄せられるという。 
  悪霊の祟りなど、恐れはしない。
  だが……あの方の御身に、万が一のことがあったら? 
  プラタイアの残兵が暗がりのどこかにひそみ、昼間の狙撃兵のように、あの方に矢を向けるようなことがあったら―― 

「あの御方は、悪霊を恐れないのか?」 

 「レオニダス様は、何者も恐れはしない」 

  テバイ人たちに向かい、それだけを言い放って、クレイトスは足早にプラタイアの城門をくぐった。 
  足元の地面には大量に流された血がこびりついたままで、汚れていない箇所を選んで歩こうとしても空しいほどだった。
  サンダルの裏に不快な感触を味わいながらも、クレイトスは素早く視線を巡らし、無数の影の中にフィロメイラクスの姿を求めた。 

  辻々には消えない悪臭が漂い、呼吸を浅くしなければ吐き気がこみ上げてくる。 
  戦勝の宴を抜け出し、レオニダスがこんな場所にたった一人で何をしに来たのか、クレイトスには分からなかった。  

  ――どこにいらっしゃるのだろう、どこに?
  必死にその姿を探し求める心には、レオニダスの身を案じる感情と、一刻も早くレオニダスのもとにたどり着いて安心を得たいという感情が複雑に入り混じっていた。 
  だが、クレイトスは、決して駆け出しはしなかった。
  ラケダイモンの男として、恐怖に背を押されて走るなどという醜態を自分自身に許すことは、どうしてもできなかったのだ。 

  意識して一定の歩調を保ちながら、彼はふと、自分が昼間に歩いた道を忠実に辿っていることに気付いた。 
  神殿へと至る道だ。  
  そして、神殿の建物と、そこに続く階段が見えてきたとき、クレイトスは不意に足を止めた。  

  そこに、レオニダスがいた。 
  彼は、神殿の入り口へと続く階段の最も上の段に、閉ざされた扉に背を向けて腰を下ろしていた。 
  そうして月を振り仰ぎ、身じろぎもしなかった。 

  求めていたフィロメイラクスの姿を見上げながら、クレイトスは、足も舌も、動かすことができなかった。 
  月光に照らされたレオニダスの姿は、人間のようには見えなかった。
  まるで、オリュンポスの神が人知れず地上に降り、深い物思いに耽っているかのようだった。  

  クレイトスは、はっとして目を見開いた。 
  不意に、歌声が聴こえてきたのだ。
  密やかで、憂愁に満ちた、心を震わすような歌声が。 
  幻聴ではないかと一瞬、疑った。 
  そうではなかった。 
 《半神》が、歌っているのだ。 



  武具をきらめかせ
  あまたの血を流して  
  武人たちは華やかに
  戦場に名誉を競う 

 類まれなる盾と鎧は
  神々の軍勢にも似て  
  鋭き穂先を連ねる長槍は
  さながら白銀の林のよう 



 この方はいったい幾つの、余人には見せぬ顔を持っておいでなのだろう。
  クレイトスは思った。
  教養深く、いくつもの詩歌を諳んじる方だとは聞いていた。
  実際に耳にしたのはこれが初めてだ。 
  ああ、百眼の怪物アルゴスをも眠りに誘ったヘルメス神の葦笛の響きのように、この方の声は、なんと深く胸を打つのだろう。 
  そして、英雄たちの勇戦の様を歌いながら、この方はなぜ、こんなにも悲しげな声をなさるのだろう―― 



 おお、誰が知ろう? テミスの娘、運命の女神モイラたちの他には 
  これと同じことが 過去に幾度繰り返されたのか? 
  戦いの時と平和の時は 糸車のように巡り 
  永久に終わることはないのだろうか? 

  朗々たる歌声が 風に紛れて消え去り、 
   荘厳な建物が 塵となって崩れるように、 
  我らの為したことも やがては忘れ去られ、 
   星々の光の下で 永遠の沈黙のうちに横たわるのだろうか? 



  悲痛とさえ言える調子で最後のことばを終えたレオニダスは、静かに頭を垂れた。 
  絶望に打ちひしがれたようにも、祈っているようにも見えた。 

  歌い手の心からあふれた感情が、海面を伝わる波のようにクレイトスの胸を浸した。  
  その感情が何であるかを悟ったとき、立ち尽くしたクレイトスの頬を、我知らず涙が伝っていた。 

  ――虚しさ。 
  それは、虚しさだった。
 
  誰一人として並ぶ者なき戦歴を誇り、《半神》と讃えられ……
 百の勝利をおさめ、千の武勲を立て、それでもレオニダスは、自分の為したことの意味を見出しかねていた。 

  戦士の名誉を守り、戦い、勝つ。
  それは崇高なことだ。 
  だが、何の意味があるのだ? 

  なぜ戦う? 何のために?
  名誉を守る? 何のために? 

  千の死、万の死をもたらす戦争のなかで、どれほど英雄的な気高い行為も、どれほど輝かしい勝利も、それが、いったい何になるというのだ。 
  自分たちがこの大地の上で為していることは……あるいは、大海のなかで食らい合う、ちっぽけな小魚たちの争いに等しいのではないか? 

 そうであるとすれば…… 
 自分たちは、いったい、何のために…… 

(レオニダス様……) 

  胸が、抉られるようだった。 
  これほどの虚無感を抱えながら、あなたは、これまで皆を導いてこられたのか。 
  剣を振るうその腕に絡みつく鎖が、どれほど重かったことか。 
  そして、最も近くにいながら、今この時まで、あなたの苦しみの片鱗すら察することができなかった自分は―― 

 クレイトスはよろめきながら後ずさり、踵を返して走り出した。 
  レオニダス様をお慰めする?
  自分にそんなことができるわけがない。
  いったい、何を言う資格があるというのだろう。 

 『愛人メイラクスならば……な? 分かっているだろう、そのへんは』  

  できない。 
  レオニダス様から、そんな行為を求められたことは一度もなかった。 
  思えば、自分があの方から何かを求められたことなど、一度でもあっただろうか? 
  自分は、いつも添え物のようにあの方の傍らにいただけで、あの方の力となるようなことは、何ひとつできなかった―― 

 では、自分は、何のためにここにいるのだ? 

  無力感に打ちのめされ、クレイトスは汚れた石畳の上に膝をついた。 
  あと少し戻れば、テバイ人の歩哨たちが守る城門に着いてしまう。
  こんな無様な姿を他人に見せたくはなかった。 
  だが、いつまでもここでぐずぐずしていては、レオニダス様が戻っておいでになるかもしれない…… 

 こんな姿をご覧になれば、レオニダス様は驚かれるだろう。 
  叱責されることはないと、分かっている。
  レオニダス様はただ少し目を大きくしてこちらを見つめ、しばらくしてから、静かな声でこう訊ねられるだろう。 

 『どうした、クレイトス』 

  耐えられそうになかった。 
  立ち上がり、涙を拭った。 
  壁に手をつき、深く息をついて呼吸を整える。
  ここにもひどい臭気が漂っているはずだが、慣れてしまったらしく気にもならなかった。 

  最後に大きく息を吐き、彼は宴の場に戻ろうとした。 
  そうして一歩、踏み出しかかったとき――
 背後から音もなく伸びてきた腕が、クレイトスの首に巻きついた。  

  しまった! プラタイアの生き残りか?  
  クレイトスは首を絞め上げられながら、自分自身の迂闊さを呪った。 
  平静な状態だったなら、これほど接近を許す前に気付いたはずだ。なんという間抜けだ!

  反射的に、腰の後ろに差した短剣を探る。
  だがそこに手が届く前に、身体を壁に押し付けられ、腕を捕らえられて捩じ上げられた。 
  クレイトスは必死に首をひねり、敵の姿を確かめようとした。 

 「テバイ人どもが、おまえがレオニダスを追って市内に入ったと教えてくれたよ」 

  低い声が耳元で囁き、クレイトスは衝撃とともに、自分を捕らえた相手の正体を悟った。 

 「《半神》どのには会えたか? クレイトス」 

  クレイトスは答えなかった。
  ディオクレスの口調に、危険なものを感じたのだ。 
  幾分か酔っているようだが、酩酊というほどではない。冷静だ。 
  それが、かえって不気味だった。 

 「俺とは、口も利かんというわけか? 随分と嫌われたものだな」 

 「何のおつもりです」 

  喉を絞め上げられているためにしわがれてはいたが、少なくとも自分で満足できる程度には平静な声を出すことができた。 
  だが、ディオクレスはその声にわずかながら滲む動揺を感じとったらしく、それを愉しむようにくっくっと笑った。 

 「なぜ、泣いていた?」 

  この問いかけには、答えられなかった。
  答えるつもりもなかったが、もしもその気があったとしても、喉が詰まって声にはならなかったろう。 
  ディオクレスは若者の首にかけていた腕を緩めると、その手をクレイトスの顎にかけ、強引に自分の方を向かせた。 
  間近から顔を覗き込まれ、クレイトスは嫌悪感に駆られて顔を背けた。 

 「レオニダスにそれほど手酷く抱かれたのか?」 

  揶揄するような調子で言われ、思わずかっとなった。 
  力任せに相手を振りほどこうとしたが、巧みに関節を極められ、それ以上の身動きを阻まれる。
  ディオクレスは、レオニダスと首位の座をかけて争うほどのレスリングの名手だった。 
  若者の抵抗を面白がるように見つめていたディオクレスだが、やがて肩をすくめて言った。 

 「まあ、あの岩石の親類のような男に、そんな甲斐性があるとも思えんがな」 

 「僕のフィロメイラクスを侮辱なさるおつもりですか」 

  このような暴言を許してはおけなかったが、身動きひとつままならぬ自分が情けない。 

 「――おまえは、それで満足できるのか?」 

  不意に今までとは違う調子で、ディオクレスは言った。 
  声に含まれた笑みが抜け落ち、凄味を感じるほど真剣な口調になった。 

 「ペルシャの大王の後宮にも、おまえほど美しい男はいまい。これほどの美しさを、遠くから眺められ賛美されるだけで満足するのか」 

 「何を……」 

 「昂ぶる欲望を持て余したことはないのか? 肉の疼きを耐えながら、長い夜を明かしたことは?」 

  顎を離れた手が喉元を滑り降り、力強い指がクレイトスの鎖骨をなぞった。
  嗜虐的な低い声に耳元をなぶられ、クレイトスは背筋が不吉にざわめくのを感じた。 

 「やめろ! 離せ!」 

 「これはこれは……こんな可愛らしい愛人メイラクスを持ちながら手を出さんとは、あの男、本物の不能かな」 

 「レオニダス様をそれ以上……っ」 

 「愛人に満足を与えてやるのも、フィロメイラクスの務めのひとつだ。あの男には、その資格はない」 

  冷ややかに言い放ち、ディオクレスはクレイトスの首筋を舐め上げた。 

 「俺が、おまえに肉の悦びを教えてやる」 

  クレイトスは思い切り身体をひねり、ディオクレスの足を踵で踏み抜いた。 
  さすがに効いたらしく、ディオクレスが大きく呻いて前かがみになる。 
  一瞬後、彼が顔を上げたとき、その喉元には、クレイトスが抜き放った短剣が正確に突き付けられていた。 

 「僕を抱いて、レオニダス様への意趣返しになさるおつもりですか?」 

  さしものディオクレスが、軽口を返すことができなかった。 
  大きく見開かれたクレイトスの青い目は、怒りに底光りしていた。
  うかつな口を叩けば、本当に喉を掻き切られかねないと感じさせる凄味がある。 

 「まさか、ね。ディオクレス様ともあろう方が、そんなみっともない真似をなさるなどとは、とても信じられませんから……」 

 「――ディオクレス様!?」 

  不意に響いた頓狂な声に、二人の男は同時に視線だけをそちらに向けた。 
  いや、クレイトスは素早く短剣をおさめ、鞘に落とし込んでいる。 

  通りの角からひょっこりと姿を現し、その場に立ちすくんでいるのは、ディオクレスの愛人であるヘファイスティオンだった。
  彼もまた、自分のフィロメイラクスを追ってきたのだ。  

  今の出来事を見られただろうか?
  クレイトスは、険しい視線で少年を見据えた。
  味方に剣を向けたなどと後で報告されては、面倒なことになる。 

  ヘファイスティオンのほうは、何が起こっていたのか理解できていない様子で、ディオクレスとクレイトスを交互に見比べていた。 

  ディオクレスはゆっくりと背筋を伸ばすと、クレイトスに視線を据えてかすかに唇を歪め、踵を返して城門の方へと去っていった。 
  ヘファイスティオンが、慌ててその後を追う。
  少年は、一度だけ振り返り、敵意に満ちた眼差しをクレイトスに投げつけた。  

  クレイトスは、事の成り行きに呆然として、しばらくはその場に立ち尽くし、動くことができなかった。 




  その頃。
 アテナイの瀟洒な館の中で寝台に寝そべりながら、プラタイアからの伝令によって同盟都市の壊滅を知った男がいた。 
  クレオンだ。 
  彼はまったく動揺を見せずに報告を聞き終えると、手にしていた杯の中の飲み物をくるくると回しながら呟いた。 

 「流された血には、それに見合う対価を――」 

  クレオンは杯に口を付けぬまま、静かにそれを傾けた。 
  水で割られた葡萄酒は床の美しいモザイク模様を汚し、あっという間に広がっていった。 
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