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第1章
ラケダイモンにおける、若い夫婦の生活
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「はっはははははは!」
薄明かりを灯した寝室で、リュクネは、膝を叩いて大笑いした。
簡素な毛織の衣は丈が短く、腿の半ばまでしかない。
そのため、日に焼け、筋肉の引き締まった美しい脚線があらわになっていた。
飾り物のたぐいはひとつも身につけていないが、それでも、彼女はとても美しい、とレオニダスは思った。
溌剌とした生命力が光となって、彼女の内側からあふれ出ているようだ。
「それで、婿殿」
目尻の涙をぬぐいながらリュクネは言った。
「部下たちがなぜ慌てたか、あなたには分からなかったのか?」
「ああ」
妻に対するときも、やはり口数は少ないレオニダスである。
ラケダイモンの女性は強い。
たとえばアテナイの女たちは、結婚したあとは祭礼の見物のときくらいしか外を出歩くことができなかった。
ラケダイモンの女は、男たちと同じように運動をし、心身を鍛えた。
いずれ都市国家を守る戦士となる健康な子どもを生むためには、まず母親が強い体を持たなければならぬと考えられていたからだ。
また、彼女らは少女のころに一族の女たちから教育をほどこされ、教養もあった。
そのためか、男に対しても互角にものを言う女性が多い。
リュクネは、そんな女たちのなかでも別格だった。
一言で言えば、女傑である。
彼女にはいくつかの二つ名が捧げられていたが、そのひとつに「牙を砕く者」というのがあった。
彼女は十一歳のころ、友だちと花を摘んで遊んでいたときに野犬に襲われ、すさまじい格闘の末、とうとう野犬の首を絞め上げてへし折ったのだ。
くくくくく、と身を折って笑い転げていたリュクネは、ようやく顔を上げると、部屋の入り口に突っ立ったままのレオニダスのところへやってきた。
「すまない。さあ、婿殿、武装を解くのを手伝おう」
リュクネはレオニダスの腰に腕を回し、剣帯をはずした。
次は鎧。戦士の胴や肩、腹部、急所などを守る鎧は、いくつもの部分からなっている。
リュクネは器用に指を動かしていくつもの結び紐や留め金を次々に解き、ひとつひとつの防具を大切そうに櫃にしまった。
歩兵のためのこれらの装備一式はとても高価なもので、また、金ではあがなえない戦士の名誉を示すものでもあった。
「リュクネ……」
彼女はにっと笑い、レオニダスの衣服を脱がせた。
無数の傷痕が走る逞しい肉体が薄明かりにさらされた。
リュクネは両手で夫の頬を挟んで口づけ、首に腕を回して抱きついた。
レオニダスは荒々しく彼女を抱きしめた。
リュクネは抗うふりをしたが、《半神》の腕にとらわれてはとうてい勝ち目がないことを知っていた。
それこそが彼女の望むことだった。
「ああ、婿殿」
リュクネの身体を包んでいた衣が足元に落ちる。
肌に夫の力強い指の感触を味わいながら、彼女は呻いた。
「あなたの指は、舌よりもずっと雄弁だな」
「すまない」
「いいや、これでいい」
レオニダスは黙って妻の顔を見つめた。
リュクネは微笑んだ。
「あなたのような夫を持つわたしは、幸せだ」
ラケダイモンの戦士すべてが、それぞれの心の神殿に、神聖な女神の面影を住まわせる。
死と向き合う決戦の場で、過酷な行軍のさなかで、その面影が彼らに力を与え、戦う気力を奮い起こさせる。
レオニダスにとって、リュクネのこの表情こそがそれだった。
二人は互いの身体を熱心に愛撫しあった。
レオニダスの興奮が堪えきれないところまで昂ぶると、リュクネは寝台に横たわり、両手を差し伸べた。
やがて、心地よい疲労に身を任せ、二人は並んで寝台に横たわった。
レオニダスは黙って天井を見上げながらリュクネの髪を触り続け、リュクネは、彼の胸に頬を押し当てて夫の鼓動に耳を傾けていた。
「婿殿、何を考えている?」
「明日のことを」
レオニダスは呟き、次の瞬間、低く呻いた。
リュクネが、彼の無防備な脇腹をつねったのだ。
「こういうときは、おまえのことを考えている、と言うものだぞ」
「……すまない」
「許してもいいが……そのかわり、わたしが喜ぶようなことを何か言ってくれ」
「何?」
「何でもいいから。そう、たとえば、わたしの姿を誉めてみてくれ」
レオニダスは途方に暮れた。
言葉をもって女性を喜ばせるなどという芸当は、彼にとっては地の果てを極めるよりも困難だ。
「ああ……」
菫させるひと、とか、我が暁の女神とか、そういう詩人が使いそうな言い回しを自分が口にしても滑稽なだけだろう。
リュクネの身体の美しい部分といえば、やはり目だろうか。
まるで炎が燃えているように力強く、生気にあふれている。
気性の活発さをあらわした顔立ちも愛おしかった。
そして肌。つややかで張りがあり、それでいてしっとりと吸いつくようにみずみずしい。
誇らしげに上を向いた胸もすばらしく、そしてもちろん、とても口には出せないようなところも……
それまで真面目な顔をしていたリュクネは、とうとう吹き出し、それでも足りずにけらけらと笑い転げた。
「ああ、まったく! 婿殿、あなたの口は、言葉の大河をせき止める堤防だな」
「いろいろと、思うことは、思うのだが……うまく、言葉にできない」
「だから、部下たちも困るのだろう」
リュクネは寝台の上に起き直り、笑って夫を見下ろした。
「『誰も罰しはせん。お前たちは、誇り高いラケダイモンの戦士だ。分かっているな』――それだけ聞けば、まるで突き放すような、針のごとき皮肉だ。彼らがいっそう動揺してしまったのも無理はない」
「そんなつもりでは」
レオニダスは言いかけ、言葉を切った。
長い沈黙をはさみ、やがて、深い溜め息をつく。
「いつも、こうなのだ。俺の舌は神々に呪われているらしい。……明日から、また少年を側に付けなければならないが、きっと、ろくな事にならんだろう」
彼にしてはずいぶんと長く喋っている。
リュクネは夫の肩に手をかけ、首を振った。
「大丈夫だ。新しい部下たちは皆、あなたを敬愛するだろう。あなたは、あなたらしくいればいい。強く、誇り高く、口下手な《半神》のままで」
それでも心が晴れぬ様子の夫の身体を無理やりうつぶせに転がして、リュクネはその逞しい背中から首筋、腕にかけてをマッサージしはじめた。
彼女の指は力強く、軟弱な男なら悲鳴をあげかねないほどのものだ。
「痛いのだが……」
「疲れているせいだ、すぐにほぐれてくる。黙って、わたしに任せろ」
リュクネの言葉どおり、やがて痺れるような痛みのなかに疲労が溶け出してゆくのが分かった。
レオニダスは、静かに眠りに落ちた。
つかのま悩みを忘れて心身を癒し、再びの戦いに備える戦士の眠りに。
レオニダスがすっかり寝入ってしまうまでマッサージを続けたリュクネは、ほっと小さく息を吐き、夫の傍らにぴったりと寄り添って目を閉じた。
薄明かりを灯した寝室で、リュクネは、膝を叩いて大笑いした。
簡素な毛織の衣は丈が短く、腿の半ばまでしかない。
そのため、日に焼け、筋肉の引き締まった美しい脚線があらわになっていた。
飾り物のたぐいはひとつも身につけていないが、それでも、彼女はとても美しい、とレオニダスは思った。
溌剌とした生命力が光となって、彼女の内側からあふれ出ているようだ。
「それで、婿殿」
目尻の涙をぬぐいながらリュクネは言った。
「部下たちがなぜ慌てたか、あなたには分からなかったのか?」
「ああ」
妻に対するときも、やはり口数は少ないレオニダスである。
ラケダイモンの女性は強い。
たとえばアテナイの女たちは、結婚したあとは祭礼の見物のときくらいしか外を出歩くことができなかった。
ラケダイモンの女は、男たちと同じように運動をし、心身を鍛えた。
いずれ都市国家を守る戦士となる健康な子どもを生むためには、まず母親が強い体を持たなければならぬと考えられていたからだ。
また、彼女らは少女のころに一族の女たちから教育をほどこされ、教養もあった。
そのためか、男に対しても互角にものを言う女性が多い。
リュクネは、そんな女たちのなかでも別格だった。
一言で言えば、女傑である。
彼女にはいくつかの二つ名が捧げられていたが、そのひとつに「牙を砕く者」というのがあった。
彼女は十一歳のころ、友だちと花を摘んで遊んでいたときに野犬に襲われ、すさまじい格闘の末、とうとう野犬の首を絞め上げてへし折ったのだ。
くくくくく、と身を折って笑い転げていたリュクネは、ようやく顔を上げると、部屋の入り口に突っ立ったままのレオニダスのところへやってきた。
「すまない。さあ、婿殿、武装を解くのを手伝おう」
リュクネはレオニダスの腰に腕を回し、剣帯をはずした。
次は鎧。戦士の胴や肩、腹部、急所などを守る鎧は、いくつもの部分からなっている。
リュクネは器用に指を動かしていくつもの結び紐や留め金を次々に解き、ひとつひとつの防具を大切そうに櫃にしまった。
歩兵のためのこれらの装備一式はとても高価なもので、また、金ではあがなえない戦士の名誉を示すものでもあった。
「リュクネ……」
彼女はにっと笑い、レオニダスの衣服を脱がせた。
無数の傷痕が走る逞しい肉体が薄明かりにさらされた。
リュクネは両手で夫の頬を挟んで口づけ、首に腕を回して抱きついた。
レオニダスは荒々しく彼女を抱きしめた。
リュクネは抗うふりをしたが、《半神》の腕にとらわれてはとうてい勝ち目がないことを知っていた。
それこそが彼女の望むことだった。
「ああ、婿殿」
リュクネの身体を包んでいた衣が足元に落ちる。
肌に夫の力強い指の感触を味わいながら、彼女は呻いた。
「あなたの指は、舌よりもずっと雄弁だな」
「すまない」
「いいや、これでいい」
レオニダスは黙って妻の顔を見つめた。
リュクネは微笑んだ。
「あなたのような夫を持つわたしは、幸せだ」
ラケダイモンの戦士すべてが、それぞれの心の神殿に、神聖な女神の面影を住まわせる。
死と向き合う決戦の場で、過酷な行軍のさなかで、その面影が彼らに力を与え、戦う気力を奮い起こさせる。
レオニダスにとって、リュクネのこの表情こそがそれだった。
二人は互いの身体を熱心に愛撫しあった。
レオニダスの興奮が堪えきれないところまで昂ぶると、リュクネは寝台に横たわり、両手を差し伸べた。
やがて、心地よい疲労に身を任せ、二人は並んで寝台に横たわった。
レオニダスは黙って天井を見上げながらリュクネの髪を触り続け、リュクネは、彼の胸に頬を押し当てて夫の鼓動に耳を傾けていた。
「婿殿、何を考えている?」
「明日のことを」
レオニダスは呟き、次の瞬間、低く呻いた。
リュクネが、彼の無防備な脇腹をつねったのだ。
「こういうときは、おまえのことを考えている、と言うものだぞ」
「……すまない」
「許してもいいが……そのかわり、わたしが喜ぶようなことを何か言ってくれ」
「何?」
「何でもいいから。そう、たとえば、わたしの姿を誉めてみてくれ」
レオニダスは途方に暮れた。
言葉をもって女性を喜ばせるなどという芸当は、彼にとっては地の果てを極めるよりも困難だ。
「ああ……」
菫させるひと、とか、我が暁の女神とか、そういう詩人が使いそうな言い回しを自分が口にしても滑稽なだけだろう。
リュクネの身体の美しい部分といえば、やはり目だろうか。
まるで炎が燃えているように力強く、生気にあふれている。
気性の活発さをあらわした顔立ちも愛おしかった。
そして肌。つややかで張りがあり、それでいてしっとりと吸いつくようにみずみずしい。
誇らしげに上を向いた胸もすばらしく、そしてもちろん、とても口には出せないようなところも……
それまで真面目な顔をしていたリュクネは、とうとう吹き出し、それでも足りずにけらけらと笑い転げた。
「ああ、まったく! 婿殿、あなたの口は、言葉の大河をせき止める堤防だな」
「いろいろと、思うことは、思うのだが……うまく、言葉にできない」
「だから、部下たちも困るのだろう」
リュクネは寝台の上に起き直り、笑って夫を見下ろした。
「『誰も罰しはせん。お前たちは、誇り高いラケダイモンの戦士だ。分かっているな』――それだけ聞けば、まるで突き放すような、針のごとき皮肉だ。彼らがいっそう動揺してしまったのも無理はない」
「そんなつもりでは」
レオニダスは言いかけ、言葉を切った。
長い沈黙をはさみ、やがて、深い溜め息をつく。
「いつも、こうなのだ。俺の舌は神々に呪われているらしい。……明日から、また少年を側に付けなければならないが、きっと、ろくな事にならんだろう」
彼にしてはずいぶんと長く喋っている。
リュクネは夫の肩に手をかけ、首を振った。
「大丈夫だ。新しい部下たちは皆、あなたを敬愛するだろう。あなたは、あなたらしくいればいい。強く、誇り高く、口下手な《半神》のままで」
それでも心が晴れぬ様子の夫の身体を無理やりうつぶせに転がして、リュクネはその逞しい背中から首筋、腕にかけてをマッサージしはじめた。
彼女の指は力強く、軟弱な男なら悲鳴をあげかねないほどのものだ。
「痛いのだが……」
「疲れているせいだ、すぐにほぐれてくる。黙って、わたしに任せろ」
リュクネの言葉どおり、やがて痺れるような痛みのなかに疲労が溶け出してゆくのが分かった。
レオニダスは、静かに眠りに落ちた。
つかのま悩みを忘れて心身を癒し、再びの戦いに備える戦士の眠りに。
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