4 / 24
第一章 間宮里未の心酔
3
しおりを挟む少し沈んだ太陽の光はまだ眩しくて目が覚める。
「ん…あれ…私、いつの間に寝てたんだろう…」
体を起こし、自分の家ではないことに少し驚く。卓人が用意してくれた自分の部屋。
「そっか…私、あの人といることを選んだんだっけ…」
そばに置かれた時計に目をとめる。
3:10…もうそんな時間か…。
よく見ればこの家、ちゃんとした生活感のある家のようだ。最低限の家具以外の物がある点、若さを感じる。
「卓人くん?いるの?」
物音一つしない。外の音すら聞こえない…。
静かすぎると思った。空調設備はどこも作動していなかったが、寒く感じ肩をさする。
リビングまで歩いて卓人がいないことを確認する。
私が起きた時、卓人が着ていたパーカーが掛けられていた。私にパーカーを掛けてどこかへ出かけたようだ。
薄情な人。私、まだここ来たばかりで不安なのよ、これでもちゃんと女の子なのよ。
「何で?私を置いてどこ行くっていうのよ…」
「──何か言った?」
「ヒェッ!?た、卓人くん…!?」
「ごめん、また驚かせたね。どうしたの、もしかして…寂しかった?」
誰もいないと思ってたのに。驚きを他所に当の本人、卓人はニヤニヤしていた。
楽しそうに聞かれて面白がってるのが分かる。本当にそうだって答えたらどうだっていうの?優しい言葉の1つでもかけてくれるの?
本当、どうしてそんな気持ちになるのだろう。
私はついさっきまで彼が犯罪者であることを忘れてしまっていた。
「……私、まだ26歳なの」
「え?うん」
「度胸があってもこれでも女の子なの。来たばかりの家で1人って落ち着かないし、こんな場所だし余計に…」
「うん。寂しかったんだね?」
「…そうだって言ってるでしょ…」
何?試されてる?顔が熱くなる。
「そっかそっか(笑)ごめんね?今夜は置き去りにしたりしないよ」
…今夜?
「ねぇ…夜、どこか出かけるつもり?」
「そうだよ。…どうかしたの?僕にとって夜は最高の活動時間だしね。もちろん、ついてくるよね?」
…え?…何かする気なの…?
「…っ行く!」
説明をされてないけど、何かもし悪いことならわざわざ私を連れて行くはずがないと踏んで…。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる