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十九
しおりを挟む「だって…男と女は根本的に違うというか…」
「そうだな…チャイム鳴る」
「え、まじ?次は出た方がいいな。ごめんな、サボらさせて」
「俺がしたことだ。気にするな」
「う、うんっ」
「和馬」
「なに?」
「お前、自覚ある?喋り方、可愛くなってる」
「え、うそ」
「俺といるから気抜けるのか?不良に見えない。…皆の前でもそれはやめろよ」
「…あ、うん…こんな俺でもちゃんと好き?」
「好きだよ」
「良かったぁ…」
ヘラぁと笑ったけど、こういうとこなのかな?
頭ポンポンされちゃった。
「ちゃんと切り替えろよ。甘えるのは俺の前だけな」
「分かってる!さ、戻ろ!」
校舎に二人で戻る。
俺たちのことを理解してくれたクラスの皆は何も言わないだろうけど、違うクラスからはやっぱり、見られてしまう。
「あっ、カズぅ~」
「え、あやちゃん!どうしたの、珍しいじゃん」
「うん、最近、カズ付き合い悪いじゃーん?だからこっちから誘ってみようかな~って」
隣から成海が通り過ぎた時に足を蹴られた。先に階段を降りていった成海を盗み見る。
睨まれてしまった。
「まじで~?でも、あやちゃんごめんっ、俺本命出来ちゃってさぁ。遊べなくなったんだよな、まじごめん!お詫びにさ、皆でカラオケ行こ」
「うっそぉ!?カズ、本命できたの!?おめでたじゃーん!相手、ちょー見たいっ」
「ははっ…ないしょー(笑)」
「え、ずるーい」
「ズルくねーよ。大事なの」
「うわ、その人うらやまーっ!!カズと付き合えるとかめっちゃいいじゃん、ちぇっ…あたし狙ってたのにぃ」
「え、そんな感じ全然なかったよね!?」
「当たり前じゃん。何で危ない橋、渡らなきゃいけないの。でも、良かった。心配してたんだ。好きな子出来てホッとしたわー!いつでも相談聞くからね!」
「あや…お前、いい奴だったんだな…さんきゅ」
「いいえー」
あやと別れて成海を追う。
「成海ー、歩くの早い!」
「女と喋ってるからだろ…」
「あ、ちょっと怒ってる?」
「…ちっ」
最近は舌打ちが照れ隠しのときもあるって理解してきた。
愛されてるって感じて嬉しいな。
「…ふへへ」
「…からかうな。いまここでキスするぞ」
「いや、それはちょっと」
「あの女は」
「え?あ、最近話してないけど、友達だよ!?いい奴でさ、応援してくれた!」
「ふーん、お前のこと好きになる奴いたんだ。…セフレだったからって欲求だけを満たす目的ってのが多いだろ。…あれは少なくとも好きだったんだろ?…モノ好きな女もいるんだな…」
「え?えーと…それは成海にも言えるんじゃ」
「そう。だから俺はモノ好きんだよ」
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