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十二

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「カズ」

シオに呼ばれてハッとする。

「はァーッ……」

「何だよ」

「いや。めんどくさいなって。俺ちょっと前からお前らの関係なんとなく気づいてた。付き合ってはないけど…身体だけってのも何となく、分かってんだわ…毎回ケータイの呼び出しに嬉しそうに出かけるしさ…帰ってきたら気分いいときと落ち込んでるときとさ…差が酷いし…何も言わずに眺めてたけどさ、昨日三春にも話して言ってたんだけど、辛いならやめればいいだろ?」

「やめる…?」

「そうだ。やめたらいいんだよ。好きなのに身体だけを求められて告白したい衝動にかられて…。毎日しんどくなって、泣いて悩んで泣いて悩んで…辛いんだろ?楽になりたいってどっかで思ってんだろ?ならやめればいいだろ。そんな辛い思いしてまで好きになることないだろ。俺はお前を思って言ってんだぜ」

やめる…やめる…やめる。
それはつまり、成海との関係を切れってことか。
そうしたら、辛い思いしないし楽になれるよな。
でも、俺は…。

「やめれない…」

「何でだっ!?カズ!辛いんだろ!?何で楽な道を行かない!?」

「シオ…ありがとう。でも、俺はもうダメなんだ。成海を好きなこと、やめれない。あんな奴でも好きになったらもうダメだ。俺は俺の気持ちに正直でいたいんだ、だから………告白する」

「カズ」

「フラられたら…慰めて」

「…そうだな。カズ、頑張れよ」

「俺、行ってくる。またカラオケ誘って!」

二人に見送られ、成海を探しにカラオケを出る。
近くにはいなくて探し回ったやっと見つけた。
いや、違うな。
待ってたんだ。
俺の家の前で背を預けて待ってたんだ。

「…成海」

「早かったな」

「抜けてきた…何で成海が…ここに」

「…家、入れされろ」

「…うん…」

鍵を開けて中に入れる。
自室に案内する。
ベッドに腰を下ろした俺と、ドア付近でまだ立ったままの成海。

「…えっち…すんだよな…成海」

「え…あぁ…そうだな」

ゆっくり近づいてきて気まずい空気を中俺にキスをする。
自然に舌を入れる。
服を脱がす手が止まる。

「成海?」

「…俺はいらいらしてんだ…さっきあいつに言われるまで気づかなかった。お前のこと、気づかなかったわけじゃない。気づかないふりしてた。都合いいように扱ってた…なのにお前可愛いし…エロいし…欲しくなった…ほかの奴が知らない俺だけが知ってるお前がもっと知りたかった…欲しくなった。」

 フラッともたれ掛かって押し倒される。





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