上 下
1 / 21

しおりを挟む
 

 誰もいない教室で女の子と肌を重ねる。
 何度も別の女の子にしてきた行為。
 乳房を揉んで乳首を刺激し、咥えたり、割れ目を掻き乱してコンドーム付けた俺のそれをねじ込み、出し入れして果てる。
 いつもの行為。
 それだけで毎日が満たされる。
 シたくなって女の子を呼んだら来てくれる。
 おかげで精液はすべて女の子が出させてくれる。自慰なんてしなくて良かった。
 俺はこの状態をひどく満足していた。
 こんな生活をシオはどう思うかな。
 多分引かれる。
 あいつは何も言わないけど意外と真面目だし、女の影とかあんま無いし。

「ありがと。落ち着いたら出な。またね」

 シャツを羽織って部屋を出る。
 まだ体の熱は治まらなくて冷やす意味もあってシャツのボタンは開けっ放しにした。
 階段に差し掛かったときに下からやって来る人とぶつかって、そいつはそのまま後ろに倒れていく。

「え?え、ちょっ!危ないっ!」

 とっさに腕を掴んで引っ張る。

「わりっ!大丈夫か!?」
「…どうも」

 ストレートな髪と普通より長い前髪。
 目が隠れるか隠れないか。
 わ、うわ…びびった…。
 失礼にもほどがあるが、ツッコミしか出てこない。
 こんな奴いたっけ…。
 女とシオしか交流がない。言って、女は名前を把握してない子もいたけど…。
 そんなぼんやり思考を打ち消すような目でそいつは俺を睨みつけてきた。

「え」
「チッ」

 舌打ちされた。
 はあ?
 こいつッ!
 ちょっと見てただけでっ!
 見た目に反してなまいきかよ!?
 何て考えてたらまた睨まれた。

「前閉めろよ、汚ねぇ…」

 言われた言葉にカチンとくる。
 まじか、こいつ…あー、なるほどな。
 けどまぁ、悪いのは俺ね。

「閉める閉める!あー、だから、んな…すぐ睨むとかやめて欲しいんだけど。なんか言いたいことでもあんの?」
「無ェよ、通りかかって見たくもないもん見せられたのはこっちなんだよ…つか用ないからもういい?」
「あ、うん」
「ハァ…」

 ため息思いっきり俺の前でついて去っていった。
 俺はなんとなくそれをぼんやり見送ってしまっていた。
 何なんだよ…。
 颯爽と嵐が去った気分だった。

「あーー」

 なんかモヤモヤする。何でだ?
 そんな関わってもないのに、あんなやり取りを無かったことに出来ないなんて。





 家に帰ってベットにダイブするなり、枕に顔押し付ける。
 あれ、なんだったんだ…?
 なんで、こんなにも残って仕方ないんだ。
 あいつ、ちょっと影みたいだけど、一瞬だけ風でなびいた時、前髪が揺れて綺麗な瞳が俺を見た気がした。
 誰かにこの気持ちわかってほしい。
 意味わかんないけど、なんか、忘れられない。

「…明日もあいつに会ったりするかな」

 ちょっとした好奇心。またあの瞳を見てみたいような。
 …落ち着かない。
 目的もなく、散歩だと告げ家を出た。
 公園に差し掛かった所で変なものを見た。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

処理中です...