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一
しおりを挟む誰もいない教室で女の子と肌を重ねる。
何度も別の女の子にしてきた行為。
乳房を揉んで乳首を刺激し、咥えたり、割れ目を掻き乱してコンドーム付けた俺のそれをねじ込み、出し入れして果てる。
いつもの行為。
それだけで毎日が満たされる。
シたくなって女の子を呼んだら来てくれる。
おかげで精液はすべて女の子が出させてくれる。自慰なんてしなくて良かった。
俺はこの状態をひどく満足していた。
こんな生活をシオはどう思うかな。
多分引かれる。
あいつは何も言わないけど意外と真面目だし、女の影とかあんま無いし。
「ありがと。落ち着いたら出な。またね」
シャツを羽織って部屋を出る。
まだ体の熱は治まらなくて冷やす意味もあってシャツのボタンは開けっ放しにした。
階段に差し掛かったときに下からやって来る人とぶつかって、そいつはそのまま後ろに倒れていく。
「え?え、ちょっ!危ないっ!」
とっさに腕を掴んで引っ張る。
「わりっ!大丈夫か!?」
「…どうも」
ストレートな髪と普通より長い前髪。
目が隠れるか隠れないか。
わ、うわ…びびった…。
失礼にもほどがあるが、ツッコミしか出てこない。
こんな奴いたっけ…。
女とシオしか交流がない。言って、女は名前を把握してない子もいたけど…。
そんなぼんやり思考を打ち消すような目でそいつは俺を睨みつけてきた。
「え」
「チッ」
舌打ちされた。
はあ?
こいつッ!
ちょっと見てただけでっ!
見た目に反してなまいきかよ!?
何て考えてたらまた睨まれた。
「前閉めろよ、汚ねぇ…」
言われた言葉にカチンとくる。
まじか、こいつ…あー、なるほどな。
けどまぁ、悪いのは俺ね。
「閉める閉める!あー、だから、んな…すぐ睨むとかやめて欲しいんだけど。なんか言いたいことでもあんの?」
「無ェよ、通りかかって見たくもないもん見せられたのはこっちなんだよ…つか用ないからもういい?」
「あ、うん」
「ハァ…」
ため息思いっきり俺の前でついて去っていった。
俺はなんとなくそれをぼんやり見送ってしまっていた。
何なんだよ…。
颯爽と嵐が去った気分だった。
「あーー」
なんかモヤモヤする。何でだ?
そんな関わってもないのに、あんなやり取りを無かったことに出来ないなんて。
★
家に帰ってベットにダイブするなり、枕に顔押し付ける。
あれ、なんだったんだ…?
なんで、こんなにも残って仕方ないんだ。
あいつ、ちょっと影みたいだけど、一瞬だけ風でなびいた時、前髪が揺れて綺麗な瞳が俺を見た気がした。
誰かにこの気持ちわかってほしい。
意味わかんないけど、なんか、忘れられない。
「…明日もあいつに会ったりするかな」
ちょっとした好奇心。またあの瞳を見てみたいような。
…落ち着かない。
目的もなく、散歩だと告げ家を出た。
公園に差し掛かった所で変なものを見た。
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