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71話 りんりんリン
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「ゴブリンが出てきましたよ」
「涼っちまかせた!」
「私任されちゃったー!」
そう言った涼っちは一瞬で影をゴブリンに届くところまで伸ばした。
そして、伸ばした影で拘束するのではなく、剣みたいな形に変えて、それで喉を一突き。
あまりの速さにゴブリンは全く反応できていなかった。
喉を突かれたゴブリンは後ろに倒れ、倒れた衝撃でHPが0になったらしく、魔石に変わった。
たぶん、あの傷だと、ほっといてもすぐに魔石に変わっていたと思う。
「はい、おしまい! 魔石あげる」
「はい、ありがと! アイスあげる」
【アイテムポーチ】に受け取った魔石を仕舞い、アイスを4本取り出して1本涼っちにあげる。もう1本はことりさんで、残り2つが私の分。
私たちはアイスを食べながらゴブリンダンジョンをのんびりと進んでいく。
「今何かいそー?」
「今は4階層ですね」
「えー、まだまだじゃん……暇だよぉー!」
「文句言わずに進むよー!」
そうは言ったけど、正直言って暇。
ゴブリンが来ても涼っちが瞬殺しちゃうし、他にすることなんてアイスを食べるくらいしかない。
「あっ、階段みっけ―――って暗っ!! 何この階段、暗すぎてほとんど前見えないんだけど」
そう言いつつもどんどん階段を降りていく涼っち。
私たちを待つ気はなさそうだから、急いで追いかける。
「わぁー、久しぶりの真っ暗な階層だね。ことりさんライトお願い!」
「ふっふーん、任せてください! ライトON!」
「わぁっ!!?」
ことりさんがライトを向けた先には涼っちの顔があった。
「ご、ごめんなさい!!」
「うー……目がチカチカする…………」
涼っちは目をパチパチさせている。
「ほんとにごめんなさい…………悪気はなかったんです……」
「気にしないで。ほかりんだったら許さなかったけど」
理不尽だよ!
「ことりさんもっかいやっちゃっていいよ!」
「あはは……お二人とも相変わらずですね……」
「痛っ!! ちょっとほかりんぶつからないで! 私まだチカチカして前あんまり見えてないのに……」
「私ぶつかってないよ?」
「ならことりん?」
「私じゃないですよ?」
「それじゃあゴブリン?」
「グギャー!?」
「うわぁぁ!? 誰か倒してー!!」
涼っちが叫んでいる方にことりさんがライトを向けてると涼っちにぶっかったハイゴブリンとゴブリンシャーマン2体がいた。
「涼っち伏せるか影でガードするかしてね! いくよっ、フリージングスピア!」
杖の先端から3本の氷の槍が飛んでいき、3体のゴブリンを撃ち抜いた。
リフレクトスライムの魔石に変えてから、同時に5本までなら飛ばせるようになったんだー。
それに体力もほとんど消耗しないし、属性が一致している魔石って最高だよ。
「ふー、助かったぁ。ありがと……」
「涼っち慌てすぎ。 パニックになるのが1番良くないよ」
溺れた時と同じで、パニックになるのが1番危ない。
ダンジョンに行く時の基本だ。
「だって目がチカチカしてたんだもん。しょうがないじゃん!」
「それもそうだけど……次からは気をつけてよ!」
「分かった。ところでなんでこの階層だけこんなに暗いの? 昨日来た時は暗くなかったよ?」
「たまーにあるんだよ。なんでかは知らいけどね。でもある程度予想はつくよ」
「予想って?」
涼っちは首を曲げてそう言う。
「ここで話しても関係ないから、次の階層に移動したら言うよ。ほら、早く行くよ!」
「今言ってくれたらいいのに。ほかりんのけち。けちりんだよけちりん」
けちりん!?
それ私要素ほとんどなくない?
「もー、しょうがないなぁ……進みながら話してあげるよ」
「さっすがほかりん! さすりんだね!」
「りんりんうるさいよ!」
私は拾い忘れてた魔石を拾ってから進み始めた2人に着いていった。
★
「今まであった2回とも暗い階層の次の階層だったから今回もその可能性が高いってこと」
「確かに前の時はそうでしたね。1回目は私がいなかったのなんとも言えませんが……」
「要するに次の階層は隠し通路がある可能性が高いから絶対壁に触れちゃダメってことでいいんだよね?」
「そういうこと。私の予想だけどね。気をつけて損は無いと思うよ」
今まで私が隠し部屋に行ったのは2回。
その2回とも隠し部屋に繋がる階段があった階層は真っ暗な階層の次だった。
だから真っ暗な階層の次の階層は隠し部屋に繋がる階段がある可能性が高いってこと。
「ほかりんって相変わらず説明下手だよね~!」
「せっかく頑張って説明したのにそれは酷い。私泣くよ?」
「なら泣いてみてよ!」
涼っちさいてーだよ!
「階段が見えてきましたよ!」
「ほんとだ、そういえば全然ゴブリンと遭遇しなかったねー」
「暗い階層にはあんまりいないとか? まあ、いっか。早く行こう! あ、でも壁には触れないようにね!」
「「はーい!」」
「涼っちまかせた!」
「私任されちゃったー!」
そう言った涼っちは一瞬で影をゴブリンに届くところまで伸ばした。
そして、伸ばした影で拘束するのではなく、剣みたいな形に変えて、それで喉を一突き。
あまりの速さにゴブリンは全く反応できていなかった。
喉を突かれたゴブリンは後ろに倒れ、倒れた衝撃でHPが0になったらしく、魔石に変わった。
たぶん、あの傷だと、ほっといてもすぐに魔石に変わっていたと思う。
「はい、おしまい! 魔石あげる」
「はい、ありがと! アイスあげる」
【アイテムポーチ】に受け取った魔石を仕舞い、アイスを4本取り出して1本涼っちにあげる。もう1本はことりさんで、残り2つが私の分。
私たちはアイスを食べながらゴブリンダンジョンをのんびりと進んでいく。
「今何かいそー?」
「今は4階層ですね」
「えー、まだまだじゃん……暇だよぉー!」
「文句言わずに進むよー!」
そうは言ったけど、正直言って暇。
ゴブリンが来ても涼っちが瞬殺しちゃうし、他にすることなんてアイスを食べるくらいしかない。
「あっ、階段みっけ―――って暗っ!! 何この階段、暗すぎてほとんど前見えないんだけど」
そう言いつつもどんどん階段を降りていく涼っち。
私たちを待つ気はなさそうだから、急いで追いかける。
「わぁー、久しぶりの真っ暗な階層だね。ことりさんライトお願い!」
「ふっふーん、任せてください! ライトON!」
「わぁっ!!?」
ことりさんがライトを向けた先には涼っちの顔があった。
「ご、ごめんなさい!!」
「うー……目がチカチカする…………」
涼っちは目をパチパチさせている。
「ほんとにごめんなさい…………悪気はなかったんです……」
「気にしないで。ほかりんだったら許さなかったけど」
理不尽だよ!
「ことりさんもっかいやっちゃっていいよ!」
「あはは……お二人とも相変わらずですね……」
「痛っ!! ちょっとほかりんぶつからないで! 私まだチカチカして前あんまり見えてないのに……」
「私ぶつかってないよ?」
「ならことりん?」
「私じゃないですよ?」
「それじゃあゴブリン?」
「グギャー!?」
「うわぁぁ!? 誰か倒してー!!」
涼っちが叫んでいる方にことりさんがライトを向けてると涼っちにぶっかったハイゴブリンとゴブリンシャーマン2体がいた。
「涼っち伏せるか影でガードするかしてね! いくよっ、フリージングスピア!」
杖の先端から3本の氷の槍が飛んでいき、3体のゴブリンを撃ち抜いた。
リフレクトスライムの魔石に変えてから、同時に5本までなら飛ばせるようになったんだー。
それに体力もほとんど消耗しないし、属性が一致している魔石って最高だよ。
「ふー、助かったぁ。ありがと……」
「涼っち慌てすぎ。 パニックになるのが1番良くないよ」
溺れた時と同じで、パニックになるのが1番危ない。
ダンジョンに行く時の基本だ。
「だって目がチカチカしてたんだもん。しょうがないじゃん!」
「それもそうだけど……次からは気をつけてよ!」
「分かった。ところでなんでこの階層だけこんなに暗いの? 昨日来た時は暗くなかったよ?」
「たまーにあるんだよ。なんでかは知らいけどね。でもある程度予想はつくよ」
「予想って?」
涼っちは首を曲げてそう言う。
「ここで話しても関係ないから、次の階層に移動したら言うよ。ほら、早く行くよ!」
「今言ってくれたらいいのに。ほかりんのけち。けちりんだよけちりん」
けちりん!?
それ私要素ほとんどなくない?
「もー、しょうがないなぁ……進みながら話してあげるよ」
「さっすがほかりん! さすりんだね!」
「りんりんうるさいよ!」
私は拾い忘れてた魔石を拾ってから進み始めた2人に着いていった。
★
「今まであった2回とも暗い階層の次の階層だったから今回もその可能性が高いってこと」
「確かに前の時はそうでしたね。1回目は私がいなかったのなんとも言えませんが……」
「要するに次の階層は隠し通路がある可能性が高いから絶対壁に触れちゃダメってことでいいんだよね?」
「そういうこと。私の予想だけどね。気をつけて損は無いと思うよ」
今まで私が隠し部屋に行ったのは2回。
その2回とも隠し部屋に繋がる階段があった階層は真っ暗な階層の次だった。
だから真っ暗な階層の次の階層は隠し部屋に繋がる階段がある可能性が高いってこと。
「ほかりんって相変わらず説明下手だよね~!」
「せっかく頑張って説明したのにそれは酷い。私泣くよ?」
「なら泣いてみてよ!」
涼っちさいてーだよ!
「階段が見えてきましたよ!」
「ほんとだ、そういえば全然ゴブリンと遭遇しなかったねー」
「暗い階層にはあんまりいないとか? まあ、いっか。早く行こう! あ、でも壁には触れないようにね!」
「「はーい!」」
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