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天高く陰謀巡る秋
何かのスイッチを押したようです
しおりを挟むうん、千夏の言葉は逆効果でした。怒りを抑えたいい笑顔で帰ってきた旦那様。
「東輝に何話しているのかな?」
「と……特には。旦那様をあまり心配していないのを東輝さんが不思議がっただけで……」
「この間から気になっていたけど、東輝は『さん』づけの名前呼びで、私はいつまで『旦那様』なのかな」
「で……ですからっ! 親しみを込めて誰も呼ばない呼び方って……」
「そろそろそれで誤魔化されるのも嫌なんだけど」
何が旦那様のお怒りスイッチを入れているか分かりません!
じりじりと後ろに下がれば、その分旦那様が距離を詰めてきます。あ、壁にぶち当たり……あぁぁぁぁ!! また壁ドンですよ! 壁ドン! そして顎クイまでぇぇぇ!!
何度されても慣れることはないです。……はい。
「東輝がいきなり私を獣だと言い出すし。そこまで赤裸々に話せるくらい仲良くなってるし。あ、義兄になったからだとかは言わないようにね」
それを言ったのは千夏ですぅぅぅぅ!! 私じゃないし!
「麻帆佳のことが後手に回ったのは事実だから何も言わないけど……。まぁ、東輝も誰もいないところで言ってくれただけましなんだろうけどね」
……何でしょう、怖さよりも嫌な予感が、して、きまし……た。
「ここは麻帆佳のご希望通り、欲望全開で抱こうかな」
ひぃぃぃ!!
今まで全開じゃなかったんですかぁぁぁ!?
そんなことを言えるはずもなく、ねっとりとディープキスをかまされました。
「だ……な、さま」
「快楽に溺れて、強請る時は私の名前を呼んでくれるのにね」
知りませんがな!
「麻帆佳の身体は、こうやって触るとすぐに反応してくれる」
「はぁぁぁぁっ」
ぞぞぞぞっと背中を何かが通り抜けていく感覚が。既にあそこがじくじくといいだして。
この感覚が来ると、自分が自分でなくなるようで、慣れれないのです。
「麻帆佳の許可も貰ったし、私が満足するまで付き合ってもらうからね」
欲望が強く出た眼差しのまま、旦那様がそう宣言しました。
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